実話フィギュアズ
「Hidden Figures」ってタイトル、まあそのまま使われることはないだろうなあ、とは思ってたし、そうである以上、かなりのダサい邦題を覚悟しておいて、どんなのが来てもしっかり受け身を取って起き上がって映画館へ行こうと覚悟してた。結局、「ドリーム 私たちのアポロ計画」が襲来、劇中でアフリカ系の女性数学者たちが取り組むのはマーキュリー計画なのにおかしいってことで騒動になり、急遽副題がとれて「ドリーム」に落ち着いたが、個人的には終始穏やかに受け止められたと思う。「マネー・ショート 華麗なる大逆転」よりマシ。
これを契機に、映画に興味のない人たちにアピールするのに今やタイトルってのがどの程度有効なメディアなのかっていうとこから洋画邦題問題を検討するのもいいかもしれないとも思うけど、とっくにしてんだよ、バ~カ、死ね、って話かもしれない。映画の宣伝ってのは大変なんだろう。こっちは「邦題クソだせえ!」とか言ってはしゃいでるだけで気楽なもんだ。
ところで、映画の宣伝と言えば、他に前々から気になってることがある。まあ、そんなに大した問題でもないんだけど、「ドリーム」もこれに該当する案件だし。ついこの間、映画館に行った時、上映前に山崎紘菜ちゃんの声を聞きながらすやすや仮眠を取った後に始まった予告編。「ハクソー・リッジ」だった。沖縄戦を描いたメル・ギブソンが監督の映画。かなり楽しみにしてるもんで軽く興奮してたら、予告の最後に画面にでかでかと、こう表示された。
6.24〈実話〉ロードショー
うん…。続いて、「パトリオット・デイ」。ボストンマラソンのテロの犯人を追う警察の話。いまんとこそんな興味ないからぼおっと見てたら、最後に画面にでかでかと、こう表示された。
6.9 実話
「実話」ってそんなか…!?
いや、別にいいんだけどさ。ここまで強調されると笑っちゃうよ。とにかく予告編のどこかに絶対見逃さないように「実話」って情報入れろって言われんのかなあ。これも洋画宣伝の大変さの表れか。ただ、「実話」って言葉は扱いが難しい。「ほんとだよ、だって『週刊実話』に書いてあったもん」って言われたら、「すまん、疑って悪かった」とは、あんまならない。上記の予告がそうなってるとは言わないが、気をつけたほうがいいとは思う。
「ドリーム」の日本版予告にはまだ出会ってないが、やはり最後に必殺の「実話」をかましてくる可能性は高い。別にそれでどうなるってこともないんだけどな。どのみち観に行くし。なんなら「ヒドゥン・実話・フィギュアズ」って邦題だったとしても観に行く。映画の宣伝手法がこれからどう変わろうが、なるべく「どのみち観に行く層」でありたいとは思うし。じゃあ、タイトルがいかにもアメリカって感じでキモいと思った「パトリオット・デイ」も観に行くかなあ。でも原題ままなんだよな、これ。
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