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いい塩梅の小粋な肴を作れるように私はなりたい。

高校生の頃から地元の友人連中とごはん会をよくしている。
いつしかそれは飲み会になり、それに合わせ料理も変化してきた。

といっても、昨今の状況では厳しくてGWのある日に二年半ぶりに開催した。

○男子中学生が好きそうな料理

いつも飲み会をするのは友人の家で、俺が料理を持っていくのが定番。
この日はその友人の弟が誕生日だというのもあり
その弟(男子中学生)の好きな料理と、日本酒に合う料理、の2ジャンルで作った。

まずは男子中学生の好きそうな料理を4品。
玉子焼きの寿司が酒に合う事が分かったのは大発見。

・ももの唐揚げ&せせりの柚子胡椒唐揚げ

まず決めたのはコレ、唐揚げ。
好物だけど、揚げ物作るの大変であんましない…
と言われちゃあ作るしか無い!

レシピは過去にまとめたのでそっちを。
酒粕を使って、漬け汁のロスを無くすのが俺流の唐揚げ。
何年もかけてやっと納得できるようになった自信作。
衣は片栗粉と薄力粉を1:1で混ぜて、少しだけパン粉を入れるのがコツ。

せせりの唐揚げはお弁当をやってた時に好評だった一品。
柚子胡椒と酒とポン酢で味付け。少しだけマヨネーズとゴマ油でコクを追加。
せせりの強みはたくさんあるけど、冷めても美味いのがとても良い。
歯応えもいいし、ビールにも日本酒にもよ~く合う。

・牛の肉寿司

俺が祝い事の時にやりがちな料理、肉寿司。

今回は牛の脂がかなり濃いので、赤酢を混ぜたしっかり味のシャリ、ワサビと柚子胡椒の二種で握る。
仕上げにガスバーナーで香ばしく炙り、塩で味付け。

そりゃ美味いだろ!!って味。
でも祝い事らしくていいよね。
奮発して良い肉買ってよかった。

・ジャンクなポテサラ

みんな大好きポテトサラダ。
あえてのジャンク味。
サイコロ状に切って焼いたベーコン、多めの粒マスタード、ガツンと効かせた粗挽きコショウ、ちょっと塩と酢を効かせたキュウリと玉葱。

うめえ~~~~
これが飯にも合うんだけど、唐揚げにも酒にも合うんです。
少しだけ混ぜたプレーンヨーグルトがね、いいサッパリ感をだしてくれるんす。最高。

・玉子焼き

玉子焼きは普通にそのままで食べる予定だったが、シャリが少し余ったので握りにも。
味海苔しかなかったけど、これが意外と良い。
めちゃ酒のアテになります。
甘めの玉子に、しっかり味のシャリ、味海苔の甘辛味。

いや、ツマミに玉子ありやな~~
久しぶりに玉子の寿司を食べたけどいいもんです。見直した~

○大人の肴たち

こっからは大人の料理を4品。
まぁ今までの唐揚げとかも大好きだけど、旬の料理でしっぽり日本酒を呑むのが好きなんよ。

ちなみに肴ってのは『酒菜』でサカナと呼んでいたのが変化したそうなので『酒の肴』というのは意味が重複してるそう。
わお、これから気をつけよ…
サハラ砂漠的なアレなんかね。まぁどっちでもいいけど。

飲めない頃からツマミ、アテ、肴、どれも大好きだ!


二十歳の頃、日本酒を呑むのは俺とあと一人くらいだったのに、気付けば日本酒がメインになるほど日本酒飲兵衛が増えた。
ので、料理も日本酒に合わせていく。

ちなみに今回は福岡の地酒『糸島』と、佐賀の大和酒造の『ブラックジャック21』を持っていった。
糸島は地酒らしいクセと豊潤な香り、ブラックジャックは極辛口でキレッキレ。どっちも美味かった~

次の会はなにをもってこうかな~
日本酒は鮮度が大事だから一人ではあんま飲めないけど、こういう時はぴったり。嬉しいね。

・アサリと根三つ葉のおひたし

春だからね、こういう野菜がメインになる。
んでもってアサリも春らしい。

セリとアサリでやる事が多いのだけど、この日は珍しく根三つ葉が安かったのでチェンジ。
セリは別のに使う。

アサリを酒蒸しして、塩と少しの薄口醤油で味付け、冷ます。
根三つ葉はサッと茹でて冷やして切ってよーーく搾る。
よく搾ったらアサリと合わせて完成。
1時間くらい冷やして置いておくと味が馴染んで美味い。

これいいのよ、爽やかな香りとアサリの旨味。
しみじみ日本酒に合う。ちょっと時間が経ってぬるくなっても美味い。
ちなみに今回は冷凍ムキあさりを使いました。マジ便利。

・ブリとこごみの柑橘和え

これも春先に作りがちな一品。
ブリを塩と柑橘で〆て、茹でたこごみとポン酢とゴマで和える。

今回は塩揉みしたラディッシュをいれて彩りと食感を加える。
ブリの腹側を使うのがこれのポイント、コッテリしたブリ、サッパリした柑橘、ほんのり苦いこごみのぬるりとした食感、ラディッシュの歯応えと青い香り。

魚だけじゃなく、野菜だけじゃない、こういうおつまみは財布にも優しいし、食べてて楽しい。
ちょっとだけ入れる煎りゴマが大事なんです。忘れないでね。

・サーモンの塩辛 カブ添え

サーモンを塩辛っぽくして食べるアテ。

サイコロ状にしたサーモンに塩を当て水分を抜いたら塩麹で和えて数時間寝かせたら完成。
今回は少しだけ薄口醤油を加えて味を整えた。

塩気も旨味も濃いめなので生のカブを添える。
カブに乗せて食べて日本酒をクイッと1杯。サイコー。
塩麹の味と日本酒は合う。そりゃそうだ。
豪華にするならイクラを合わせてもいいのよ。

ただ、これはぬるくなると臭みが出てきたから反省。
わさび漬けとか、柑橘の皮とか、そういうのを混ぜればよかった。
もしくはカブに軽く塩と柑橘かけとけりゃよかったかなぁ~
次はそうしよう。うん。

・鴨とセリの温浸し

この日で一番のお気に入り。
今後も定期的に作ろう、いや作る。

市販の燻製の鴨ロースを使うお手軽な一品。
鴨ロースをなるたけ薄く切り、濃いめの蕎麦ツユ的な出汁でサッと炊き、セリを加え沸かして完成。
七味をかけるのがオススメ。

薄く切る事で鴨肉が反って出汁と絡みやすくなるのと、丁度良い味の濃さになる。
めんつゆでやっても良いし、出汁、醤油、酒、みりんを合わせても良い。


スモーキーで旨い鴨と爽やかでシャキシャキなセリが合うんよ。
んでもって、ツユに鴨の脂が溶け出てそれがセリに絡んでて最高。
天ぬきならぬ鴨ぬき、それよりちょっと汁が少なめ濃いめの温浸し。
こういう料理が作れるようになってきたのなんか良いな。

ちなみにこの料理は鴨とセリを切っておけば5分で出来るから、会の食べ進み具合次第で作っても良い。
食い切れなそうなら次の日にしてもいいし、蕎麦にしたてて〆にしてもいい。
こういう一品はホントに重宝する。

・いい塩梅、程よい力の抜き具合。

料理会を始めた頃、俺は持てる技術を全部見せてやろう!!って感じで料理をしていた。
まぁそれなりに色々考えてたと思うけど、今おもうとそこまでする必要あるか??って感じの仕事もしていた気がする。

労力とクオリティーと満足度のバランスが悪かった。

それは技術や知識が足りないのもあるけど、圧倒的に経験不足。
食べる方も作る方も経験値が足りなかった。


じゃあ今は経験値が高いのかって言われたら即答で『まだまだペーペーです!!』ってくらい足りないけど
あの頃に比べたら良い具合のバランス感覚を身につけてきた気がする。

昆布と鰹節で出汁を引かずに粉末出汁を使ったり、市販品の鴨の燻製を使ったり、冷凍ムキあさりを使ったり、切っただけのカブを添えたり。
手を抜いてるわけじゃ無いけど、良い塩梅ってのを身につけてきたなぁと思う。

全品100%、全品ガツンとって感じだと食べてて疲れるし飽きちゃう。
程よい力の抜き方、緩急、手をかけすぎない。
そういう事も大切だと思ったりしている。

・淡い料理の大事な役割

メインっぽい主張の強い料理も難しいが、箸休めっぽい料理や淡い味の料理ってのもかなり難しい。
コース料理の流れの中でゆったりする所、フレンチのグラニテとか肉料理の付け合わせとか、和食の酢の物や蒸し物とか、そういうインパクトや旨味は淡いけどある事で全体の満足度を上げてくれる。
そういう美味しさってのも大事にしていきたい。

今回で言うとこごみと根三つ葉かな。
淡い美味しさでしっぽりいきたいもんです。


今はまだみんな二十代だから海鮮や肉を混ぜることも多いけど、あと10年くらいしたらシッポリとカブのぬか漬けとか、カボチャの煮物とか、厚揚げと小松菜の炊いたんとかで飲みたいもんだ。
そんな日を楽しみにしつつ、今日の所はここいらで。


いい塩梅の気の利いた肴を作れるように私はなりたい。



いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。