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夢を叶える、部屋の選びかた

夢を叶えるためには、まず引っ越しから始めなければいけない。

それがぼくの持論だ。


今現在、ぼくは33歳だが、ひとり暮らしをはじめたのは5年ほど前からだ。

東京の狛江市に大学進学と共に暮らし始めて、はじめての一人暮らしも慣れ親しんだ狛江市ではじめた。


選んだ部屋は家賃¥3,4000の1K。

これがなかな良い部屋で、バストイレ別、室内洗濯機置き場に2口コンロも置けた。

六畳の和室に一畳分の押し入れ、さらに一畳分の床の間があり、1Kと言いつつもかなり広々とした部屋だった。


デメリットは駅からの距離。

徒歩15分以上はかかる場所にあった。


スペックは良かったものの、なぜそんな場所に部屋を借りたかと言うと、やはり家賃を抑えたかったからだ。


当時、バンド活動を続けながら、週5、1日8時間働いていたぼくは不自由なフリーターだった。

それでも幸せだと思っていたけれど、ひとつバンドが区切りを迎え、なんだか宙ぶらりんになってしまった。


その時、ぼくがハマっていたのが「ブログ」だった。

自主レーベルからCDをリリースしていたバンドの宣伝のために、ブログやウェブサイト、SNSに取り組んだのがきっかけだ。


今でこそ珍しくもなくなってきたけれど、当時ブログで稼げることやそれを生業としている人たちがいることを知った時は衝撃だった。

「どうせやりたいこともないし、今楽しいと思えることをやってみよう」


素直にそう思った。

どうせフリーターだったので失うものも(本当に)なかった。


で、そこから今に至り、結果的にはブログでメシが食べれるようになったわけだが、それもこれも家賃¥34,000のあの部屋のおかげだと思っている。


なんといってもブログは元手がかからない。

音楽のようにリハーサルやらレコーディングやらライブやらで常にキャッシュフローが危険…なんてこともないわけだ。


だから生活費をギリギリに抑えて、その分アルバイトを減らす、という戦略に出た。

具体的に目指したのは支出10万円以内だ。


これが先の家賃¥34,000のアパートに住むことで可能になる。

・家賃¥34,000

・光熱費¥15,000

・食費¥30,000

・雑費¥20000

合計¥99,000

…という具合。


こうなると、アルバイトは週5、1日8時間も必要なくなる。

それまでお世話になっていたバイト先を辞めて、新たにアパートから自転車で10分ほどの場所で働きだした。


まずは週5、1日4時間で。

これでもだいたい月で¥75,000ぐらいの収入にはなる。

そして当時、ブログ収入は月間¥28,000ほどだったので、合わせてギリギリ生きていけるという収入。


7:00~11:00までアルバイトをして、午後からブログ執筆という日々がスタートした。


2週間ほど過ぎた頃だろうか。

夕暮れ時、近くの公園を散歩した。

その時ふいにやってきたのだ。


ブワッ!と幸福感が。


…なぜだったんだろう?

たぶん、軽くバイトして、一生懸命ブロガーして、という日々は信じられないくらい「煩い」がなかったからだったと思う。

前のバイト先ではフルタイムで勤務していたので、やはり人間関係において色々あったし、キャリアが長くなれば必要もないのに責任感が出てきてしまうものだ。


ブログで稼ぐなんて大変なことだけど、それ以上にバンドで稼ぐ方が大変だったから、既に黒字に転じているブログは楽しくて仕方なかった。

それに1人暮らしだから家族に気を使う必要もない。


職場やバンド、家族とか全ての「コミュニティ」から一気に解き放たれた解放感。

圧倒的な自由。

あの時感じた幸福感はたぶん、そのようなことだったのではないかと思う。


しばらく半径4kmぐらいの範囲の中を毎日シンプルに暮らした。

しょぼい、とてもしょぼい日々だったけど、その中で刻んだ一歩一歩は全て自分の意志で選んだ道だ。


あの上司も、あの先輩も関係ない。

全て自分で選んだ道。


どんなに小さい世界でもそれはとても心地よいものだった。

孤独といえば孤独なんだけど、ぼくは間違いなく幸福を感じていた。


けっきょくアパートが取り壊しになるまでの3年間、そこでずっと暮らした。

少しづつブログ収入が上がって、そのたびにバイトを減らして…。

その過程もRPGのようで楽しかったし、結局1年ほどでバイトは全て辞めることができた。


この経験から、

「夢を叶えるためには家賃を抑えよう」

というのはぼくの中で絶対普遍の法則になった。


いや、でもマジ大切なんです。

家賃を抑えれば、きっとあなたもたくさんの「煩い」を捨てられる。

その分、夢のための努力に集中できるはず。


ひとりで過ごすこと、貧乏すること、それは一般的には嫌悪される。

けれど、実際に選んでそんな日々を過ごすと、意外や意外、これがなんとも幸せなんだって伝えたい。


ちなみにそのアパートがあったのは狛江市の東野川というエリア。

狛江の北の端っこで、世田谷区と調布市に隣接している。


これがまた最高の土地で、銭湯がすぐ近くにあり、近所には野川という桜並木がキレイな散歩コースがある。

世田谷の綺麗な公園「ふれあい広場」はピクニックに最高だし、調布方面の仙川には温泉もあり、つつじヶ丘、柴崎と足を延ばすと美味しい飲食店もたくさん。


晴れた日はよく自転車で深大寺までいった。(深大寺にも温泉が!)

緑が多くて静かで落ち着いた土地柄だった。


来年には15年住んだ狛江を出ていくことになった。

東野川のアパートで過ごした日々以上に、最高の暮らしにしたいと思う。

「サポートよりSNSでの拡散がうれしいです!」という人が多いですが、ぼくは普通にサポートうれしい派です。