
『note』でおすすめ映画紹介ー艦隊を追って
1936年のアメリカ映画で、主演はフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースである。
「艦隊を追って(原題:Follow The Fleet)」というタイトルから戦争モノの悲しい物語かと思いきや、中身は楽しいミュージカル映画だ。
音楽あり、踊りあり、ドラマありで、テンポの良い作品になっている。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースはこの当時、コンビを組んで様々な映画に出演し、大ヒットを飛ばしたようだ。
フレッド・アステアはダンスの名手として知られ、彼の出演する映画が多くのヒットを飛ばしてから、ダンスがうまい人のことを「アステア」と呼ぶようになったらしい。
僕はどうせアメリカのことだから、大袈裟に言っているのだろうと疑っていた。
しかし、どの映画かは忘れてしまったが、ある映画の中のセリフで「君はアステアみたいだね」と言っているシーンがあって、本当に代名詞になっているのだと驚いた。
一方、ジンジャー・ロジャースもダンスの名手であり、ダンス・ミュージカルのクイーンとまで呼ばれていたが、ミュージカル映画以外の映画にも出演している。
先日おすすめした映画「恋の情報網」にもヒロイン役で出演している。
この映画を見ると、彼女がダンスだけでなく演技もうまいのだとわかる。
また、映画「恋愛手帖」ではアカデミー賞主演女優賞を受賞している。ダンスも演技もできる稀有な女優さんである。
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内容について説明する。
サンフランシスコに入港したフレッド・アステア演じる水平のベイクは、ダンスホールで、過去にダンスのパートナーをしていた女性に再会する。
彼女がジンジャー・ロジャース演じるシェリーである。
以前、ベイクはシェリーに結婚して断られた経験があったが、久しぶりの再会に二人は意気投合する。
ベイクと同じく入港した同僚のビルジは、シェリーの姉コニーを気に入って、彼女に近づく。
コニーは学校の教師をしており、今まで男性との恋愛経験がなかったので、ビルジを好きになってしまう。
そしてコニーはビルジとの結婚を望むようになる。
この頃、ベイクはシェリーと再びコンビを組んでダンス競技に出る。二人は一等賞をとるが、ベイクの失言によってシェリーはダンスホールを解雇される。
ベイクは彼女を雇ってくれる場所をなんとかして探そうとするがうまくいかない。
そんなとき、急な出港が決まって四人は別れてしまう。
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数ヶ月後、彼らは再び入港してきて、それぞれが再会を果たす。
ビルジはいつか航海士の資格を取り、自分の船を持って、海を渡ってみたいという夢があった。
その話を信じていたコニーはビルジのために自分の父親の船を彼に譲ろうと考え、船を改装してもらうように頼んでいたのだ。
が、ビルジはコニーのことなど眼中になく、以前仲良くなったマニング夫人と関係を持つようになり、それを知ったコニーは落胆する。
一方、シェリーは仕事を得るためにオーディションを受けるのだが、ベイクが誤って彼女を妨害してしまい、シェリーは不採用となって、二人は険悪なムードに陥る。
ところが、コニーが船の改装のために借金をしてしまい首が回らなくなったために、シェリーとベイクは協力するようになる。
シェリーは再びダンサーとして仕事を得ることができるのか。
コニーは借金を返し、ビルジを振り向かせることができるのか。
ベイクは得意のダンスを使って、みんなが抱えている問題を全て解決しようと画策し、ある壮大な計画を実行に移す。
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物語を書いてしまうとこんな感じになるのだが、所々にフレッド・アステアのダンスが披露されるシーンがある。
このダンスシーンは様々で、甲板の上で踊ったり、ダンスホールで踊ったり、舞台の上で踊ったりもする。
同じ水平たちと踊るシーンやシェリーと二人で踊るシーンもある。
そんなミュージカルな要素が入ってくることで、物語の中にまた違った世界が広がったようで奥深さを感じる。
それに物語にもちゃんとドラマがあって、それがコメディでもあり、恋愛ものでもあるのが面白い。