芸人人生 第二十一話 カゲガラス

「どーもー!カゲガラスです!お願いしゃーす!」

チビデブのガネが元気よく漫才を始めた

(漫才は元気にやるんだな)

さっきまでダラダラとした感じは、マイクの前に立った時にはもう無かった

「皆さんにまずは名前を覚えて貰いたいんでね、自己紹介します!」

キングがこれまた元気に言う

「フィリピン人のキングと!」

「日本人のガネで!
‘幼なじみ’でコンビやってまーす!」

(フィリピン人なんだ、そんで幼なじみか。)

俺はなぜかカゲガラスの漫才に聞き入っていた

「本名が本当にキングなんですよ!凄くないですか!」

「俺は!お笑い界でもキングになりますよ!」

「カッコいいね!僕はガネって言います!覚えてくださいね〜」

「ところで、デブさぁ」

「いや、ガネェ〜!!!」

『ギャハハハハ!!!!!!!!!』

凄くウケた。


そっからカゲガラスは

ボケて、ツッこんで

どんどん笑いを、とっていく。

テンポ

掛け合い

全てが上手い。

そして何より。


とても楽しそうに漫才をする。


全員が’カゲガラス’の虜になっていた


「もういいよ!どうもありゃあしたー!」


アシスタントの先輩もタイムを忘れるくらい


おもしろかった。


(こいつら。。。。


おもれぇ。)


何故か俺はワクワクした。

これが、

この長い

‘芸人人生’の


‘同期’で

同志’との

出会いだった。

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