「血と怒りの河」(1968)

高校生だった1973年に荻昌弘さんの月曜ロードショーで見て印象に残っていた1968年の西部劇「血と怒りの河」。

メキシコの盗賊に育てられた孤独な白人青年テレンス・スタンプが医師カール・マルデンに命を助けられ、医師の娘ジョアンナ・ペティットと心を通わせ、そのまま白人社会に残り、自ら指揮して盗賊と戦う。

彼の父親的存在である盗賊の親分リカルド・モンタルバンはいくらか人間味があるし、白人の村人たちはスタンプを疑いながらも彼の指揮に従って勇敢に戦うので、孤高のヒーローが根っからの悪人に立ち向かう勧善懲悪ものとは異なる何かがあります。

青い空、白い雲、広がる大地、メキシコとの国境の川がワイドな画面に映える。このころスタンプは「世にも怪奇な物語」のフェリーニ篇「悪魔の首飾り」やパゾリーニの「テオレマ」に出てたけど、何年かいなくなったのち、スーパーマンの悪役で復活。その後はコンスタントに活躍しているようで、女装ショーの中年を演じた1994年の「プリシラ」というのを見たことがあります。

2016年2月7日

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