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ワンパクスタッフと共に能登半島にボランティアへ行ってきました

今年の1月1日に起きた能登半島での地震・津波被害に加えて、9月の豪雨によって、土砂崩れや川の氾濫による水害が発生し、多くの方々が更に被災しました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げると共に、亡くなった方々へは、心よりご冥福をお祈りいたします。


2024年11月2日(土)〜11月4日(月)の三連休でワンパクスタッフ3名と能登半島にボランティアに行ってきました。今回は5月に視察した際に訪問した、災害NGO 結のトムさんに連絡し、結の指示の下、様々な活動をおこないました。詳細は後日、ワンパクスタッフがnoteに書くそうなので僕の方では概要をまとめておきます。

ワンパクスタッフと共にトムさんからオリエンを受ける

今回は合計3箇所での活動を行いました。

  1. 輪島市町野町にある支援物資配布・炊き出しの拠点である、もとやスーパー跡で「組手什」(クデジュウ)を使った棚作りと支援物資整理

  2. 輪島市門前町にある農家のお宅の仏壇、タンス、食器棚、ベッドなどの搬出

  3. 輪島市門前町にある9月の水害で再度被災してしまったお宅の床下の泥のかき出し

「組手什」(クデジュウ)を使った棚作りと支援物資整理

まず一カ所目に訪れたのは輪島市町野町にある結の物資配布と炊き出しの拠点にもなっている「もとやスーパー」の跡地。
ここは1月1日の地震があった直後から、社長や従業員の判断で、地元の方が手へ大して連日炊き出しをおこなっていた場所です。

震災時に道路が遮断され、炊き出しを行っていたもとやスーパー跡

まずは、間伐材に切れ込みを入れてある木材の「組手什」(クデジュウ)を組み合わせて棚をつくっていきました。正直なところ「組手什」のことをはじめて知ったのですが、木材の切れ込み同士を嵌めていくことで棚がつくれるため、釘が不要であり、解体すれば再度リユースできるという優れものです。

しかしながら嵌めるのもコツがいるため(教えてくれた大工さんは手でホイホイ組んでいく)ハンマーで緩みがないか確認しながら組んでいきました。

そしてできた棚に、地面に置いてあった物資を乗せて整理していきました。

「組手什」(クデジュウ)を組んでいく様子
完成した「組手什」(クデジュウ)棚
地面に置いてあった物資を棚に整理

農家のお宅の仏壇、タンス、食器棚、ベッドなどの搬出

二カ所目に出向いたのは輪島市門前町にある農家さんのご自宅。

とても立派な古民家なのですが、地盤が40cmもずれてしまい全壊判定となってしまったそうです。しかしながら解体するには、自宅内にある家具や仏壇を全て室外に出さなければならず、高齢の家主と息子さんの二人ではどうにもすることができずに、ボランティアにお願いするしか選択しがないということで結を頼ったそうです。

大きな家にふさわしいとても立派な仏壇があり、当然ながら破損させる訳にはいきません。欄間もあることからどうやって出そうかボランティアメンバーで相談することからスタートし、無事に納屋に移動することができました。

他にもタンスや食器棚、ベッドなど、大型の家財を全て納屋に収めることができました。

印象的だったのは、全ての大物の家財を搬出したあとに家主さんが「これでやっと解体して前に進めます。ありがとうございました。」とおっしゃっていたこと。約10ヶ月の間、時間が止まっていたと考えると、国や自治体はもう少しスピード感を持って全面的なサポートをするべきではないかと思いました。(まあ、それが出来ないからボランティアに頼るのが実態なんですが)

まずは搬出方法を話し合いから
納屋まで軽トラに積んで移動
納屋内に無事に収めることに成功
大型のタンスも搬出
ベッドもとても重量がありました

9月の水害で再度被災してしまったお宅の床下の泥のかき出し

三カ所目は輪島市門前町にある川の氾濫によって床上浸水したお宅。

床下には床板を貼るための根太(ねだ)という木材が格子状にあるため、泥かきの作業する際にとても邪魔になり、想像よりも思うようにスコップを動かすことができません。

また、水の含んだ泥の重いこと。スコップに泥を乗せて、テミと呼ばれるちりとりのような道具に乗せて泥を運ぶのですが、スコップ一かきで5〜8kgくらいの重さがあります。

さらにはテミに乗せた泥をバケツリレー方式で外まで運び出さなければなりません。

仕上げに大きなスコップで取り出せない泥は小さなスコップや草削りという小型のくわのような道具でできる限り取り出します。

狭い場所で重い泥をかき出すという、本当に腰にくる作業でしたが、夕方前には何とか全ての泥をかき出すことができました。

最後に家主さんにお話を聞くことができたのですが。今回の水害は9月20日に地震の被害によって壊れた屋根の修理がようやく終わり、瓦を全て上げた翌日9月21日に起こるという何とも信じがたい出来事だったそうです。そんな耐えがたい、心が痛む状況におかれている高齢のご主人が、川が氾濫した当日の自身や奥様が流されそうになったこと、命からがら近所の家の二階に這い上がったお話をしてくれて、本当に凄まじい水害だったことを知ることができました。

川が氾濫して家まで土砂や倒木が押し寄せた様子
床下には大引きと根太があり作業が大変
大型スコップに乗せた泥をテミに移動
リレー方式でテミに乗った泥を運び出し

まだまだボランティアは必要、一人一人ができることを考えて行動を

能登はこれから冬の時期になります。結の代表のトムさんが言っていましたが、冬の間はこれまで以上にボランティアが少なくなる。それまでに水害のあった地域の家や、畑の泥のかき出しや整備をしないと、被災者が春を迎えて畑に種を植えようという前向きな気持ちになれないので、11月中にボランティアをもっと集めて、どこまでやれるかが一つの勝負だと。

当然ながら能登の復旧・復興はまだまだ先までつづきます。僕はこれからも会社として個人としてやれることを考えて行動していこうと思います。

年末にさしかかり、みなさんもお忙しいと思いますし、関わり方や支援の仕方は人それぞれなのですが、もし現地でのボランティアに少しでもご興味のある方は、ぜひXのDMでも結構ですので、阿部までご連絡ください。

※写真は全てボランティア団体、所有者の許可を得て撮影しています。

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