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子どもの姿の捉え方

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子どもについてのあれこれ
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#保育園

褒めて育てる?叱って育てる?

褒めて育てる?叱って育てる?

「最近の親は怒れない」という言葉を耳にすることがあります。僕が子どもの頃から耳にしたことがあるので最近っていつまでだろうなんて思ってしまいますが、叱る子育てがいいのか褒める子育てがいいのかは、子育てをする上で悩むことの一つでしょう。

「叱ったほうがいいよ」と言われたら叱ったほうがいい気がしてきますし、「褒めたほうがいいよ」と言われたら褒めたほうがいい気もします。「メリハリが大事だよ」とか「バラン

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保護者批判をしないのは、正義感からではない。

保護者批判をしないのは、正義感からではない。

「あそこの親は問題があって」と平気で言葉にする保育士がいる。「親があれなら、子どもは救いようがないよ」そんな風に批判する教育者もいる。

それが称賛されることではないのはきっとみんなわかっている。それでも保育現場やSNSで見聞きすることが少なくない。

言わずもがな、保育者や教員が保護者を批判するのは絶対にすべきではない。「悪口をいっちゃダメだよ」というような優等生の発言みたいだけれど、そういう正

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美しいものを美しいと思える心を持っていないと保育士はできないのか。

美しいものを美しいと思える心を持っていないと保育士はできないのか。

オオイヌノフグリという花をご存知だろうか。
畦道などに生えている雑草なんだけど、淡い青色の小さな花を咲かせる。田舎で育ったぼくにはなじみ深く、小学校の登下校道でその花をよく見かけた。

あれは小学3年生の頃だったと思う。生活科か何かの授業で植物を観察しに小学校の周りを散策していた時のこと。

植物や花の名前を担任の先生が説明してくれていて、その内容はもう覚えていないんだけれど、ひとつだけ印象に残っ

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その部屋の隅にこっそりと花を飾ってみるのはどうだろうか。

その部屋の隅にこっそりと花を飾ってみるのはどうだろうか。

この春、また多くの保育士たちが辞めていくだろう。前向きに辞める人もいるだろうけれど、この業界に失望して辞めていく人たちも少なくないだろう。

僕の周りにも、この仕事を続けたいのに、続けられない、そんな人がいる。それを聞くたびに、何もできない自分の無力さを痛感する。

一年目の保育士さんと比べたら、僕を含めた先輩たちはそりゃあできることは多い。けれど、業界にとっては、ある程度できる僕たちなんかよりも

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同じ言葉を使っているのに伝わらないことについて

同じ言葉を使っているのに伝わらないことについて

言葉がひとり歩きしている。そんな風に感じることがある。

「自尊心」「自己肯定感」「主体性」この言葉たちは、ここ数年の保育教育の大きなテーマとなっており、心理学と関係ない業界でも世間一般で使われるようになってきた。その世間一般で使われている言葉が正確な意味で浸透しておらず言葉がひとり歩きしていることに危機感のようなものを感じることがある。

そんなことを思って、違った解釈で捉えている方に向けて簡単

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業界を変えるためにできることを真面目に考えた。

業界を変えるためにできることを真面目に考えた。

「保育業界を良くしたい」という言葉を発した時に、ある先生から「みんなそう思ってやってるよ」と言われたことがあります。「変えてやろう」とは思っていなくても「より良くしていきたい」そう思ってやっているはずだよ、と。

たしかに失礼なことを言ってしまった。「悪くしよう」とはみんな思っていないだろうし、より良いものにしたいというのもその通りだろう。では、なぜ良くなっていかないのか。なぜ、それぞれがそれぞれ

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子どもらを被害者に 加害者にもせずに

子どもらを被害者に 加害者にもせずに

ここ数日、連日のように教員いじめの事件が取りざたされ、非難するツイートや記事を多く目にしながらモヤモヤした気持ちをずっと抱えていました。わざわざ言葉にすると批判的な内容になるので記事にするか迷ったのですが、出来るだけ前向きに書いてみることにしました。

抱いているモヤモヤと向き合っていると、学生時代のある講義のことを思い出しました。

たしか、保護者支援かなにかの授業で「モンスターペアレント」につ

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保育に引き出しは必要か。

保育に引き出しは必要か。

「保育に引き出しは必要じゃない?」って聞かれて、自分には何もないなあって反省したんです。

相談してきてくれたその職員は今年度から6施設のリーダーを務めている。もう1人のリーダーと力を合わせ少しずつ自信をつけていき、悩みながらも日々奮闘して力をつけていた。

それを知っていたので「リーダーになるのまだ早かったんじゃないかなって思うんです」と落ち込む姿を見て、足りないことを指摘しても「よし頑張ろう!

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理屈で保育ができるでしょうか

理屈で保育ができるでしょうか

より良い保育を目指している中で「あなたは熱いからね」と言われたことがある。情熱があるからそこまでやれるんだ、と半分は敬意を示してくれたのだろうけれど、半分は「他の先生には暑苦しいんだよ」というニュアンスが含まれていたため「情熱で保育はしていません。仕事です」と答えた。何年かして同じ人に「指針とか理屈ばっかりじゃなくて、思いとかがあるやん。思いで保育しようよ」と言われた。「どないやねん」というツッコ

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保育士を「誰にでもできる仕事」にしていく。というのはどうだろう。

保育士を「誰にでもできる仕事」にしていく。というのはどうだろう。

「子どもと遊ぶのが仕事でしょ」って言われたときに、「そうですよ」って答えちゃえばいいと思うんだよね。

ある保育士さんから投げかけられた言葉だ。
物腰が柔らかくて腰が低く優しい、現代の保育現場ではともすれば“頼りない”と言われかねないような方なので(僕はそんなところが好きなんだけれど)皮肉などの他意はなく率直な思いなのだろう。「日ごろ[あそびは素晴らしい]って散々説いといて「遊ぶのが仕事でしょ」っ

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