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殴られて。殴られて。

中学3年生の話。
近くの高校の体育祭に行くため、友人と本屋で待ち合わせをしていた。

すると、ガタイの良い数人のヤンキーに刃物を突きつけられ、「外に出ろ。声を出すな。不安そうな顔するな。店員を見るな。」と脅された。

その後、雑木林に連れて行かれ、お金を取られて、1時間ほど、僕は殴られた。

僕は幸いにも鼻が弱いので、殴られたら直ぐに血だらけ状態。僕への暴力は比較的少なくなったが、他の友人は頭をリフティングされているような世の末の光景。

「このまま、殺されるのかな…」

そう想いながら、暴力が終わり、近くの母校へ逃げ込む。そして病院での診察と診断書作成・警察署での事情聴取があり、その日は夜中までかかった。

これまた幸いで、翌日、犯人等が見つかり捕まったと連絡。
犯人は、少年院レベルの犯罪少年らが入る施設(学校)から脱走して来た人達だという。

この事件での心の変化として
①セキュリティー万全な全寮制の学校(高専)に入る
 当時、高専は頭がいい!的な事が騒がれ、憧れがあったが諦めていた。しかし、寮はオートロック&警備員在中という事から"ここに入学すれば、仕返しされる事無い!"と思い、命を守るために高専を選ぼうと思った。

②母との確執の浮き彫り
 母親には終始、懸念しか抱かなかった。病院に来て開口一番「あっ、保険証忘れちゃった…」「夕ご飯、作る暇あるかな。お父さんの分だけでも作らないと」と体調よりお金や大黒柱を心配する姿。何故か、僕が気を使い「時間かかるから、保険証取りに行けば?」と声掛けする事態。特に、友人の母親が友人に向かって「もし犯人が来ても、私はあなたを守る」とはっきりと宣言したのを聞いたとき、「同じ被害者なのに、こんな差があるなんて。不平等」心の中で呟いた。

③何故か、プラス思考
 被害直後でも、犯人の顔あまり覚えていない実感、警察署で刑事による事情聴取、マジックミラーで犯人の顔確認、覆面パトカー乗車、現地での現場検証、指紋採取(僕、沖縄県で犯罪すると、すぐ捕まります!)、家庭裁判所への意見陳述書の提出。普通の暮らしで得られない経験した事は「良い経験だった」と当時も今も思っている。

④犯罪被害者の心を癒やすのが足りない。
 直ぐに捕まったからか、僕への心理的サポートは一切されなかった。捕まった犯人の親から取られた金額と診察代ぐらいの返却のみ。警察、学校からも「大丈夫?」と言われたのは最初の数分のみ。支援体制がとてもお粗末だと思った。

最後に、殴られた翌日、犯人が捕まるのを知る前に書いた僕の詩(ポエム)を書いて終わる。ここで解説すると、「月火水木金土日と曜日のフレーズを使う=毎日、思い続ける事を意味する。」当時15歳の少年の心の叫び。犯罪被害者の心を守る社会を祈りつつ、初めて、公にする。

【僕は忘れない】

僕は忘れない
月が残酷なまで綺麗な夜の日でも
僕は忘れない
火の中ようにアスファルトが熱くなる日でも
僕は忘れない
水が滴る雨の日でも
僕は忘れない
木や草花の雑草のあの臭い
僕は忘れない
金属の刃の冷たさと口に広がる血の匂い
僕は忘れない
土の香りと手に握った砂の感触を
僕は忘れない
日ざしの下で、起きた出来事を

僕は忘れない。
365日、忘れることは無いだろう。
忘れたいけど、忘れない。

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