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弁当が気になる件

「お弁当がめっちゃ好きなんです。」

大学生になって、自炊をしたり、学食を食べたり、コンビニ飯を食べる中で恋しくなるのが母の味というか、中高毎日食べていたお弁当の味だった。

なぜか中学の時から弁当だった自分は、牛乳+弁当というどう考えても合わない組み合わせを3年、高校の時も3年間昼食に弁当を食べてきた。

母の料理は、手の込んだものはでないものの、短時間で美味いものが大量に出てくる男3人兄弟用に特化した料理のスタイルだった。

結果的に6年間食べ続けたお弁当は、色鮮やかで栄養バランスも完璧かと聞かれると、全くそうではないのだが、とにかく美味いものがつまった弁当だった。

ごはんには必ず「ゆかり」が振りかけられていて、野菜はキュウリの塩漬けにすりごまをかけたやつ。メインのおかずは様々で、牛肉とごぼうを甘辛いタレであえたやつとか、しょうが焼きとか、チンジャオロースもどきなどなど。母が弁当を作れないときは、父が牛丼をタッパーに作ってくれた。

共働きだった両親はかなり身体的にきつい時期もあっただろうに毎朝弁当を作ってくれた。どうしようもないときは机に1000円だけ置かれているときもあったが本当に稀だったし、必ず何か一言を添えてくれていた。

そんな過去のお弁当のことを思い出していた1月は、帰省や成人式などで飛行機に乗る機会が多かった。

ANAに乗るとき自分が必ず見るANAの機内誌、「翼の王国」の1つのコーナーで「おべんとうの時間」というコーナーがある。

弁当の全体図の写真と、その作り手、食べる人、仕事の様子や調理の様子が複数のページでちりばめられている。併せてインタビューが綴られており、毎回どんなお弁当と出会えるのかとわくわくしてしまうのだ。

お弁当の種類、形、色、食べ手がどういう職種で、どういうものが弁当箱に入っているか。いつ、だれと弁当を食べるのか。

人の弁当をのぞき見するのはなぜかたのしい。
そこにはその人の生活であったり、人柄だったり、何かしらが反映される。それを見つけながら読み進めるのがたぶん楽しいんだろうなと思う。

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大学生になって両親の凄さをただただ実感する機会が増えた。

毎朝早起きし弁当を作り、日中は仕事をし、帰ってきてから家事をこなし、夜遅くに寝る。想像しただけでも過酷で、よく子供に対してしんどいだの、辛いだの言わずにできたなぁと思う。

世の社会人の弁当の写真と小話を書いた本があればめっちゃほしい。

おわりっ

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