偏見私情満載名盤紹介第4回「マミヨ/届きますように」

今日のレビューも前回に続いて、古事記project副代表にしてシンガーソングライターのマミヨさんのアルバムを取り扱います。
今回は1stアルバム「届きますように」通称白盤。

2005、6年頃に発表された1stアルバムで黒盤こと「ケ・セラ・セlalala」とはまた違ったテイストを楽しむことができます。
次作よりもどこか爽やかさが強めな印象。
今回は前回よりもう少しコンパクトに解説したい…。
え?「お前に語彙力ないのをコンパクトって言葉でごまかすな」だって?


はい、(全曲レビュー)よーいスタート。(棒読み)

・全曲レビューのコーナー

1.夢の続き
美しい三線とピアノを中心に進行していく民謡チック(?)なバラード。
もう既にこの時点で聞き手は心を奪われるはず。
三線を奏でるのはマミヨさん御本人とのこと。途中から挟まれるシンセサイザーもいい感じに空気感を表現してますね。
歌詞はかつて去ってしまった愛しい人と再び出会う夢を見て、その悲しみを抱きつつも夢の続きを求めてしまう、というもの…
三線のせいか、沖縄の海岸とか白い板壁の家の光景が思い浮かびます。
三線とピアノとちょっとのシンセというシンプルな構成で音数も少なめなのにこんなにもいい曲なのはドツボなメロディとマミヨさんの綺麗な歌声の賜物なんだろうなと思う次第。

2.おやすみ
個人的には本作最大の神曲。
70年代ロックを彷彿とさせる(デジャブな表現)はオルガンの音色から始まって淡々と進行していく楽曲。
で、特筆すべきはその優しく、温かい歌詞なのです。


「震えているの?誰が君をこんなにも傷つけたの?」
「もっとそばにおいで……」

あっ…(悶絶)

↑初見時の筆者の表情

「もしも激しい雨が降ったら ここで雨宿りさせてあげるわ」
「私の中でお眠りなさい 何も知らないふりしてあげるわ」
(中略)
「君は可愛い子猫のように…」

↑筆者の(ry

あああああああああ…ああああああああああ…

素晴らしすぎかよ……
ドツボ…こういうフレーズには弱い…

シャア「そうか…!しかしこの暖か(ry)

ネタ濫用な茶番はさておき、精神的にしんどい時にこの曲を聴くと凄く慰められますね、はい。
筆者もこれを書く2ヶ月程前に物凄くしんどくてしんどくてしょうがない時があったんですがこの曲で泣きました、ほんとだよ。
あと、オルガンにはレトロな映画のような空気感もあって好きですね。

3.君の傘
スローな前二曲とは打って変わってマリンバと軽快なパーカッションが印象的なポップナンバー。
個人的にこのマリンバの音は大好き。アコーディオンの活躍も相まって全体的にカントリーの匂いもする。
ウェストコーストでもイーストコーストでもない、独特な雰囲気。
いや、そもそもここ日本だからウェストもイーストもないんだけど。
歌詞はマミヨさんお得意の「雨でも明るく行こう」系なテーマ。
マリンバとパーカッションを雨が地面に落ちる音と形容できなくもない気がする。
なお、雨雨と言いつつも筆者は晴れた日を想像してしまうという…。
どんな天気でも笑顔でいたいですね。

↑悪天候の日の笑顔

4.心の花束
1曲目「夢の続き」と同様に三線とピアノがメインとなるバラード曲。
こちらは加えて和太鼓も前面に出てくる訳ですが、そのシンプルかつ力強いプレイが楽曲の世界観をより一層強くしています。
どこか野外の草原のお祭りで夕陽や海をバックに歌ってそうなイメージ。
歌詞も「心の花束」が遠いどこかの誰かに届きますように…という素朴だけど壮大なテーマとなっている。
風に乗り、海を渡り…この声がいつか届きますように…
アルバムのタイトルにもなってるだけあってとても印象的。
ところでジャケットでマミヨさんが持ってる赤い花束って何て花なんでしょうね?

5.花・咲かせてあげましょ
マミヨさんお得意のジャジーなシャッフルナンバー。ハードボイルドな探偵が場末のバーで一杯やってる雰囲気だけど歌詞の内容はそれとは裏腹にオーガニックで清廉で華やかな感じ。
「着飾ったドレスを足もとに脱ぎ捨て」ってフレーズが舞う花びらとかかってていいねと思うのは筆者だけでしょうか?

6.リリー
アルバム中で最もほんわかとしたポップな楽曲。
「リリー」とはどうやらお猫様の名前で百合の花ではないらしい。()
途中で聞こえる猫の鳴き声の主がリリーちゃん…らしい。
ちゃんとブックレットのクレジットにも名前が載ってますよ。
シンセトロンボーンの音がいい感じの脱力感を醸し出す。
マミヨさんの吹く「メロディオン・ベルリラ」なる楽器もどこか牧歌的。
何となく動物達を率いてパレードでも始めそうな感じ。
あと縁側で寝っ転がってぬこと向かい合ってそう。
twitterでもぬこは正義と決まっている。(偏見)

ちょっとピリピリしていても…

こんな笑顔になれる、そんな楽曲です。

7.理由
シングル曲。帯にもそう書いてある。
「本当は私寂しがりやだから…」
「きっと誰かに認めてほしいから…」
そんな共感を覚えるフレーズから始まって淡々と進行し、徐々にバンドサウンドが加わって盛り上がっていく構成。
キーボードがちょいちょい良いアクセントを作ってくれる。

何と言うか歌詞が、ですね…自分の中に巣食っているけど必死に蓋をしている何かモヤモヤしてる部分(語彙喪失)をそっと包んで、肯定して、ゆっくり解放しつつもポジティブに歩く事を促してくれる、そんな感じがします。
「果てしなく 果てしなく」…サビで繰り返し強調されるシンプルなフレーズだけどそこがまた力強い。

8.一番星
アルバムのラストを飾るピアノバラード。
楽器はピアノだけ、シンプルにシンプルを極めた構成だけど、その分ピアノのメロディーの一つ一つが心に響く。

歌詞は既に遠くへ去ってしまい、「一番星」になってしまった人を歌ったもの。「一番輝く星はあなたでしょうか?」という部分がいい…。
人間ってのは昔から自分が心から想っているけど持っていない何かを銀河の星に重ね合わせるのが常だけど…。
…正直、超尊いとは思ってるのに筆者の語彙力はもう既に限界なのでこの素晴らしさをどう表現すればいいのか…
銀英伝のラインハルト風に言うなら「星はいい…」

総評
黒盤と並んで素晴らしき名盤!
黒盤が甘さ控えめの大人っぽいビターで都会的なアルバムならばこの白盤は甘さ多めだけどクリーミーでどこかホッとするような、それでいてフローラルな香りとオーガニックで有機的(ブレンパワード並感)な空気が漂うアルバムだと思います。
本当はもっと語りたいけれど筆者のポンコツ脳味噌と情報処理能力じゃこれが限界なのです…。

自分自身が照れ屋ってのもあるんだけど…。
よくないな…こういうの(文章にリミッターかかってる)は…

もっと詩情豊かな言葉で語れないのも全て、乾巧って奴の仕業なんだ…。

まあでも言えることはこの白盤を聴くと、すんごく心が豊かになれる、ということです。
それこそ、このたっくんみたいに優しくなれます。

乾巧「夢っていや…俺もようやく夢が見つかった」


乾巧「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、みんなが…幸せになりますように…」

…って具合に…

今回はここまで。また見てね。

黒盤のレビューはこちらから。合わせて読んでね。

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