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ご挨拶|そして、お正月堪能図書3冊

あけましておめでとうございます。

note はじめました。

本日より、思いつきとか感想文とか、短い小説とかを投稿します。よろしくお願いいたします。

さっそくですが、ご挨拶がわりに、お正月気分を盛り上げる、もしくは、より実感する(大人になると、季節の移ろいや年中行事の新鮮味が薄れがちですので)三冊の本をご紹介させていただきます。

1.『新編 酒に呑まれた頭』吉田健一

いつでも、どれでも読みたいのが吉田健一ですから、『旅の時間』で国内外に遊び、『怪奇な話』で異世界彷徨、『私の古生物誌』ではネッシーやマンモスを追跡するなど止まりませんが、合間にこの本をねじ込みましょう。

「一夜漬けの新年」、「お芽出たい幻想」、「屠蘇が飲めるまで」、これら三篇のエッセイを読み、お正月らしい感じに浸りましょう。

2.『魔都』 久生十蘭

大晦日の夜九時、新聞記者の古市加十は、銀座裏のバーで怪人物に声をかけられ、日比谷公園の「唄う鶴の噴水」へ向かいます。そして巻き起こる安南国皇帝の失踪、愛妾の身投げ、ダイヤモンドの紛失。次々と新たな騒動が連鎖し、思惑の絡み合う三十時間。名探偵・真名古明捜査課長によって、事件は解決をみるや否や。

シャンパンや生牡蠣を振舞われるものの、都下を駆け回って、新春を祝うどころではありませんけれども。

3.『安閑園の食卓 私の台南物語』辛永清

台南市郊外にある「安閑園」。前庭は風光明媚な園林、裏庭には家畜の飼育場や野菜畑や果樹園が控える、南の楽園です。年賀のお客が百人以上も訪れ、しつらえられた卓子で飲んだり食べたり。

白髪葱を添えた唐墨、鮑のスープ、鱶鰭煮込み、鶏や子豚の丸焼き、熱々の餡かけ麺「什錦全家福大麺」、燕の巣、伊勢海老、鼈、大根餅、豆花、茘枝、マンゴー……

脳みその揚げ物は、豚ながら、その繊細さに、レクター博士も満足されるはず。

番外『腐爛の華 スヒーダムの聖女リドヴィナ』J.K.ユイスマンス 田辺貞之助訳

何故か、お正月に再読したくなります。

業病を身に受け、人類の罪を贖う姿を記した凄惨な聖女伝です。受難の始まりがスケートの場面のために、寒さや澄んだ空気から、新年を連想するのかも知れません。

でも長いし、今年は青空文庫で永井荷風の『一月一日』を堪能します。未読やし。

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