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「安い賃金で長く働かせたい」ならお金に頼ってはダメな話

若者を「安い賃金で長く働かせたい」


若者おかれている社会的な状況を冷静に考えてみると、企業側はムチャなことを求めているなぁ思うのですが、肝心の経営者や人事にその自覚がないんですよね。


結局、経営者や人事が「ムチャを求めている自覚がないがゆえに、採用や人材定着の施策を間違えている」というのが今日のテーマです。




7割の企業がU29人材を採りたい!

株式会社学情が企業・団体の人事担当者を対象に行ったアンケート調査によると、


  • キャリア採用において、特に採用したい年齢層は「26~29歳」

  • 20代を対象にしたキャリア採用では、「業界・職種経験を問わない」企業が7割


しかし現状、現在生産労働人口が7368万人、その内20代が1273万人でたったの『17%』しかいません。


しかも、現在完全失業率が3%を割り、いわゆる「完全雇用」状態なので、採用は常に“既に企業に所属している人材を奪い合っている”状況。


採用における『若者の価値』は、年々上がっている“はず”なんです。



でも若者は安く採りたい!

前提として日本人の平均年収はここ20年変わってないませんが、一方で平均年収以下の人の割合は増えています。
(貧富の差が開いている)


ここで重要になるのは、そのシワ寄せがどの年代にいっているかという話。



シワ寄せで主に20代の給与が下がっているのです。


図のデータは少し古いのですが、2024年時点の平均年収は389万円ですので、少なくともH25年から横ばい。


まぁ企業としては働き盛りの40代前後の給与を下げる訳にはいかないので、20代の新卒や中途の給与を下げざるを得ない部分はありますが、


希少な人材を、より安く採りたいっていうのは、結構無理な時代に突入しているという自覚が必要だと思うのです。



お金での解決は現実的でない

他の記事でも紹介しましたが、ある程度リテラシーのある若者は、社会負担増による自身の将来が厳しくなることを自覚しています。


なので、給与額を少しでも高くしておくと、中小企業は応募されやすくなる可能性は高くなります。


ただ、結局大手企業との待遇格差は広がっていて、中小企業の提示できる年収は平均147万円低いですし、どの中小も人手不足なので「お金」で戦っては泥沼化は必須です。


しかも、給与アップによる離職率低下やモチベーションの向上効果は1年ほどしか継続しないことが分かっています。
(※年収800以上出せるなら別ですが… )


私がなぜ離職防止や採用に、管理職や上司の「マネジメント研修」を強く推すのかと言うと、


結局、採用にしても、離職防止にしても、資金の限りのある中小が現実的に「お金」でできる施策はほぼ無いからです。


なので、盲目的な採用活動を一度立ち止まり、ぜひ長期的な目線で現実的な施策に取り組んでみることをおススメします!


▶若者の「離職防止」「人材定着」に悩んだら◀

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