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8/4 青森県八戸市=本のまち

最近本屋に行きましたか?

わたしは本・雑誌大好き人間なので暇さえあれば本屋に行っています。都心部であれば本屋の有り難みというのを感じにくいですが、地方ではどうでしょうか。

今どきAmazonポチってすればどこでも買えるじゃん

そういう指摘があるのはごもっともなのですが、リアルな店舗としての本屋があることというのは個人的にはその地域の文化水準を高め、維持するのに重要な要素であると思っています。本屋減少が叫ばれるなか、地方でそういった流れにどう向き合うのかには非常に関心があります。

「文庫X」のヒット

少々前に話題になりましたが、「文庫X」という地方書店の取り組みを覚えていますでしょうか?盛岡の「さわや書店フェザン店」が始めた施策ですが、発売からわずか2週間で200冊を売り上げ、当初は5店舗での取り組みでしかなかったものが、全国の書店へと拡がっていき最終的には全国47都道府県の600店以上の書店に「文庫X」が並ぶまでに至りました。ヒットを超えてホームランですね。


「さわや書店」というのは地方の書店チェーンなのですが、地方とは思えないくらいのウェブサイトをベースにして情報発信も行なっている注目の書店チェーンです。

さわや書店本店がある岩手県の話ではありますが高校生直木賞の選考に関わる1校にも名前を連ねているようで(ほぼ関東の高校)、地元を盛り上げる本屋があることで読者が減らずにいることが、一定の教育効果を生んでいるのではなかろうかとも推察される訳です。

岩手県の例はある意味で民間の書店チェーンが努力に努力を重ねて地元に根付き、本を通じた文化づくりを担っているのだと思いますが、自治体がその役割を肩代わりして推進しているところがあります。

「本のまち八戸」構想

それは、青森県八戸市です。青森といえばねぶた祭りでしょうか。それともりんご?あのフランス語のようにも聴こえる青森弁でしょうか。それとも南部地方と津軽地方の確執でしょうか。

そのいずれでもなく、八戸市は「本」なんです。驚きました。

わたしも初めて知ったのですが、青森県八戸市は市長が公約として子どもから大人まで市民がもっと本に親しめる環境を目指す「本のまち八戸」構想を推進しています。赤ちゃんへの読み聞かせを推進する「ブックスタート事業」や2,000円の書籍クーポンを市内の小学生を対象に配布する「マイブック推進事業」などを行なっていますが、特に「八戸ブックセンター」の事業に注目しました。

八戸ブックセンターの役割

八戸ブックセンターは「本のまち八戸」構想のコア施設として、「文庫X」を企画した”さわや書店”の書店員さん等、独自の取り組みを行なっている書店員さんを招いてトークイベントを開催するなどして、多くの人が本に興味を持つためにどうすべきかを日常的に考えていらっしゃるようです。

でも無理に本を読む必要はない

US版WIREDの記事に読書についてこう書いてある。

さて、お伝えしたいことがある。読書は楽ではない。行為そのものではなく、続けることがである。ほかにできることはいつだって溢れている。もっと気楽で、もっと派手で、もっと気分を高揚あるいは落胆させるものが(ソーシャルメディアなんて、まさにそれだ)。

しかし、そのどれであっても、本を読む人でありたいと望む気持ちを誰もがもっている事実は変えられない。だからこそ、Goodreadsに対して期待を抱く人と同じだけ不満を抱く人もいるのだ。だからこそ、2カ月前に買ってから一度も開いてさえいないペーパーバックを、鞄に入れ続けたりするのだ。だからこそ、本を読みかけのままにすると、小さな罪悪感が残るのだ。

記事にあるように読書は楽ではない。Netflixでドキュメンタリーや映画を観ていても情報を手に入れることはできる。しかも、受動的な姿勢でも観ていられるんだから断然そっちの方が楽だ。だから、読みたくない人に無理に読ませる必要はない。

noteのように書きたい人は書けばいいし、本を読みたい人は読めばいい。そもそも、本を読めば頭が良くなるとか、本を読まないとバカになるとか、そういったことでもない気がしている。

私のような本好きがいる限り本屋は無くなって欲しくないし、色々な店舗型の本屋があってほしいと思っている。しかし、これからますます読書人口というのは減っていくだろう。

書店はもっと面白くなる

パイを大きく(読者人口を増やす)するにはどうすれば良いか考えるのも非常に重要なので、その意味で八戸市の取り組みは非常に重要だし応援していきたいのだが、本音をいえば、そういった取り組み(本のまち構想)はどの自治体であっても基礎施策として行なって然るべきことなのである。新潟であろうと広島であろうと鹿児島であろうと、本があるところならば日本全国で「本のまち構想」というのは進めてほしいし、進められることなはずなのです。

そう考えると、やはり民間(つまり書店)の取り組みこそが重要にな訳です。街の本屋は好きだけど、これまでと同じやり方で本を売ってても売れない訳です。”さわや書店”のように知恵を絞って主体的に進めるのは地元の本屋さんであるべきだし、それを政策的に支援するという意味で行政には圧倒的なサポートをお願いしたい。

絶対に書店はもっと面白くできる。私も挑戦してみたい。





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