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部下の強みを探そうとするのはやめよう/マネアカ④

強みを伸ばすことが大事。そのためにはまずはメンバー(部下)の強みをしっかり把握しなくちゃいけません。ですが、強みを把握するためにお宝探しのようになっていませんでしょうか?

皆さん、こんにちは。マネジメントアカデミー。略してマネアカです。本記事ではマネジメントにおける大事なポイントをワンフレーズでお伝えし、「それってただの正論でしょ?」という疑問に答えていきたいと思います。
(目的の詳細はこちらをご覧ください)

※これを読んで意見が同じだった方は「そうだわ、俺も同じことやっているわ」と言語化していただき、異なった方は「なるほど、そんな意見もあるんだね」と思って、引出しを広げることに繋げていただけると嬉しいと思います。

今回のお題は・・・
「部下の強みを探そうとするのはやめよう」という話です。
えー、強みを伸ばすことが大事じゃないの!?どういうことか、いってみましょう!

強みはそこにあるもの

強みを探そうとするのはやめようと言ってるのは、強みを見つけることが不要だということが言いたいわけではありません。当然ながら大切です。お伝えしたいのは強みを探すという、どこかに埋まっていると思われるお宝さがしをやめようということです。どういうことか説明していきたいと思います。

「私には強みがありません」

そんなことをメンバーに言われたことはありませんか?

僕はこれまで70名近いメンバーをマネジメントしてきて、直接の部下ではなく、面談・1on1をしてきたメンバーを数えれば100名を超えます。ですが、少なくとも、その100人の中には強みがない。という人なんて存在しませんでした。強みがない人なんかいないのです。

では、なぜ強みがないと思ってしまうのか。
お宝探しをしてはいけないというのはなぜか。

僕の考えをお伝えできればと思います。

強みは自己内比較

強みとはそもそも何でしょうか? コトバンクの日本国語大辞典によると、「①つよい様子。つよい気味。また、その度合。② 頼りになる点。そのものを強くさせている要素。利点。」ということが書かれています。つまり、自分の頼りになる点、自分を強くさせてくれる要素なわけです。

ですが、よくある強みがないと言う人の捉え方は「人より優れている点」と考えられがちです。他者と比較する必要はなく、大辞典にのっているように自己内比較で良いのです。

これを見失い、他者と比べて「自分なんて・・・」と思ってしまうと、強みのない人間だと自分を下げてしまいます。僕の大好きなイチローさんと比較すると、ほぼ全ての人は強みなんて、なくなってしまうのではないでしょうか。

では強み探しではないとすると、何なのか。上司が見つけるべきことは、強みではなく、そのメンバーの特徴です。

強みの生かし方を考える

メンバーの行動や発言、立ち振る舞いを見て、行動が早いなー。よく考えているなー。繊細だなー。大胆だなー。そんな特徴をたくさん見つけることがファーストステップです。

メンバー本人からすると、人に誇れるような良い特徴なんてないんです。そんな声も聞こえてきそうですが、人に誇れなくても良いのです。本人の中で誇れるものを見つけましょう。

それでも、本人が誇れそうなものがないのであれば、意味づけをしてあげることが大事です。つまり、強みの創作です。そもそも、性格とは強みと弱みが表裏一体なものです。「強みがない」と感じるのは「強みに感じられない」ということだと思います。であれば、そのメンバーの特徴がどのように強みになるのか、伝えてあげることが上司の役目です。

例えば、以下のような感じです。

消極的であること → 冷静であること
繊細であること → 感受性が豊かであること
気が利かない → おおらかであること
頑固であること → 強い意志があること
飽きっぽいこと → 好奇心が旺盛であること
のんびりであること → 思考体力があること
考えが浅いこと → 即断即決
常識外れ → オリジナリティがある
自己中心 → 自分の意見をもてる
優柔不断 → 思慮深いこと
内気で人見知り → 相手を慮れる

それって正論でしょ!?

いやいや、強みは弱みの裏返しのようなことを言うけど、そんな簡単に捉え直すなんて無理じゃない?
そんな「そうは言っても」という声が聞こえてきそうです。

僕もそう思います。そんな簡単に「なるほど!これまで弱みだと思っていた自分の特徴は強みなんだ」と思えるようであれば、はじめから「強みがない」という捉え方にはなっていないと思います。

納得ができない最大の理由は、これが強みである「エビデンス」がないこと。だと思います。過去の行動の中で強みと認知できる事実がないからです。

先ほど、強みの創作という表現をしました。これは、何らかの仕事の成果がでたとき、完遂できたときに、メンバーの特徴・発揮行動と紐づけてあげることで、強みとして認識させることです。

例えば、「Aプロジェクトどうにか乗り切ったね。おつかれさま。最後のアウトプットはすごくよかったね」と差し障りのないような言い方で褒めるのではなく、「Aプロジェクトどうにか乗り切れたね。最大の山場は先方との意見の食い違いが起きた時だったけど、○○さんが丁寧に先方とすりあわせてくれたから、うまくいったのだと思うよ。○○さんの繊細さが相手の気持ちを理解、共感を引き出せて、良かったのだと思う。あれがなかったらうまくいってないよ」

そんな風に具体的にメンバーの特徴の何が良かったのか。を添えて、褒めることで強みに着目した捉え方になるようなコミュニケーションをとることが上司には求められると思います。

ぜひ試してみてください。

終わりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回の記事でお伝えしたかったのは、「強みとは作るもの」ということです。メンバーの特徴を理解し、その特徴がどのように強みとして発揮しうるかを考え、それが発揮された際に具体的に褒めることが重要。
そんなお話でした。

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