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6/17 BRUTUSお前も・・・

BRUTUS.jp、お前は違ったよ。
結論から言うと、個人的には素晴らしいサービスです。これまで保管してたバックナンバーが要らなくなるくらい。

そもそもな話になりますが、
電通発表の「2018年 日本の広告費」によれば、

インターネット広告費は、1兆7,589億円(前年比116.5%)、5年連続の二桁成長となり、地上波テレビ広告費1兆7,848億円に迫る。

一方で雑誌広告は1,841億円、前年比で96.8%。ただし、これは紙と電子出版市場を併せあ数字であり、紙だけに限っていえば94.3%と14年連続のマイナス。私は雑誌が好きなだけに、悲しい事実である。

どの出版社も電子書籍の販売であったり、ウェブサイトの充実などで対応しているものの、どこも成功しているとは言えない。

そんな中、注目すべきことがあるのでご紹介したい。

マガジンハウスのBRUTUSが「BRUTUS.jp」というサイトを立ち上げた。どんなサイトかというと、

BRUTUS.jpってなんですか?
BRUTUS.jpは、雑誌ブルータスの電子版ではありません。過去に発行された雑誌ブルータスの掲載内容をウェブサイトに最適化、つまり、ブラウザで閲覧するのに適したスタイルに再構成しながら、 記事同士を「キーワード」でつなげ、カルチャーとの新しい出会いかたを提案する試みです。(※ウェブサイトより引用)
なぜBRUTUS.jpをはじめたんですか?
端的に言えば、より多様なカルチャーとの出会いを提供したいから、です。 そしてその目的は、雑誌よりもウェブというフォーマットのほうが達成しやすい可能性があるからです。 雑誌ブルータスは毎号ひとつのテーマによって編集されていますが、 そのテーマに直接的な興味がなくても十分に魅力的なコンテンツが存在しています。

例えば、「とんかつ」について特集されたブルータスの中に「とんかつと文学」というコンテンツがあったとします。 それは、とんかつに興味があるひとにとってはもちろん価値のあるコンテンツである一方で、 文学に興味があるひとにとっても同等あるいはそれ以上に価値があるものです。 ただし、文学に興味があるひとに「とんかつ」を特集した雑誌ブルータスを手にとっていただくのはなかなか難しいことです。

そこで、テーマによってまとめられた特集を記事単位に分解し、それぞれにジャンルとキーワードを設定することで、 とんかつには興味ないけど文学は好き、というかたに「とんかつと文学」に出会っていただく機会を提供しています。 わたしたちが考えた目的が達成できているかは、ぜひ使って判断してみてください。(※ウェブサイトより引用)

無料では一部の記事しか読むことができませんが、有料サービスが用意されています。 月額457円。457という数字は88番目の素数で、末広がりで縁起がいいからという背景があるようです。マガジンハウスらしいギミックですね。

単なる電子版の提供で終わらないのは、マガジンハウスが他誌が真似できない良質なコンテンツを膨大に持っているからでしょう。私も昔のように定期購読して毎月読んでます、という程ではないけれど、本屋に行っては「どれどれ、今月はどんなテーマかな?」と物色し面白そうなテーマなら迷わず購入するくらい好きな雑誌ではある訳です。同社POPEYEがシティボーイ掲げているように、オシャレボーイや業界人が知っておくべきカルチャーネタという感じは今も変わらないんじゃなかろうか。

ただ心配事もある。

出版社のような純コンテンツメーカーはコンテンツに強みがあるものの、いわゆる裏側、サービスを提供するためのプラットフォーム運用については疎かにしがちで「良いモノ乗っけてるのに何でユーザー増えない訳?」となってしまう。

以前「お前ら結局土管だからな」という黒鳥社・若林恵さんの記事を書いたけど、お互いの強みを活かせる座組みを組むっていうのは今の時代非常に重要な訳です。

でも、そこはさすがマガジンハウス!思ってたより使いやすい!

過去に発売されたBRUTUS記事にアクセスできるというのは非常に魅力的であるうえに、各キーワードにリンクが貼られていて過去の関連記事に飛ぶことができる。

例えば下記の記事であれば、

「仮想通貨」というキーワードはイメージつきやすいと思うけど、「汎用性」というキーワードにもリンクが貼られていて、「金属を自在に操る彫刻家」というデザイン関連の記事に飛ぶことができる。

これまで、アクセシビリティやインターフェースなどユーザーの使い勝手部分などは、これまで大手出版社が意識しなくてもやってこれたんだろうと思うんだけど、このBRUTUS.jpはその辺も素晴らしいと言える。リンクが増えたり、検索できるようになれば更に便利になるだろう。

「あ~昔似たような記事読んだな・・どの号だ?」

と、皆さんあるあるだと思いますが、過去の雑誌記事を参照したいと思ってもなかなか出来なかったのがこれならできる!企画を考えたり、思考をジャンプさせたいときには丁度良い読み物といえるのではないでしょうか?

ぜひぜひ一度アクセスを。


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