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タフティングフレームの作り方

はじめまして、つちやと申します。
「タフティング」と呼ばれるファブリック製造技法を軸に据えて、制作・調査・制作支援を行うことを目的としたNeutuft(ノイタフト)という活動を主宰しています。

今回は、タフティングを行う上で必須の道具「タフティングフレーム」の組み方の一例を、材料・図面・設計時のポイントとともにご紹介します。


自宅ではじめるホームタフティング入門

自宅やワークスペースで“個人的に”タフティングを楽しむ、いわば“ホームタフティング”を行う人が増えてきました。本マガジンでは実践にあたって必要な知識・情報をまとめています。

完成イメージ

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今回制作するのは、作業台にクランプで取り付けて使用し、使用後は収納ができる比較的コンパクトなサイズのフレームになります。

図面

タフティングフレーム

図面というほどのものでもないですが、今回はこのサイズで作成します。アスペクト比が3:2くらいになるように縦の柱の高さを500mmにカットしています。50cm×40cm程度のラグを制作する想定です。
高さはお好みで調整いただいて良いですが、高すぎると構造上不安定になりますのでご注意ください。

設計時のポイント

1.はじめは小さめに作りましょう

フレームを制作する際に、まず最初に悩むのがどのくらいのサイズで作るかかと思います。個人的には、はじめから大きなフレームを作りすぎないことをおすすめします。

タフティングの制作は、基本的にフレーム一面を埋めきらないと仕上げ作業に移行することができません。(余りのタフティングクロスがもったいないため)

小さい作品を作った際に空いたスペースで何かを作ろう、と考えている間、仕上げまで進められず、制作モチベーションが下がってしまう、ということがよくあります。

はじめは小さなフレームで作品を最後まで完成させ、成功体験を積んでいくことをおすすめします。

2.布が無駄にならないサイズで設計しましょう

タフティングに使用するクロスの規格から逆算して、布が無駄にならないようにフレームのサイズを設計しましょう。

例えば、私が仕入れているタフティングクロスの場合、1m、1.5m、2mなど、0.5m刻みの巾の商品ラインナップになっていました。

今回の図面の場合1m巾の布を使用し、左右に10cm程度の「引掛けしろ」を作るようなイメージで設計しました。

材料リスト

用意する材料は下記になります。一般的なホームセンターであれば割とどこでも手に入るものばかりかと思います。
材料費だけでいうと¥3,000くらいで揃うのではないでしょうか。

・SPF材ワンバイスリー 920×63×19mm ×4本
・パネルピン 25mm ×200本程度
・L字アングル ×4個
・クランプ ×2個
・ビス ×適当なサイズを適量

※そのほか組み立てにはのこぎり、金槌、インパクトドライバー(頑張れば手動でも可)などDIYに必要な基本的な工具を使用しますのでご用意ください。

SPF材ワンバイスリー

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SPF材はホームセンターであれば全国的に手に入り、加工もしやすく価格も安い木材です。
今回は設計のサイズ的に適していると思いワンバイスリー(底面のサイズが19mm×63mm)という規格を採用しました。

パネルピン

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石膏ボードやコンパネなどを固定する用の建材です。
タフティングフレームの周囲に大量に打ち付けて、布を引っ掛けるために使用します。
普通の釘よりも頭が小さいため、バッキングクロスのつけ外しが簡単に行えます。

※カーペットグリッパーと呼ばれる針山のような建材をフレームに取り付ける方法もありますが、今回は「使用後は安全に収納できる」ことも考慮してパネルピンを使用した方法をご紹介しています。

L字アングル

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タフティングフレームの内側に取り付けることで、フレームを補強します。

制作手順

1.SPF材をカットする

柱用のSPF材2本を500mmの長さにカットします。
※別の高さで製作したい場合はお好みの長さにカットしてください。

2.L字アングルを取り付ける

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カットしていない2本のSPF材の両端にL字アングルを取り付けます。位置は図面を参考にしてください。

3.組む

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先程カットした柱でSPF材を枠型につなぎます。

4.パネルピンを打つ

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20mmスパンでパネルピンをギザギザに打っていきます。ピンの高さは5mm程度飛び出ていれば問題ありません。

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5.完成

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▼こんなふうにクランプで作業台に取り付けて使用します。

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▼タフティング作品をきれいに仕上げるためには、製作中常に布の張りを強く維持することがポイントです

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▼L字金具とカラビナでつくった毛糸のガイドを取り付けました。

おわりに

以上、本記事ではタフティングを行う上で必須の道具「タフティングフレーム」の組み方の一例を、材料・図面・設計時のポイントとともにご紹介しました。これからタフティングをはじめたいという方に参考になれば幸いです。

なおNeutuft(ノイタフト)では、毎週末に都内のアトリエでタフティングワークショップを開催しています。
アトリエ所有のタフティングフレームは基本的にDIYで制作したものを使用しています。本記事で紹介しきれなかった制作上のポイントや材料についてもご紹介しています。

小規模な内容とはなりますが、ご興味を持たれた方はよろしければオンラインストアの方で受付を行っておりますので覗いてみてください。

Neutuftとは?

Neutuft(ノイタフト)は、タフティングを中心に“DIYによる創作活動をより身近にできたらな”という思いで始めた「制作支援」を軸とした活動です。

タフティングについてもっと知りたい方は

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