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KUSA.喫茶さんの珈琲豆を使う理由

1 ROOM COFFEEで使用している珈琲豆は、千葉県内で唯一の村、九十九里浜の海沿い、長生郡長生村にあるKUSA.喫茶さんで焙煎して頂いた珈琲豆を使っています。KUSA.喫茶さんを知ったのは10年以上も前、「自休自足」という季刊誌でした。今ではもう無くなっている雑誌です。
田舎暮らしや、地方への移住、地方創生、その暮らしぶりをとても素敵に切り取っている雑誌でした。今思えば田舎暮らしをしたからと言って、全てのストレスから解き放たれ、理想の暮らしができる訳ではないのですが、日々心身共に蝕まれ、「東京で消耗している」という自分の完全な思い込みというか、勝手な被害妄想で頭の中が汚染されている当時の自分にとって、この「自休自足」を手にとって「素敵な田舎暮らし」に想いを馳せることが、唯一のストレス解消法でした。

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そんな中、2006年の冬号にOPEN間もない頃のKUSA.喫茶さんが掲載されていました。セルフビルドで店舗件住居を建て、お店を始めた姫野さんご夫妻。
凛としていながらも、どこか優しい雰囲気が伝わってくる記事を
何度も何度も読み返していたことを覚えています。
こんなお店を自分でやれたらどんなに良いだろうか・・・
と、前の投稿で触れた「お店がやりたい」と思ったのはこの頃でした。

いつしかKUSA.喫茶さんから通販で珈琲豆を購入し、同じKONO式のドリッパーを
使って自宅でコーヒーを淹れるようになりました。
恥ずかしい話ではあるのですが、一般的に「カフェ」と言われる業態で
働いていながら、「美味しいコーヒー」を強くは意識していなかった当時の
自分にとって、KUSA.喫茶さんの豆で淹れたコーヒーは本当に衝撃的でした。
自分の拙い抽出(というかお湯を注いだだけだった気がします・・・)で、
これだけ香り豊かで美味しく、気持ちを落ち着かせてくれるという感動は
今でも忘れられません。

当時は日々の生活の中でコーヒーを淹れるという習慣は無く、
たまの休日に淹れるのが楽しみでした。
そして月日は流れ、いつの間にやら現実逃避をすることは無くなっていました。
その後も細々とですが継続的に珈琲豆は購入していました。メールで注文するのですが、ちょっとした挨拶だったり、感想だったりも書いていました。そんなやりとりを繰り返している中で、自分が開業する2年ぐらいでしょうか。「もし自分がお店をやる時は、珈琲豆を卸して頂くことは可能でしょうか。」と聞いたことがありました。「ぜひぜひ。」とのお応えでした。
お互いに楽しく軽い冗談のやりとりだったのではないかと思います。

そして2013年、自分がお店をやろうとした時、改めて今度は
冗談抜きで「突然なのですが、お店をやろうと思うので珈琲豆を
卸して頂けないでしょうか。」とお尋ねしました。
メールのやり取りと購入は続けてはいるものの、
未だに訪れたことはなく、憧れのお店にそんな依頼をするのですから
緊張しかありません。ここで断られたら、もう他は考えられないというか、
KUSA.喫茶さんの豆が使えないのであれば、お店をやらなくても良いとも
思っていたので、祈る気持ちでメールを送信しました。
まさか現実になるとは…とビックリはしていらっしゃいましたが
快諾して頂くことができた時の安堵感といったらありませんでした。
これが開業に向けて大きく前進した一つの要因でもあります。

世の中には、KUSA.喫茶さんに限らず、美味しい、あるいは高品質な珈琲豆を提供してくれるお店や企業はありますし、私が直接面識のある尊敬する焙煎士さんもいらっしゃいます。
しかしながら、素直に美味しいとか、品質が良いとか、それはそれで間違いないのですが、それ以上に『私の人生に衝撃を与えてくれた、もっと言えば救ってくれた
KUSA.喫茶さんの珈琲豆」
を使って、たくさんの方々に喜んで頂ける
1 ROOM COFFEEでありたいと思うのです。

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