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9月入学制度のどこがいけなかったのか<その2>

こんばんは。今日もお疲れ様です。

6月になりましたので、5/31に紹介しました日経ビジネスの記事を開いて読んでみました。

見送った理由は、以下の通りだそうです。

大きな理由の1つが、ギャップタームの過ごし方に関し、保護者の理解を得られなかったことだ。9月までの約半年、さまざまな体験をさせるには家庭の経済的な負担が増す。有意義な時間を過ごせるのか否かが、家庭の経済力で決まってしまうのではないかとする懸念がぬぐえなかった。また東大の他に、追随する大学が現れなかった。例えば当時、京都大学は「入試改革を先に進めたい」として、東大の構想に賛同しない意思表示をしている。

「ギャップターム」というのは、以下のことです。

入試時期や高校卒業の時期はずらさず、大学入学は9月とする。高校卒業から大学入学までの約半年間は「ギャップターム」とし、海外留学やインターンシップ、ボランティアなどの時間に充てる。さまざまな体験を支援するとともに、「受験勉強のアカを落とす」時期にしたいとした。

繰り返し主張しますが、すべての日本人学生を全員強制的に4月入学から9月入学にさせるのではなく、例えば、4月入学の入試で落ちた学生は、9月にも再挑戦の機会を与えてあげればいいと思います。

家庭の経済的負担と言ってますが、まるまる一年浪人させる方が、より家庭の経済的負担大ですよね。
もし、バイトをしないと東大の学費が払えないという家庭環境に居る学生は、入学してからバイトさせるべきです。
浪人中にバイトさせるのは、受験を控えていてより大変じゃないですか。

東京大学の、志望者数と合格者数を確認してみましょう。
河合塾のサイトに、以下データがありました。

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概ね例年、志願者数は合格者数の3.1倍、すなわち、合格者数の2倍の不合格者数な訳です。
もちろん、皆さんすべり止めとか併願で受験する訳ですから、不合格者が全員浪人になって再度東大に挑戦する訳ではないでしょう。
ただ、合格した子の家庭環境を心配するより、合格しなかった子の家庭環境を考えるべきだということは明白です。

4月入学/9月入学並立制にすれば、合格しなかった子への配慮にもなるのですけどね。
9月入学だと、日本企業への就職に問題が発生するかも知れませんが、4年半在学して、9月入学だったけど卒業は3月です、というのは許容範囲ではないでしょうか。←もちろん、企業の採用担当者の声も確認する必要はありますが。

東京大学というのは、文部科学省が毎年国公立大学に配る助成金全体の1/10を、毎年毎年使ってきた大学です。他の国公立大学に比べ、極めて優遇されています。
100年以上も、日本を支える筈の人材を輩出して、それなりに高給取りが山ほど卒業生に居る筈ですから、育ててもらった恩を忘れてなければ、卒業生から寄付を募れば、財政的にも困ることなんか何一つないです。
その恩を忘れてもらったら困るから、9月入学に踏み切れないのですかね。

あくまで個人的な意見ですが、東京大学が最も改善すべき問題点はただ一つ。東京大学のトップは、学長ではなく総長と言いますが、

これまで、女性が一度も総長に選ばれてないことです。

女性が最低一度くらいは学長やってる大学の卒業生が、在校生向けにどんなメッセージを寄せているか、ちょっとだけ(9分27秒)見てやってください。

9月入学制度を論じていて、東大の悪口を書いてしまいました。申し訳ありません。
上野千鶴子さんに、ぜひ頑張ってもらいたいものです。

では、また明日。


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