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生きる#6 一ヶ月半に渡る最強のアナグマとの闘い〜前編〜

※長くなったので前編・後編に分けました

2月初旬、役所から依頼を受けてとある民家の床下を出入りする野生動物の相談対応に向かいました。
私たちが受ける依頼は、こういう住宅地周辺が多く、高齢のご夫婦や女性の一人暮らしの方がほとんどです。

今回は、市街地から30分ほど車を走らせたところにある小さな集落。
国道に面しているけど、すぐ裏は山が迫っていて、野生動物と鉢合わせしてもおかしくない場所。
聞くと、数週間前から床下からバタバタ音がして、床を剥ぐってみると断熱材が何かしらの仕業で1箇所に集められているとのこと。

・目撃動物の特徴
・床下のみ移動(天井裏には上がらない)
・侵入路の穴の大きさ
・時期(冬眠明け)

という情報から、私たちは加害動物をアナグマだと推測しました。

1代目(折りたたみ式)設置

数日後に箱罠(小型檻)を準備し、早速設置。

すると、すぐにここの住民の方から連絡があり
「扉が閉まってます!でも、どういうわけが中にはいません」
行ってみると、ストッパー部分が曲げられていました。

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中のエサ(リンゴ)もないので、入りはしたけど力ずくで扉を押して脱出したのだろうと。

2代目(扉強化タイプ)設置

これまで、1代目の檻でも何度となくアナグマを捕獲してきたけど、同じ理由で脱出されたくないので、役所の箱罠を借りて設置することに。
このタイプ。

扉の部分が多少強いのでは…?という希望的観測で。
しかし、これもまた同じように脱走されていました。

併せて、この時からどんな風に脱出するのか確認するためにセンサーカメラも設置しました。

3代目(アナグマ専用フレーム装置)設置

役所の職員さんから「アナグマ専用フレームが届いた」と連絡があったので、2代目にそれを付けてパワーアップ!

「アナグマ専用パワーフレーム」として出ているということは、やはりアナグマは相当の力で檻を破壊する事例が多々あるのでしょう。
そして、その声を活かしてできたフレームなんだから、絶対無敵!!
我々も、住民の方も安心しきっていました。

しかし!!

フレームは関与しないストッパー部分が90度近く曲げられ、完全に破壊されていました。

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これだけの力があるアナグマは初めてでした。
我々はこのアナグマを最強のアナグマと呼ぶことにしました。

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餌のリンゴを食い逃げして、すくすく育っているアナグマ。

長くなったので、後編に続きます。



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