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第三十二回文学フリマ東京の出展&感謝&売上のご報告


こんにちは。これです。コロナ禍が収まらない中ですが、いかがお過ごしでしょうか。ワクチン接種もままならず、まだまだ外出自粛の様相が続いていて、辛いですよね。私たちはあとどれだけ「あと少しの辛抱です」を聞かなければならないのでしょう。他の国ではワクチン接種が進んでいる国もあるというのに、嫌になっちゃいますよね。本当に、大変な世の中になってしまったものです。

ですが、私はそんな外出自粛や、県を跨いだ移動の制限なんて気にせずに、去る5月16日(日)に東京流通センター第一展示場にて、開催された第三十二回文学フリマに参加してきました。地方からの参加だったので、なかなか大っぴらに言い難かったのですが、参加してきたのですよ、実は。

今はこうして、健康で振り返りを書けていますけれど、もしコロナに罹っていたらどうなったことか。私が無事でいられるのも、関係者やスタッフの方の尽力や、参加者や来場者の方の協力があってのものです。まずはお礼を言わせてください。第三十二回文学フリマ東京に関わってくれた、全ての方々へ。本当にありがとうございました。

さて、この記事ではそんな第三十二回文学フリマ東京についての振り返りをつらつら書いていきたいと思います。拙いうえに、まとまってもいない文章ですが、お付き合いいただければ幸いです。




・当日まで


今回の文学フリマ東京は、GWを避けての5月16日の開催でした。結果的には、この日程が開催できた一番の要因になりましたね。確か5月13日までの緊急事態宣言が、延長されるという話が出たのが、GWも終わる頃。イベントも制限されていたので、ニュースを見た私はもはや完全に諦めていました。せっかく刷った新刊を、通販に回さないといけないの嫌だなーとか、そんなことを考えていました。

ですが、イベントは5000人か収容人数の50%未満での開催という方針が打ち出されたのが、おそらく5月7日あたり。あれ? これはもしかして、文フリ開催の目が出てきた? と感じました。そして、開催一週間ほど前に、開催決定の通知が届きます。思わずガッツポーズしてしまうほど、嬉しかったですね。たとえ、来場者が少なくなるとしても。

東京の感染者数が高止まりを続ける中で、家にある在庫を会場に送るなど、着々と準備を進めていた私。ですが、その前に解決しなければならない問題がありました。それは会社。私の勤める会社ではその頃、県外へ移動したら、3日~1週間ほどは念のため自宅待機するというルールがあったのです。

もちろん、私はそこまで仕事ができるわけではないので、業務が回らないのではないかという心配はなかったのですが、しかし内緒とはいえ、一週間も休むと心象はどうしても悪くなってしまいます。オンラインの相談でも、「今は行かない方がいい」と言われました。しかし、頭空っぽの私は「行けば何かが起こるかもしれない」と淡い期待を抱き、反対を押し切って東京に行くことに決めました。まあ、今回は特に何も起こらなかったんですけどね。

会社にも正直に話し、一週間の自宅待機と引き換えに、なんとか東京に行くことを分かってもらえた私(今は無事、職場に復帰できています)。感染リスクを抑えるため、二日前から滞在して、渋谷で好きなバンドのライブを見ようだとか、今書いているお話に生かすために下北沢に演劇を観に行こうだとか、いろいろ予定はあったのですが、全キャンセルして、直行直帰することに決めました。宿泊費など、出費が抑えられたのは良かったですが、これはやはり悔しかったですね。

その後は、文フリの公式アカウントが主催した、ツイッターのスペースで宣伝したり、ウェットティッシュなどの除菌グッズを取り揃えたりしながら、前日を迎えます。これは今回の反省点ですが、宣伝が不十分だったのが良くなかったかなと。地方に住んでいるのはバレバレなので、サークルのアカウントを作り、そこで宣伝したのですが、作りたてのアカウントに大した訴求効果もあるはずなく。物足りない結果となってしまいました。イベントに参加する上での永遠の課題ですね。




・開場まで


私は自分に自信がなく、特に早起きに自信がありません。休日は朝の10時くらいまで寝ていることもしょっちゅうです。なので、前日は一応アラームを5時にセットして眠りにつきました。そして、起きたのがアラームが鳴る5時前。このまま二度寝したら、間に合わなくなると直感した私は、このまま始発の新幹線に乗って、会場へ向かうことを決意しました。到着時間的に、事前準備からの参加です。感染のリスクがあるのに、自分でも愚かだなと感じます。

三度目のモノレールに乗って、最寄り駅の流通センター駅に到着したのが、8時を過ぎたころ。ダイヤが変わって朝の一本になった、空港快速トラップにも引っかかることなく辿り着くことができました。正面階段を上ると、そこにはスタッフを含め、20人ほどの人々が。2019年の11月に参加した時にはもう少し多かった印象があるんですけど、これもコロナの影響ですかね。

軍手と会場図を渡され、8時半ごろから作業開始。まず、スタッフの方が測ってくれた間隔に合わせて机を置き、その上に椅子を向かい合わせで二脚置いていきます。ちょうど真ん中にブース番号を示すシールを貼り、あとはゴミ箱を作ったり、お誕生日席の机に列番号を貼ったり。ヤマト運輸さんの搬入を手伝ったり。同じく参加者の皆さんと協力して進めました。

5月とはいえ、動いているうちに暑くなったので、途中でTシャツ一枚に着替えます。この日の私は目立つ服を考え、鮮やかな水色のTシャツを着てきたのですが、トイレの鏡で確認したら、学祭の大学生みたいなルックになっていました。

およそ二時間弱で会場の設営は終わり、ボランティアで参加した方から、出展者受付が始まります。接触者確認アプリ「COCOA」を見せて、おでこで体温を測って、入場証を出展者を示すシールと引き換え。そして、割り当てられたエー17のブースに向かいます。毎回心配になるのですが、今回も既刊新刊ともに、段ボールがちゃんと到着していて、ほっと一息。この時が、イベントで一番安心する瞬間かもしれません。

もう三度目なので、ブースの設営自体は少し慣れてきた部分もあります。机の上に敷き布を敷き、イーゼルスタンドに本を立て、机の端にはポスターを用意します(巻かれて届いたものだから、なかなか平行にならなくて、何度も直した)。除菌用のアルコール、ウエットティッシュ、溜めていた釣り銭。設営中にやって来た隣の出展者にも挨拶をし、最後に正面にブース番号を示す紙を貼りつけて、およそ30分。ブースの設営が完了しました。だんだんとコツを掴んできた気がします。

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こうして、ブース設営を早めに終えた私は、両隣の出展者さんと少し喋ったり、外に出てコンビニで早めのお昼ご飯を食べたりしながら過ごしました。Lチキのレッドと、おにぎりという毎回お馴染みの昼ご飯。いわばルーティンみたいなものです。

私の右隣のエー16には『文芸高等遊民』さん。なんと前回も隣だったので、2回連続での挨拶となりました。今回の文フリ東京に向けて、交流サイトを作るなど、精力的に活動されていました。私も参加させていただいたので、まずはそのお礼から。前日のスペースでも「多めに刷ってしまったから、新刊を出すためには一冊でも捌かないといけない」とおっしゃっていたので、少しでも多く売れるよう祈るばかりです。

私の左隣のエー18には『大瑠璃社』の銀神月美さん。二人での参加だったようですが、事情により一人しか来られなかったということでした。ブースには可愛らしい女の子が表紙の同人誌が数冊。何人かの作者が同じお題で書いた、アンソロジーを主に販売しているようです。こちらも捌かなければならないと、一冊を無料頒布されてらっしゃいました。私にはとてもできないことです。

昼食を食べ終え、暇になった私は、会場内をそぞろ歩きます。開場の12時も近づいてくると、既に多くのブースが設営を終えていて、バラエティ豊かな光景を楽しむことができます。開催中に席を外すと、今誰かが私のブースに来ていないだろうかと気を揉んでしまうので、ゆっくり歩けるこの時間は、興味がある本を見定める意味でも重要です。私は、Webカタログもあまり読まず、当日の雰囲気で買う本を決めることが多いので、なおさらです。

そうこうしているうちに、時計は12時を指し示します。文学フリマ事務局代表の望月さんが挨拶をして、いよいよ第三十二回文学フリマ東京が開場します!




・開催中のこと


とはいったものの、知名度ゼロの私のブースにそうそう人が来るわけもなく、最初の1冊が売れる12時45分ぐらいまで、通りすがる人に軽く会釈をして、アピールする時間が続きます。手持ち無沙汰な私の目に入ったのは、会場の一番角にあるナー35,36『エリーツ』さん。

ここではかの『NHKへようこそ』で知られる滝本竜彦さんが、その続刊である『続・NHKへようこそ』を販売していたのです。当然名の知れたビッグタイトルの続刊ですから、一直線に買いに来る人も多数。あっと言う間に行列ができていて、私は隣の銀神さんと「凄いですねー」なんて羨む時間を過ごしていました。たぶん200冊は売れていたと思います。

これは今回も何も起こらないな、と早くも悟り始めた12時45分ごろ。私のもとにもようやく初めてのお客さんが来てくれました。立ち読みをしてくれて、新刊の『これ短編集 ハイブリッド・フラワーズ』を購入してくれたその方は、誇張なく神様のように見えました。新刊が売れたときの喜びはひとしおです。おつりを渡す手も逸り、後にした時には、両隣に思わず笑顔を向けていましたね。どう思われたのかは分かりません。

それから閉場までの5時間。途中、休憩の20分ほどを除き、私は席に座り続けました。前回の反省を生かして、1時間ごとに宣伝の投稿をしたり、好きなサッカーチームが負けたことに落胆しながらも、なんとか最後の最後までやり通すことができました。それでは、ここでその5時間の間に印象的だった出来事を、箇条書きで書き出してみたいと思います。


・本を買わずに、名刺だけ貰っていった方がいた。あれは何だったのだろう?

・「noteに文学フリマの話を書いた人ですよね?」と言われて、短編集をお買い上げいただいた。こんな私でも読まれていることを知って、下手なことは書けないなと感じた。

・320ページほどある『これ作品集 午前四時三〇分のモノローグ』に、驚いていた方がいた。「初めての参加で加減が分からなかったんですよ」と笑って答えた。

・全く交流のなかったケー3,4『さんぶんこ』さんから、メンバーの一人である村崎リマさんが、名刺と一緒に私のブースを訪れてくれた。私もお礼に、アンソロジーを1冊買った。こういった交流こそイベントの醍醐味。

・ブースの前で迷っている方に「一番明るい話ですよ」と、『スポットライトが見えずとも~上総台高校アクターがいる!~』を勧めた。「勉強させていただきます」とお買い上げいただいて、身が引き締まった。

・他の出展者の方が、片付けを始める中、私は一縷の望みに懸けて、最後までブースを出し続けた。チャンスタイムだと思ったけど、特に何も起こらなかった。ブースを片付けるのが遅くなったけど、机や椅子を誰かが片付けてくれて感謝。


と、大きなトピックはこれくらいの、第三十二回文学フリマ東京でした。手ごたえもあり、開催を決断してくれた事務局や、感染症対策に注力した運営に尽力してくれたスタッフの方々に、改めてありがとうございますと述べたいです。文フリが終わった後のスペースを聞いて、色々苦労されたんだなと感じました。この場を借りて、今一度御礼を申し上げます。本当にありがとうございました!!

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・売上について


さて、隠してもしょうがないし、発表することで、今後文フリへの出展を考えている方の参考になるかもしれないので、今回はこちらのほうで売り上げを発表させていただきます!


『これ短編集 ハイブリッド・フラワーズ』(800円)……4冊

『これ作品集 午前四時三〇分のモノローグ』(1000円)……1冊

『アディクト・イン・ザ・ダーク』(800円)……1冊

『スポットライトが見えずとも~上総台高校アクター部がいる!~』(200円)……2冊


計8冊、5200円の売上を今回の文フリ東京では達成しました! お買い上げいただいた皆さんありがとうございます!


……どうですか。思ったより少なくて引きましたよね。個人的には凄く不満というわけではなく、前回が計9冊、5800円だったので、これくらいかなと思っているのですが。それでも、出展者全体から見れば、絶対に下から数えた方が早い売上です。正直なところ、もっと売れたいなと思います。

だって、赤字か黒字かで言えば、当然赤字ですから。5200円というのは出展料をペイできるかなくらいの金額で、印刷代や交通費、その他諸々は一個もカバーできていませんからね。まあ、そもそも完売したとしても、赤字になる計画を組んでいた私も悪いんですけどね。もし、これがビジネスだとしたら、完全に破綻してますから。ビジネスじゃないからいいものの(本当は良くないけれど)、いつか黒字化する日が来てほしいです。それが今の目標です。




・戦利品について


今回の第三十二回文学フリマ東京でも、席を外してそぞろ歩いた結果、いくつかの戦利品を獲得することができました。ここでは、それを紹介したいと思います。

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・エー16『大瑠璃社』さん『銀瑠璃 第三号』『銀瑠璃 第4号』

・ケー3,4『さんぶんこ』さん『ひふみ文庫』


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・チー35『ヤガンEX』さん『邦画の値打ち2019』

・テー1,2『もぐら会』さん『インターネットの外側で拾いあつめた言葉たち 二〇〇〇ー二〇二〇』


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・コ―20『カストリ屋』さん『カストリ』

・サー16『揺蕩う鮫』さん『サメ小説短編集』


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・エー18『文芸高等遊民』さん『餓鬼』


以上8冊をご購入させていただきました。ありがとうございます。もう読んでいる本もありますが、これからじっくり時間をかけて読ませていただきたいと思います。




・反省とこれからについて


今回の文フリ東京の反省点は、挙げればきりがないのですが、もうこの時点で5800字ほど書いているので、一つだけにしておきます。

それは「キャッチフレーズのなさ」です。

イベントでどれだけの売上を上げるかにおいては、実は当日できることというのは意外と少なくて。事前の準備がモノを言います。今回はとにかく宣伝不足を痛感したのですが、その中でも「一言で言ったらこれ!」というものがなかったことが痛かったなと思いました。

前述したように、ツイッターのスペースで前日くらいに告知をする機会があったのですが、そこで分かりやすいコンセプトを掲げている方が多かったんですよね。BL、百合、サメ小説、アイマスで漢詩、女がオンナを殺そうとする話etc……。そう言ったアピールポイントが、私には不足していると思い知らされました。ただ、テーマなんてなく、書いたものを出しているだけですからね。そりゃ弱いですよ。この点は、次回もし出展することがあれば、反省点として生かしたいですね。

そして、これからの活動ですが、まず11月23日(祝)に開催される第三十三回文学フリマ東京への参加は、今のところは未定です。というかまだ出展者募集もされていませんしね。とりあえず、今は『アクター部』のシーズン2を書いているところなので、その進捗次第かなと思います。できれば、シーズン1を本にして売りたい。

そして、その『アクター部』シーズン2ですが、こちらのnoteで6月18日から、連載を再開させていただきます。シーズン2は二年生たちがメインになる予定、というかなります。今のところ初稿で15万字くらいは書き上がっています。まだ、キリの良いところまでは辿り着いていませんが、何とかがんばる所存です。また、投稿する際にはよろしくお願いします。

最後に。今回、第三十二回文学フリマ東京で頒布した冊子は、通販も行っています。会場に来たけれど、買いそびれた。もしくは、コロナが心配で会場に行けなかったという方は、ぜひご覧ください。送料はかかりますが、会場でのお値段据え置きで販売しています。こちらの方も、併せてよろしくお願いします。

焙煎胡麻ドレッシングは裏切らない-STORES.jp

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お読みいただきありがとうございました! また6月18日にお会いしましょう!


おしまい

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