鎖~繋がれた絆~ chain2-3
「クソ!!信号捕まった!!」
「いけ!!赤でもゴーだろ!!いけ!!」
「警察沙汰なんてなったらもっとややこしくなるだろ」
「こんなスピード出してたらいつか捕まるのも時間の問題だぜ。」
追っていたタカちゃんの車が距離を離していき、遂に見当たらなくなってしまった
「くそっ!!」
俺はハンドルを拳で殴りつけた。
クラクションがプー!と鳴った。
「なに?プーってなに?」
後ろで寝ていた和泉が起き上がり寝ぼけている
「完全に見失ったぞ。どうする拓也。」
ヤザの言葉に俺はとりあえずタバコに火をつける。とりあえず車を走らせるしかない。
「ちょっと暗いで!お前ら!こうゆう時こそ諦めないのが俺らやん!元気だしてこうや!」
「和泉の言う通りだ。もう引き下がれねぇよ。拓也。」
「通信簿思い出してみん?各々の良い所!先生に書いて貰ったやろ?」
俺ら3人は記憶を辿った
中学校の時の通信簿
みんなで回して見た。あの通信簿を。
[矢澤くんはとにかく乱暴です。周りを見ましょう。]
[菊池くんは勝手すぎます。良くないです。]
[和泉くん。ダメです。]
思い出した矢澤はギャハハと笑っていた
和泉もそれにつられて笑っている。
俺も笑ってしまう。
俺らは馬鹿でどうしようもないけど、今まで何度も乗り越えてきた。
こいつらが居れば何とでもなる。そう思った。
「懐かしいなぁ〜あとさ!あいつの通信簿めっちゃおもろかったんだよな!”河井”!!なんだったっけ?」
矢澤は未だに笑いが止まらないまま会話を広げる
「あー河井ね!通信簿に”Mr.トラブルメーカー”って書いてあったんよ!!めちゃくちゃおもろいよな!!」
「あれは笑ったなあ!いっつもあいつトラブル持ち込んで来やがるんだよな!ははは!」
信号が青く光った
「懐かしいな…!」
ドン!!!!
「ん!!?なんだ!?」
チャリだ。自転車が俺らの車に後ろから凄い勢いで衝突した。そしてその自転車に乗っていた人物が車の窓をドンドンドン!と叩く。
俺は慌ててボタンを押して窓がウィーンと開いていく
「助けてくれ!!!!河井だ!!!借金取りに追われてんだ!!!!頼む!!!!」
河井芳憲(かわいよしのり)
Mr.トラブルメーカーこと。Mr.ギャンブラー。
昔からあらゆるトラブルを持ち込んでくる。
そしてギャンブルで募らせた借金をもとに借金取りに追いかけれていた
「なんでおまえは…
「いつもこうなんだよ…
『逃げろおおおおおおおおおおー!!!!!!!!!!!!!』
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