サーターアンダギーばかりをかじってた。
サーターアンダギーは日本固有のドーナツである。
ドーナツの定義というのは簡単では無いが、日本固有のドーナツといえばサーターアンダギーかあんドーナツかという所だろう。
前にも書いたのだが、ドーナツは買う物でサーターアンダギーは家で揚げる物。だと思っていた。
だから、祖母が沖縄に住んでいるのに市販の物を食べた経験が少ない。
物心ついたときから沖縄製粉のミックス粉の味に慣れ親しんでいた。
・チャリンコとカロリーと脂肪。
さて、アタシは沖縄にしばらく滞在していた。
ご存じかも知れないが、沖縄には電車が無い。モノレールはあるが極一部だけ。バスは時間通りこないし少ない。
ので基本的に沖縄では自動車が必要なのだが、アタシはベテランペーパードライバー。
うむ、ここはひとつ自転車を持っていこうじゃないか。
と言うわけで7年の付き合いになる愛車TREKを連れて沖縄にきた。
本来の大きな目的は祖母宅のアレコレ。クーラーを変えたり、キッチンの整理をしたり、携帯の更新をしたり、、祖母孝行をしつつ美味しい物や琉球の焼き物を巡る。
目星をつけていたお店や、出会った人に教わった店など様々。
行く日は70キロほど。
坂も多いし、風も強い、こんだけ漕ぐんだしサーターアンダギーを食べてトントンだろう。と思ってたけど太ったのでそうとう食べたみたいだ。
正式に数えるのが大変なんですが3週間で約40個食べたみたいです。うわ~お。そりゃ4キロ太るわ。
しばらくドーナツ断ちをしなくちゃな。
リアルに血肉(脂肪?)になったサーターアンダギー、身に染みた美味しさ。
解説していきますね。
・新垣食堂(宜野湾市)
兎にも角にもまずは目についたのを囓る。
沖縄の食堂ではてんぷらと一緒にサーターアンダギーがよく並んでる。
正確に言えばサーターアンダギーは砂糖の天ぷらなのだ。
専門店ではないのでそれなりのクオリティだが、やっぱし沖縄のサーターアンダギーは美味い。
サーターアンダギーってのはね、こうやってパッカーンと割れてるのが良いンよ。
NHK沖縄の公式マスコットのさぁたぁちゃんだって頭が綺麗に割れてるでしょ?かわいいのよ~
・歩のサーターアンダギー(牧志)
沖縄の観光名所、牧志公設市場の2階にある有名店。
噂はかねがね聞いていたし、俺の前に並んでたおばちゃんが「ここのが世界1よ!!」って教えてくれたので期待が高まる。
最近は色んな味で展開する店も多いが、ここはプレーン一筋。
それでこの人気だからやっぱ凄い。
早い日は午前で売り切れるそう。
買ったらオマケで揚げたてを1個くれたのですぐ囓る。
サクサクでもそもそ。
油キレがよく何個も食べれちゃう。
卵が多いのかな?中は黄色が濃い。
材料にピーナッツとある通り、香ばしい甘さ。
甘さが控えめで美味い。
ふかふかでも、ホロホロでも無いモソモソ感が絶妙で最高。大好き。
冷めても美味いし、上品な甘さ。
・三矢本舗(恩納村)
名護に本店がある有名サーターアンダギー屋。
那覇側からだと恩納村にある”おんなの駅”という道の駅の店舗が近い。
大人気なので回転が速く、かなり種類が多いのにどれも揚げてから時間が経ってない。
だから人気になる、という良いループですね。
さくさくふわふわ、油キレがよく軽やかで食べやすい。万人ウケするサーターアンダギー。
味の展開が豊富で、プレーン、黒糖、ごま、紅芋、などの定番から
カボチャ、ココナツ、モカ、田芋、バナナ、シークヮーサーなんてのもある。
シークヮーサーが意外にも美味かったほろ苦い皮がサッパリさせてくれていい!
更には琉球三矢ボールなるものが売っている。
これはサーターアンダギーとは違い、綺麗な球体。
揚げられた層が薄く、ふわっふわのもちもち。
ポン・デ・リングの一粒を大きくしたような感じ、タピオカ粉を使ってるだとか。
とにかく軽くて紙風船のよう。
想像以上に美味くて面白い食感で気に入った!
二日目のサーターアンダギーもよかった。
サクサク感がほんのり残ってて、しっとりもそもそ。
冷めてからの感じはここがタイプだなぁ。
・どことは言わないけど、、、
ネガティブな事は言いたくないけど、これだけはちょっと不満だったかなぁ~
米粉のサーターアンダギー、ううむ。サクサク感は無いしべとつく粘りというか、ネチャっとしる。米粉でやるなら方向性が違うかな~
と思いました。あくまでオレの個人的な意見です。う~~ん
・松原屋製菓(牧志)
国際通りの中にある沖縄菓子屋。
ポーポーやチンビン、なんとぅ餅、ムーチーなど様々な伝統的な菓子が並ぶ。
もちろんサーターアンダギーもある。1個100円でプレーン、黒糖、紅芋の3種。大きめの王道。
専門店では無いからね、冷めてから売る用に作られてるんかな。
しっかり食べ応えの歯応えしっかり。
油キレはよくあっさり、食べ歩きが多いからかなぁ。
美味しい、これぞサーターアンダギーって感じ。
久し振りにポーポーも。
分厚いクレープというか、もっちりしたロールケーキの生地だけというか、そういう感じ。
黒糖が粗めに入っててたまんないね~
久し振りのポーポー、昔よく作ったなぁ。
・呉屋てんぷら屋(牧志)
国際通りから少し離れた裏路地のような場所にひっそりあるてんぷら屋。
なんとなくの場所まで行けば香りで辿り着けるほど良い香り。
おばあ達のお店で、これぞ沖縄!!って感じ。
さかな、イカ、野菜の天ぷらはもちろん、サーターアンダギーもたくさんある。
味の展開はプレーン、黒糖が基本で胡麻はレアらしい。
小とはいえ70円でこのサイズなら大満足。
大は200円するがグレープフルーツみたいなサイズで手を出せなかった。次こそ。
カリッとサクッとした歯応えと中のホクホク感。
甘さは絶妙、良い塩梅。何個も食べれちゃう。
目立たない場所なのにお客さんが多くて、地元の人?が数10個単位で買うから、回転が速いんかな。
冷めてからもしっかり美味い。密度が濃いめで食べ応えあります。
ベースの生地は白め、卵少なめかな~
ゴマ入りのサーターアンダギーはカリカリが二段階で楽しいよね。
さかな天ぷらも美味かった。沖縄のてんぷらはフリッターに近いんだけど魅力的。
好きよ、この味、いいおやつ。
・うなりざき(美栄橋)
美栄橋から少し、泊の港からすぐにある紅芋サーターアンダギー専門店。
紅芋味のみだぜ??尖りまくってるべさ。
しかもここは人気みたいで予約必須。
この日はたまたま当日の朝に予約で買えたが、予約ナシだと買えないことが多いみたいです。
予約して買うサーターアンダギー、しかも紅芋味だけ、こんなん期待が高まるに決まっておろうぞ。
カリッカリでふっくら、ほんのりモチッとホロッと。
芋が多いからか油キレはそんなかな。ちと重ため。
芋が多いので真ん中らへんは”かるかん”っぽい独特な食感と味。
紅芋味のサーターアンダギーってプレーン、黒糖の次によく見るけど正直淡いのが多い。
けどここのはしっかり芋!!芋率高いから揚げ方も違うんだろうけど、特化型だからできるのだろう。凄い。
買ってすぐ近くの公園で囓ってたらネコが来たけどやらん!!
野良猫に餌付けはダメ!絶対!!
というか誰にでもあげないくらい美味い!
・仲里屋(古島)
町のサーターアンダギー屋さんらしい店。
大100円、小50円で、プレーン、黒糖、紅芋、ごま、ピーナツ、コーヒー。と品揃えも豊富。
小サイズがかなり可愛くて二口で食べれる。
種類も多いので食べ比べが楽しい。
小さいサイズってカリカリ部分が多くて魅力的。どっちも好きだけどね。
カリカリな面が多いのと、生地の密度が高いのとで硬め。
甘味は濃いめで満足感が高い。めっちゃ牛乳に合う味!!
ゴマ入りのカリカリ感も好きだけど、ピーナッツは更に凄い、歯応えが楽しいお店。
小さいし密度が濃いので時間が経ってもカリカリ部分が維持されやすい。
お土産に買うならこういう小玉の方が水分が少なくて持ちも良いし、食感も維持されやすい。
なにより色んな味をシェアできるのでオススメ!!
・ハッピーモア市場(宜野湾)
宜野湾市に最近できた道の駅?的なマルシェ。
普段はサーターアンダギーの販売が無いのだけど8のつく日限定でレモンアンダギーを販売している。
6個入りと9個入りの2種。かなり人気みたい。
サックサクのホロホロ。これまでで1番軽やか。
表面の亀裂が細かくサクサク感を更に強調している。
まぁその分油が多いので胃には来るけど、レモンの酸味と苦味のおかげでサッパリ爽やか。
このマルシェではスムージーを売っていて、そこで使っていたレモンの皮が余ってしまい困っていた。という所から始まったらしくそのエピソードも素敵。
レモンピールを酵素漬けにして使っているからか熟成された酸味と苦味、リモンチェッロっぽい。
レモンのサッパリと、紅芋のもったりがたまらなくて、交互にいつまでも食べ続けられた。そりゃ太るわ。
・マルヒサてんぷら(北谷)
ちょっと番外編っぽいけど、三月菓子という沖縄の伝統菓子がある。
初めて知った。マニアックな物だと思う。きっと。
味や食感はサーターアンダギーと似て非なる物で、軽やか、ほろほろもそもそ、油が少なくて軽やか。
モンゴル料理屋で食べたパンに似てる。
三月菓子は3/3に沖縄で行われる浜下りという行事の際に作られるそう。
浜下りは三月御重という様々な料理を詰めた重箱を持って海へ行き、女性が身を清める行事だそうで、三月御重の花形がこの三月菓子だとか。
基本的にサーターアンダギーと似ているのだが、生地に油を混ぜるのと、形が大きな違いかな。
細くて薄いので揚げ時間が短くて沢山食べれます。クセになる。
三月じゃなくても売ってるのは根強い人気があるのかなぁ。
・お土産さぁ~たぁ~さぁ~
帰ってきた。出発の朝は三月菓子とレモンアンダギーを食べて那覇空港までチャリンコを漕いだ。
我が家は祖母が沖縄に住んでいるのや、父が頻繁に沖縄に出張に行ったりで大抵の沖縄土産は満喫したので、今回はあえてサーターアンダギー尽くしにした。
あとはパンと皿、ジーマーミー豆腐3種、カニステルとスターフルーツ。
特に美味しかったというのと、買えるタイミングがよかったものをね。
色んな種類を食べ比べる事で分かることもあるし。
持ち帰ったサーターアンダギーはトースターで温めて周りをサクッと復活させる。
意外と賞味期限が長くて、10日ほど持つのもあった。
これ、コーヒー味かな?美味しかったなぁ~
やはり小さいのは土産にピッタシだ。カリカリで美味い。
今回のイチオシはうなりざきの紅芋サーターアンダギーだなぁ~
サーターアンダギー慣れしてる人にもここはちょっと驚くかもしれない。
友人のドーナツ好きにはこうやって食べ比べセットに。
喜んでくれて良かった、サーターアンダギー沼も深いぞ~
・食べ過ぎたかも…
少し太った。4キロ。
きっとサーターアンダギーが要因。やれやれ。
けど良いんだ。こんな美味し物で太ったのだもの。ある意味では幸せ太りだよ。独りだけど。
サーターアンダギーばかり食べていると、そんなに違うの?と聞かれる。
けど違うんです!!!!
サイズ、粉や卵の比率、砂糖の種類、水分量、ふくらし粉の量、混ぜ具合、揚げ油の種類、揚げ具合、油キレ、味の展開、紙袋かビニールか、値段、賞味期限、、、色んな差がある。
そりゃね、1個や2個じゃそうは分からないでしょうよ。
10個、20個、と食べる事で分かる物があるんです。
そしてきっとそれを10年、20年と続けないと分からない境地があるのだろうけど、、、
なにはともあれこうやってひとつの料理を追うのは意外と楽しい。
飽きない。とは言い切れないけど食べる事で見える景色というのはなんとも魅力的だ。
ランキングをつけるつもりは無いけど、今回食べた10店で特に気に入ったのは
歩のサーターアンダギー、三矢本舗、呉屋てんぷら屋、うなりざき。の4店かなぁ~
みなさんも沖縄に行ったら是非。美味しいのあったら教えてね~!
沖縄ではなぜか80‘sばかり聴いてた。やっぱ良い声。
いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。