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(仮称)全幅探索的キーワード検索


アイデアメモです。

全幅探索とは、コンピューターによるシミュレーションで、考えうる結果をすべてしらみつぶしに計算すること。と定義されています。

一方で、全幅探索ではなくて、だいたいのあたりを付けて探索する方法を選択的な探索と呼びます。

「全幅探索」という用語が注目を集めたのは、2007年に将棋ソフト「Bonanza」が最強クラスのプロ棋士である渡辺明竜王(当時)と公開対局を行い、結果としては敗戦したながらも、戦前の予想を上回って非常に善戦したときでした。


当時は、コンピュータ将棋ソフトが次の指し手を探索する手法として、選択的な探索の手法が主流でした。ほとんどすべての将棋ソフト(プログラム)はだいたいの候補を簡単な条件で瞬間的に絞った上で、絞った候補について詳細な検討をするという方式を採用しており、だいたいの候補を絞るやり方には、ソフト開発者の将棋の実力が反映されるとも言われていました。そのため、将棋の初心者は強い将棋ソフトを開発することは難しいと考えられていました。

しかし、Bonanzaは、全幅探索によって、すべての指し手をある程度は計算して検討した上で、ある程度検討した結果、可能性がありそうな候補を詳細に検討する。という手法を取ったのです。Bonanzaの開発者の保木邦仁さん物理化学者。当時は東北大学研究員。現在は電気通信大学准教授)は、将棋に関してはど素人で、チェスソフトを参考に開発をはじめ、チェスソフトでは標準的だった全幅検索の方法を採用したものです。

そして全幅検索を採用したBonanzaが2006年5月の世界コンピュータ将棋選手権で優勝し、翌年には最強クラスのプロ棋士ともいい勝負をしたことによって、将棋ファンの間では大変な話題になりました。一般のニュースでも少し取り上げられNHKスペシャルでも特集が組まれたものです。(それまでは将棋ソフトの実力はプロ棋士と比べるとかなり落ちるものでした。かなり落ちるといっても90%以上のアマチュアには勝てるレベルではあったので、高校野球レベルだった将棋ソフトがプロ野球でも通用するレベルに上がったくらいの感覚です)


前置きが長くなりました。この稿で開発てみるアイデアは

現在のキーワード検索は選択的な探索によっているけれども、全幅選択「的」な検索の方法を作ることでいろいろな可能性が開けるということもあり得るのではないか。というものです。


キーワード検索はなんらかの情報を得るた行うものですが、検索のためにキーワードを設定するというやり方はどちらかというと選択的な探索と考えられます。すなわち、最終的にGETしたい情報がに対して、その情報に行きつくために「このキーワードを検索ワードとすれば、行きつくことができるだろう」というあたりをつけてその先の検索結果の検証に進むものです。

検索ワードそのものが最終的にGETしたい情報とイコールで同じものじゃないか?と思われる人もいると思います。

もちろんどう考えてもこの検索ワードしかないというパターンもありますね。「東京 浦和 最終電車」とか「ペペハロンチーノ 作り方」とか

どういうものがどう考えてもこの検索ワードしかない。ものになりがちかと考えると、目的・やりたいことは具体的に決定済み、言い換えるとゴールは明確で、また必要な周辺情報はおおむね把握していて、あとはこの部分のピースさえ埋まれば全体として完成する。という場合なのかな。と思います。

一方で、目的・やりたいことは何となく想像がついているが、具体的な姿がくっきりと目に浮かぶまでではない。あるいは、何かをやりたいと思っている状態だけれども、どうしたらいいかの方法を知ることが、実際にやるかやらないかの選択に影響するような場合、または周辺情報も不確かでとりあず関連しそうな項目の知識も得たいと思うような場合。

これらにあてはまる場合には「検索ワード自体も何がベストなのか分からない」ということも多くあるように思います。

検索ワード自体が内容が何がベストなのか分からない場合には、ベストかもしれない検索ワードを全幅検索的につぶしにいく事ができるシステムを開発できないだろうか。


もちろん、将棋やチェスのプログラムが全幅探索として可能な手段を考えることと、人間が何かをしたいと考える時に、目的に適合した検索ワードを可能な限り羅列することでは話が全く違います。

ここで全幅探索「的」としているのは、全幅探索ではないけれども、全幅探索でしているように、初期に候補を限定してしまうのではなくて、とりあえずヒットするかもしれない検索ワードを数多く検証のプロセスに上げてみてはどうだろうか。というものです。

現在思いついている(仮称)全幅探索的キーワード検索の雑イメージとしては

① 関連するワードを数多く画面に並べていって探索者に反応させる方式
② アキネーターパクリ方式

があります。

例えば。そのうちハワイ旅行に行ってみたいとなんとなく気になってはいる。でも魅力も費用も手続きもあまりよく分からない。というような場合。
「ハワイ旅行」で検索すると、広告を除いても、「【H.I.S.】ハワイ旅行・ツアー特集2019」「ハワイ旅行・ツアー・観光情報|海外ツアー【JTB】」「ハワイ旅行 ハワイツアー - 阪急交通社」「ハワイのツアー・旅行を比較して格安で予約!【トラベルコ】」「ANAのハワイ旅行・ツアー|海外旅行・海外ツアー|ANAトラベラーズ」と続きます。これらは、前提として行くことはだいたい決まっていて、具体的にどうしようか。を考えている人に刺さりそうなサイトです。広告での集客をしたい企業側としては潜在顧客にマッチする結果ですね。一方で気にはなっているけれどもよく分からない層にはその先に進んでみたいリンクではない可能性も高そうです。


それでは、関連しそうなワードをひたすら羅列していってみてはどうだろうか。

「ハワイ旅行」のサジェスト検索では、「ハワイ旅行 jtb」「ハワイ旅行 費用」「ハワイ旅行 準備」「ハワイ旅行 ブログ」「ハワイ旅行 安い時期」「ハワイ旅行 持ち物」とあります。

(仮称)全幅探索的キーワード のイメージ①は、サジェスト検索で出てくるような、関連しそうなワードを、とにかく100以上並べていって探索者が気になるワードにヒットしたものの検索に飛ぶ方法を想定してみます。関連するワードは2つ以上であればより探索者の知りたいことに適合する可能性が上がるでしょう。
PCであれば100くらいなら一つの画面で表示して一覧性も確保できるでしょうが。他方、スマホ等の端末では多少、操作上の煩雑さはありそうです。しかし人間は選択肢のチェックに関しては、よほど多すぎて物理的に無理な場合でなければ見てみたい、知っておきたい習性があるので、それほど問題にはならないのではないかと思われます。

関連しそうなワードをとにかく目に触れさせることで、意識的に考えてみたことはなかったけれども言われてみると俄然興味が湧いてくる。という現象も起こることが頻繁にあります。これもよりよい探索結果を得る上で有用でしょう。


「ハワイ旅行」では現状のキーワード検索との決定的な差異は見いだせないかもしれません。

しかし、次の休みにどこかに旅行に行ってみてもいいかなとも思う。けれども具体的な事をとくに考えてるわけでもなくて、旅行にいくかどうかも全然決めてないけどどうしようかな。という程度の場合に、キーワード検索で「旅行」と検索することを比較すると、(仮称)全幅探索的検索の方法の方が有用だろうと考えます。


ここまで読み進めていただいた皆さんは②のアキネータパクリ方式はおおよその想像はつくと思われますので省略しますが、②は要はYES/NOの質問によって踏み込んだ検索に必要なキーワードを提示する方法です。







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