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寿司日乗555〜561

2024年6月3日(月) 晴れのち雨

朝、夢見が悪く起きて開口一番「疲れた……」と言う自分に突っ込みをいれる。「いやいやいやいや!今起きたし」これはもう捨て日だ。時々ある。
正午から夜まで作業をと思うも机に座り白目、横になり棒をリピート。音楽を聴いてギターを触るも何も手付かず。よし、20時半だもういいだろうと新宿馴染みの店。非生産の1日をなんとか取り戻す。カンヌ映画祭帰りのYさんにお土産を頂く。cinemaと記載されたカチンコと映写機が浮かぶスノードーム、かわいい。ワタクシはスノードームを収集しているのでなお嬉しい。
昨晩観たキューブリックの話などして帰宅。
気圧のせいか、何事もうまくいかない1日であったが最後に心地よい着地ができたと思うことにして就寝。

2024年6月4日(火) 晴れ

朝、渋谷。用事を済ませてユニオンへ向かう途中文化村通りを歩きながら違和感。目線の先、東急百貨店本店がなくなっていた。剥き出しになった隣接するビルのダクトがデザイン画のようでしばし凝視する。同じ街なのに景観ひとつ変わるだけで違う場所に来たような感覚になる。開店すぐのユニオンで知人に遭遇。レコ屋で偶然会う時の少しの恥ずかしさはなんだろう。エサ箱をサクサクとやっている時の素面さを見られることによるものなのか、私だけかしら。
昼、作業と雑務。渋谷を歩きながら浮かんだフレーズひとつ帰宅後ソレを皮切りにパッと一曲分できた。昨日まで唸って何もできない時もありゃ、こういうこともある。しかし曲がない。暫く放っておくことにする。
夕方、東高円寺。友人と食事のあとグラスルーツ。友人達と話しながらも記憶が曖昧。最近ひとくち酒を飲むとしっかり酩酊するまで飲酒してしまうので楽しかったことの周りにある被膜みたいなものしか覚えていない。酒はほどほどがいい。コンピューマさんとサトウさんのDJがじんわり効く。友達と沢山話した。みんなそれぞれに地道に大人になっていく。

2024年6月5日(水) 晴れ

身体が重い鉛と化す。昼、冷蔵庫を開けてがっかりする。冷蔵庫の中身は自分の精神状態を可視化したものだと思うようになり数年。戻したままのひよこ豆や、数日前の味噌汁の入った鍋などが整頓されず乱雑に置かれている状態で自身の精神の荒れ模様がわかり「はぁ……!」とため息をひとつ静かに扉を閉めて白目。夕刻まで何も手付かず棒と化し横になる。そんな時も安住紳一郎の声は子守唄のよう。ありがとう、安住さん。

夜、アーバン。古い知人、千木良悠子(千木ちゃん)が新刊を出した祝杯をいただく。美味い。大人が地道に大人になっていく道程を改めて鑑みるなど。
若い時分酒場であーだこーだ話していた事、その日々がその人自身の手で形を成し人生を作っていくこと、具現化していくことが以外に当たり前じゃなく根気のいること(だけど、そんな事本人は意識していないものかもしれない)をも見てきた中で毎回鼓舞される。20歳で大人だと社会から言われたものの、よくわからないままワタクシは社会の荒波を進みながら大人になる猶予期間を経て、今やっと大人の自覚がある位の成長遅い人間ですが、お前、何言ってんだよという声も承知で、30……いや、35過ぎてから大人始まる説を無責任に唱えます。

2024年6月6日(木)晴れ

起きると正午前、6月に入ってから身体を司る神経が、脳みそが私を動かすことを放棄したのか、何もやる気なくビックリしています。肉の塊と化しています。
画家・随筆家 中川一政と向田邦子の対談を読みながら茶を啜る。いっとき勤めに出ていたんですよね?と向田氏が中川氏に聞くと「為替貯金局に勤めていた。ひと月でやめた。月給もらったらくやしくて涙が出てきちゃった笑」と言っており、「こんなことして金もらって、なんか鬱勃たるものがあった」という言葉に私は軽いジャブをくらい、横になる。何になっていいのかわからない、学問もできない自分に対し、なるものがないと思いながら最終的に27、8歳で腹を据え画家になっておられるわけだが、勤め人ではなく、なりたくてなったわけでもないもので飯が食えている人というのは私の周りにもいるけれどそういった人間が共通して考えていることは同じなんだなと思うなどしていると夕方。
馴染みの店に行くとAさんがいた「わ!今本当に丁度今!みしおさんの話してたのよ」大将に「みしおはこういうの多いなー」と言われ引きの強さを改めて思う。久々にAさんと猥雑と真面目な話、いい夜。

2024年6月7日(金)晴れ

昼、アジフライを食べるならここ と決めた定食屋に向かう。この店はBGMが有線なのが気に入っている。日本のポップスがメインのチャンネルに合わせてある。10代の頃、居酒屋でアルバイトをしていた店も有線だった。有線はリクエストができる。電話をかけてアーティスト名と曲名を伝え電話を切ると暫くしてその曲が流れ気分がアガる。仕込みをやりながらちょこちょこ電話かけるもんだから店長によく怒られていたことを思い出す。アジフライは今日も美味い。
夜、アーバンにて「北の国から」の話が唯一できる馴染みのお客様が来店し、話す。ワタクシは「北の国から」ドラマシリーズが2時間シリーズより好きな方なのですが、未だ富良野を訪れたことがない。忸怩たる思いを持ちつつも「北の国から」への愛が止まらない夜となり、いい週末となりました。

2024年6月8日(土) 曇り

寝たり起きたりを繰り返していると朝。
蒸篭の匂いを目一杯吸いたくなり、お台所で蒸篭を取り出しこれでもかといわんばかりに匂いを嗅ぐ。いい匂い。だし巻き卵を作り、胡瓜の柚子漬もうまいこと浸かっており笑顔。野菜や豆腐肉を蒸して飯。

wowwowドラマ「邪神の天秤」など他2本程ドラマを観て明け方になり就寝。この、ドラマを観る時にだけ発揮される異様な集中力を作業に使いたい。俺はやるぞ、やるといったらやる。心持ちだけは強く持つことは大切です。

2024年6月9日(日) 曇りのち通り雨

安住紳一郎の日曜天国を聴きながら昼飯を作る。
リアルタイムとアーカイブを行ったり来たりしてるものだから安住さんの声の変化がよくわかる。
動物ライター江口絵里がゲストの回(2019年)、ボノボの話がとても面白く、拳を振り上げる前に性行動という文言が優しく響く世界があるよ、ガラパゴスに。是非聞いてほしいです。

夕刻前、雨が降りだしそうなのでその前にみしお食堂の食材を調達のため外出。スーパーでとうもろこしを見つけ夏が来た!と心で呟く。帰宅後茹でて食べる、美味い。のち3時間程作業など。新しいギターが欲しくなりネットサーフィンなどしながらもやはりアンプが欲しい。YAMAHA F100かSunがずっと欲しいが車を買わない限り運搬できない……車……車かぁ……。
あると便利だが、酒を飲まなくなることとの引き換えに車……しばし無駄に悩み、私の愛車だったFIAT パンダの画像を調べて懐かしい気持ちになるなどして結果、思いに耽るだけ何もしない週末。6月もあっという間に半ばです。

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