【小説】アディクト・イン・ザ・ダーク(12)
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その日は朝から雨が降っていた。道路の脇に小さな川ができるほどの激しい降り方だった。気温も急激に下がって、羽織るものが必須となっていた。俺は、バスで会場に向かった。バスから降りると、傘からはみ出たワイシャツの袖がすぐに濡れた。階段を上がる。部屋に入ると四人全員が一人も欠けることなく待っていた。六角の服は雨に濡れ、熊谷の腕には龍が汗を垂らすように、水滴が落ちている。深津はあまり濡れていない。高咲さんはまた菓子を食べていた。