生産性はコミュニケーションで決まる

はじめに

私、コミュニケーションが苦手な方です。

可能であればひとりで仕事が完結するのが好ましく、人前で喋るのも得意ではありません。

元々、仕事に関してもそのスタンスで、分かる人さえ分かれば良いって感じで資料をまとめてました。

そんなとき、尊敬する上司に「やったことの価値が伝わらない資料は価値がない」とバッサリ切り捨てられ、いままでの自分のアウトプットが急に恥ずかしくなりました。

"相手が何を求めているか考えず、技術で誤魔化す"
"自分の能力を過信して上司に相談もせず役員会議的なMTGに資料を持参"

いま思うと考えられない失敗もたくさん積み重ねてきました。

本noteでは、私が犯してきた多くの失敗から学んだコミュニケーションの意義やあるべき姿、どう実践するのかまで網羅的にまとめています。

コミュニケーションに苦手意識を抱えている方は是非ご覧ください。

仕事とは生産性をあげることがすべて

 仕事は生産性を上げることが全てだと考えます。

 生産性とは、投入した資源(ヒト・モノ・カネ)に対して得られた成果(売上)です。つまり、資源を抑えて多くの売上をつくれる人が最も賞賛されるべきだと考えます。

生産性はコミュニケーションで決まる

 コミュニケーションはヒト・モノ・カネ、全てを繋ぐものです。組織に属している以上、ひとりで完結する仕事はありません。たとえ100億を生み出す戦略を立てても、たくさんの人を動かさないと実行できないのです。その意味で仕事で成果を出したいのであれば、何よりコミュニケーションを大切に扱う必要があります。

 以下では、人を動かすことを前提としたコミュニケーション方法を紹介していきます。

1.報連相は、相手にNo.と言わせなくするための手段である

 報連相はなぜ大切なのでしょうか?

 私が考えるに、報連相は「相手にNo.と言わせなくするための手段」です。

 ゴールから逆算して、最終的な意思決定の際に即座に相手からGOを引き出すために段取りを踏む過程が報連相です。その意味で報連相は欠かせないコミュニケーションだと考えます。

 1-1.報連相に必要な情報を意識し整理する

 何のけなしに報連相するのではなく、適切なタイミングで意味ある報連相することが生産性に大きく関わってきます。

 以下では、Hikaruさんの記事を参考に報連相を目的別で3分類し、それぞれに対して必要な情報を整理しました。

 Hikaruさんは、この記事以外にもビジネスシーンで役立つ情報発信されているのでTwitterPodcastもフォロー推奨です。


スクリーンショット 2020-04-28 19.00.44

 <報連相の3分類>
A / 共有・伝達(報告・連絡)
情報量の差を埋めることを目的としたコミュニケーションです。
タスクの進捗や定例の時間を共有することが当てはまります。
B / 意思決定(相談)
自分だけでは決めきれない決定に関し、相手に意思判断を求めることを目的とします。
C / ディスカッション≒雑談(相談)
相手の知識やスキルを借り、論点を解消することを目的としています。
チャットでやり取りするとスレッドが荒れるケースが多いので、雑談するか必要であれば会議室を取ることをお勧めします。

 同様に、報連相に必要な情報を整理します。

<必要な情報>
1 / 前提・背景
全ての議論の条件となる情報です。
2 / 論点
何について話したいのかが明らかにされた情報です。
3 / 判断材料
意思決定の参考になる情報です。目的別のチェックリストとして使ってみると報連相の質が向上します。

 報連相の際、チェックリストとして使ってみると質が向上するはずです。

 1-2.雑談は無知に対する最高のソリューションである

 仕事中、いまやっている仕事や現状の課題と感じていることについて意識的に雑談をするようにしてます。また、雑談の要旨をまとめてSlackにメモを残すことを大切にしています。

 理由は明快で、チャットは相談に向いてないです。チャットのメリットは高速でコミュニケーションを行え、アーカイブできる点だと感じています。何往復も長文でやり取りを行う相談やディスカッションは、性質上チャットに不向きです。とりあえず詰まったら論点をメモして誰かと話す。これが一番良いソリューションです。

 雑談をする上で大切なのが質問力ですが、私が大切にしているのは質問者の責任を果たすことです。

 質問者の責任とは、論点を明確にし、コンテキストを共有することだと考えます。

・分からないことを分かる術を知らない
・分からないことが分からない

 特に上の状態の時は、コンテキストを重視して伝えることを意識します。ここでいうコンテキストとは、「なぜやるのか?なにをやるのか?どうやるのか?」などのストーリーを指します。

 チャットとバーティカルのツール性質を考えてコミュニケーションすることでより上質なアウトプットに繋がります。

2.どう伝えるかより、何を伝えるか

 人を動かすことを目的としたコミュニケーションにおいて、「情報をどう伝えるか」よりも、「意思決定するために必要な情報を揃えられているか」が重要です。

 多くの場合、「いまある情報をどう伝えるか」で迷いがちですが、「そもそも伝える情報はそれで良いのか」と考えることが大切です。

 普段の仕事でなかなか相手に納得してもらえないという人は、相手が求めている情報を渡せていないことが大きな原因として考えられます。

 例えば、社長と平社員では見ている視座や見えている範囲に大きな乖離があるので、平社員がこれでいいだろうと思ってまとめた情報は社長からみると全然足りないわけです。この場合、伝え方をどれだけ工夫したとしてもそもそも情報が足りないので意味を成しません。その意味で何を伝えるかが重要だと考えます。

 2-1.DIKWモデルを活用し、相手の視座で情報をまとめる

 「情報」の定義を曖昧なまま使いがちですが、情報には4つの意味があります。

・Data : それ自体は意味がない数字や記号
・Information : データを整理し、解釈や意味を持たせたもの。who, where, what,whenに答えられるもの
・Knowledge : 情報を体系化し、まとめたもの。howに答えられるもの
・Wisdom : 価値基準を表すもの。whyに答えられるもの

 ラッセル・L・アコフという学者が上記をビジネスに転用したフレームワークを提唱しています。それが「DIKWモデル」です。

画像2

 DIKWモデルで注目すべき点は、組織におけるポジション別でどのレイヤーの情報を求めているかが明確なことです。

 DIKWモデルで相手が求めている情報を伝えれば、一発でOKが出るようになります。

 もっと詳しく知りたい方はこちらの書籍を読むと理解が深まります。

 2-2.ビジネスを理解した提案を心がける

 ビジネスは登る順番で全てが決まります。やった方がいいことは無限にあるが、その中でどういう順番でどこまで掘り下げるかが大事です。つまり、「なぜやるのか?なぜいまなのか?」に答えられることが人を動かす上で重要であり、そのためには最重要経営指標を常に意識することが大切です。

3.行動に繋がるコミュニケーションはストーリーが大切

 意思決定に必要な情報をそれっぽく羅列するだけでは、これまでの苦労が水の泡になります。

 人を動かすためには、一部始終一貫したストーリーが必要です。

 3-1.ストーリーの2つの型

 ストーリーの構築にも型が存在するので、心配せずにフレームワークを活用してもらいたい。

画像3

 ①WHYの並び立て

 誰もが聞いたことがあるであろう、結論ベースの型です。結論に対して、理由や具体的なやり方を並列的で置くことで結論をサポートします。

 ②空・雨・傘

 こちらも日常的に使っている手法です。次のような感じで、結論を支えるストーリーを構築します。

・空:課題の提示 (〇〇が問題だ!)
・雨:課題の掘り下げ (〇〇を判断するにはここが大切だ!)
・傘:結論 (〇〇が〇〇なので、こうする!) 

 3-2.言葉を丁寧に扱う

 言葉の解釈は、認識がズレているケースが多いです。認識がズレたまま仕事が進んでしまうと、最後の最後で出戻りが発生するリスクを孕んでいるので言葉は丁寧に扱いましょう。具体的に次を気をつけています。

 ①指標の定義はすり合っているか?

 特に意思判断の材料となる分析資料において、分析資料を説明する前に言葉の定義をすり合わせることが相手の理解を促進します。

 相手は賢いが無知である、ことを前提に丁寧で簡潔な説明を心がけましょう。

 ②抽象的な言葉より、アクションに繋がりやすい具体的な言葉を選ぶ

 解釈の幅が広い言葉より、選択肢が限られている言葉をチョイスする方がアクションに繋がりやすいです。

 例えば、「あれやっておいて!」より、「〇〇について資料まとめておいて!」の方がやることと要件が明確になり、行動に移しやすいですよね。

さいごに

急に全てを実践するのはかなりレベルが高いので、まずは

“報連相の目的別で必要な情報を揃えられているかチェックする”
“ストーリーのフレームワークを使えているか意識する”

ところから始めてみると無理なく続けられるかもしれません。

慣れてきたら、相手が欲しがっている情報は何なのか意識してみると出戻りを最小限にこれまで以上の成果を出せるようになっているはずです。

Twitterやってるので気軽に絡んでください〜



 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?