或る薬剤師の文転院進①学部〜就職(20210526)

自分のメモ代わりですので、誰得な内容です。

私は、とある関東の私大出身の薬剤師免許保有者です。

元々は「薬って何で"効く"んだろう?面白そう!」というのが薬学部選択のモチベーションになりました。
小学生高学年くらい?...なんだか早いですね。
父母は文学部出身で、妹も文学部に進学。周りに医療系どころか理系すらいない環境でした。

その後、海堂尊『チームバチスタの栄光』が流行。
高校2年生の頃、でしょうか?
本当に薬学部を目指すか悩んでいたのですが、医療従事者が政策提言のようなことを小説を介して行い、それによって社会が動く様に、何というか感銘を受け、薬学部かつ薬剤師免許も取れる薬剤科に進み、一応臨床の世界についても知れる環境に身を置こうと考えました。
薬剤師として臨床で働こうとは思っていませんでした。
というか、そもそもそんなに将来像をしっかりイメージ出来ていませんでした。
コーコーセーですもん、このくらいから「薬剤師になりたい!」と考える人もいるようですが、凄いですよね...

進学してすぐに「薬が効く仕組み」なるものに関心を失います。
まず、有機化学をまるで面白いと思えず、気持ちが冷める(今読めば面白いと思いますよ!)。
そして、医薬品は元々経験的に使われていた(使ってみたらなんか効果が出た!)ため、昔からある薬の多くの作用機序はよく分からん、ということ。
また、人間の体内は複雑系なので、最近のデザインされた薬も結局のところよく分からん、ということになるのですよね。
「何だそりゃ、科学なの?それ?」と思って急速に冷めていき、サークルに入り浸る日々に突入。
あの時、真面目にやっていれば...と思いますが、気持ちの冷え込みは抑えられなかったでしょうね。

作用機序が判明していなくても、要因と結果から統計学の手法で、その関係を解析することが出来るということを後に知り(衛生化学だったかな?)、だんだんとこちらの興味も取り戻します。

しかし、その結果、私の関心が向かっていったのは、医療を提供する体制の整備、と言いますか、国民の生活を保障する仕組み、すなわち社会保障制度でした。
これを整備するのは政治であり、国民の代表である政治家に技術を提供する役人(いわゆる公務員)という人たちがいることを知ります。
そしてそういう仕事(明日の日本をつくるとかなんとか)に興味を持ち、目指すようになります。

これまであまり真剣に勉強してこなかったので、人生で一番勉強したと思います。
結果、2016年の6年次には合格出来ず、卒後の2017年で最終合格を果たしました。
・2016年 国総(化生薬)一次不合格
・2016年 国総(教養)一次合格・二次不合格
・2017年 国総(化生薬)最終合格

とはいえ、卒後のおっさんを採るより若い人を採るよね、というのが一点。
また、実績の少ない大学卒ということは採用される可能性も少ないということを直視しなかったというのが一点。
そして何より国家公務員として働くということにメンバーシップ感覚な憧れが原動力というのは良くないですよねというのが一点。
面接で「こういうことが出来るのではないか」という政策提案擬きのようなことをしてしまったので(真剣に就職したいと思っていたがゆえなんですけどね)、面接官は不快だっただろうというのが一点。
これらを総合して、採用される筈もなく官庁訪問は爆死。
・第一クール1日目 経産省 即落ち
・第一クール2日目 内閣府 夕方落ち
・第一クール3日目 厚労省 第二クールに進む
・第二クール1日目 農水省 夕方落ち
・第二クール3日目 厚労省 帰宅後に連絡なし

なぜ、厚労省を後回しにしたかというと、説明会に複数回出たところ、雰囲気に好感を持てなかったため、ここで前向きな働き方は出来ないのではないか...などと思ったためです。
そして、当時は説明会に参加するうちに経産省のファンになっていたというのもあります。本当に笑ってしまうくらい即落とされましたけどね。

かなり落ち込みましたが、働かなければなりません。
もう憧れとかはやめて、とりあえず現場から始めてみよう...そう思って保険薬局チェーンに最初の就職をしたのでした。

(続く)

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