老眼に尻と生まれ年のワインを

まさかの武井咲復帰作となったハズキルーペの新作CM、今回は舞台が高級クラブになった。和服の武井咲ママ(出産したって意味じゃなくてクラブを仕切ってるって意味)がきらびやかに着飾ったおねえさんたちを率いての復帰第一声、「話題のハズキルーペを、お店で売ります」。全く意味がわからないが、それを聞いてなぜか色めきたつ店のおねえさんたち。

そこにやって来る若い客が小泉孝太郎ってのも含め、前回を遥かに超えるジジ臭さだが、そんなもんは当たり前だ。基本的にそっちの層にアピールしたいんだから。クラブが舞台になったことでハズキルーペを踏んづけるおねえさんの尻の数も増えたよ。3尻×2回で、のべ6尻。どうしてもこの方法で頑丈さアピールしてえのな。なんかこう、回春による購買欲促進みたいなこともあんのかな。

そんな尻も含め、要はハズキルーペのCMには高齢層の欲望が少なからず反映されてるってことで、まあ、尻が好きであろうことは知ってはいるけど、これからの、いや、とっくに突入してる高齢化社会、その欲望を把握しておくことは損ではないはずだ。学べるところは多い。

その点で、今回一番驚いたのは再登場した舘ひろしだ。ハズキルーペで盛り上がる小泉孝太郎の席の会話に、隣から渋い声で割って入る。

「大きく見えるねえ、ハズキルーペは」

すでにハズキルーペ装着済み。別にもう一回出てきた事自体は驚きゃしない。問題は手にしたワインを見ながら放つ、そこからの一言だ。

「これ、咲の生まれた年だね」

前回出演したバージョンで、舘ひろしは娘と夜景の見える高級レストランで食事をしながらハズキルーペでワインの年代を確認し、やはり「お前の生まれた年だよ」と言っていた。おじさん、そしておじいさん方の中で、これだけ「生まれ年のワイン」でかっこつけたい願望があるのか。知らなかった。どこから湧いて出た、その浪漫は。

結果的に、舘ひろしが毎回登場してはハズキルーペでワインのラベルを読んで、若い女の子に「生まれ年だ」と言うキャラのようになってきたのは歓迎したい。ぜひ毎回やってほしい。今回も武井咲には「あら、(ハズキルーペの)サングラス?」と、完全に話を逸らされていたが、めげないでほしい。本当は胸ときめかせているに違いないのだ。若い女の子は生まれ年のワインには抗えない。

普通なら、おねえさんたちも控室では「やべえ、今日も『生まれ年おじさん』来たわw」とか言うだろうけど、舘ひろしなら大丈夫。日本の高齢男性の生まれ年ワイン願望を満たすヒーローとして、応援している。ただ、尻に対する欲望はもう少し抑えてほしい。ちょっと引く。

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