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20180617社説から見る現代日本

おはようございます。
本日のオススメは朝日の「高速炉開発 仏実証炉からの撤退を」です。

日本が大量に保有するプルトニウムの扱い含め、原子力政策・核燃料サイクル・技術力維持と日本の向き合い方を考えるきっかけとなればと思っての敢えてのオススメです。

以下、朝日社説からの引用です。

「日本が協力する高速炉「アストリッド」計画について、開発主体のフランスが規模を大幅に縮小する方針を明らかにした。海外の計画に頼って高速炉開発を続けようとするのは、やはり無理がある。巨額の投資に見合う成果が得られるか不透明になった以上、日本は計画から撤退するべきだ。

(中略)

日本は原発の使用済み燃料を再処理し、抽出したプルトニウムを高速炉などで燃やす核燃料サイクルをめざす。実証炉の前段の原型炉「もんじゅ」の廃炉を決めた際、アストリッドの共同開発を核燃料サイクル継続の柱にすえた。来年度まで年50億円ほどを負担し、それ以降どうするかは年内に判断する。

原型炉と実証炉は役割が違うため単純には比較できないが、もんじゅより小さくなるアストリッドで、十分な成果が得られるのか疑わしい。

(中略)

そもそも、もんじゅ廃炉を決めながら、問題を総括せずに従来の政策に固執し、「つなぎ」の高速炉としてアストリッドに飛びついた結果、今回の事態を招いた。高速炉開発を続けていくことの妥当性も、厳しく問い直さねばならない。

ウランを燃やす普通の原発より高速炉は発電コストが高い。米英独は早くに開発から撤退した。継続するフランスも「それほど緊急性はない」と、実用化は遠く80年ごろと見る。

日本が開発を続けようとしても、普通の原発の新規立地すらできない現状では、国内に実証炉を建設することは極めて難しい。実用化に現実味がないことは明らかなのに、漫然と巨費を注ぎ続けるのは無責任だ。

高速炉開発の旗を降ろせば、核燃料サイクル全体について再考せざるをえなくなる。原子力政策の抜本的な見直しは影響が大きいが、これ以上、議論を先送りしてはならない。」

<社説一覧>
日経:米中の貿易戦争で世界を危険にさらすな/信頼される再審制度のために
http://www.nikkei.com/news/editorial/

読売:成長戦略 実効性の高い施策に絞り込め/目黒女児虐待死 悲痛な心の叫びを忘れまい
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/

産経:福島第2廃炉へ 基本計画の達成が危うい/欧米の金融政策 リスク見極め平時対応を
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html

毎日:米国が対中制裁関税発動へ 貿易戦争に勝者はいない/安倍政権の「骨太の方針」 借金つけ回しを放置した
https://mainichi.jp/editorial/

朝日:米韓演習中止 信頼醸成を交渉の礎に/高速炉開発 仏実証炉からの撤退を
http://www.asahi.com/news/editorial.html

※『社説から見る現代日本』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m70d97edb0376

※『1日1分歴史小話』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m7db9a358d26a

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