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クラウドゲーミングについて@業界分析

クラウドゲーミングは私がとても注目しているビックチェンジとなります。プレイステーションやスイッチ、PCなどゲームをするためには通常、ハードウェアと呼ばれる本体が必要になります。このゲーム機本体をクラウド化して遊べるようになるサービスがクラウドゲーミングと呼ばれるサービスです。ゲームユーザーはもちろんのことコンテンツメーカーにとっても大きな転換点となりますのでゲーム業界の地図が入れ替わるほどのインパクトがあると考えています。元ゲーマのカメレオンが紹介していきます。


世界中にハードメーカーというのはあります。有名どころで行くとSONYのプレイステーション、マイクロソフトのXBOX、任天堂のスイッチです。スマートフォンやタブレットもゲーム本体としての位置づけを持っています。ゲーム機本体の歴史は古く、世界初の家庭用ゲーム機は1972年にマグナボックス社のオデッセイというゲーム機です。商売としては全く成り立たずに、すぐに販売中止になりました。その後日本も任天堂がゲーム機を作り始め1975年にはリリースしています。日本人はゲーム市場にかなり早くから参入していたのはポイントだと思います。だからこそ日本には豊富なコンテンツやハードが育っているということですね。ちなみにパソコンゲームというはさらに歴史が古く1962年のスペースウォーというゲームのようです。しかし、高額すぎてパソコンが一般に普及し始めるのはウィンドウズ95からだと思います。ここで理解したいのはゲームといってもプラットフォームそのものは時代によって大きくことなっているということです。クラウドゲーミングにプラットフォームの主戦場が移ったとしても何ら不思議ではありません。

クラウドゲーミングはさまざまなメーカーが出しています。グーグルのstadia、NVIDIAのGeforceNOW、SONYのプレイステーションNOW、マクロソフトxCLOUDです。一部、ネットフリックスやアマゾンの参入もうわさされていますが、重要なのはゲーム開発、クラウドゲーミングのプラットフォームで採算をとるにはかなりの巨大な資本が入っていないと厳しいということです。ゲームという巨大な市場の奪い合いです。札束の殴り合いになることは避けられないと思います。理由はコンテンツメーカーとの兼ね合いです。基本的に今はハードメーカーにひっついてコンテンツメーカーはソフトを開発しています。売上というのはゲーム機本体の出荷台数が売上本数の上限を決めます。つまり、どれだけ会員数、ユーザー数を獲得しているかでコンテンツメーカーからの意欲が変わってくるのです。今はunityなどゲーム開発プラットフォームは、一度ゲームを制作するばさまざまなプラットフォームのソフトとして同時出力できるような機能を有していることが多いです。コンテンツメーカーとしてはどこのプラットフォームで出したとしてもコストは大きく変わらないと思うので、おそらく今後、コンテンツの独占販売契約などを行い、自社クラウドゲーミングプラットフォームへの会員数アップ施策がおこわなわれると思います。

クラウドゲーミングプラットフォームが本格化するタイミングでは、スマートフォンゲームが爆上げしたときのような相場になることを想定されるかもしれませがユーザーが限定されていることから、ガンホーやmixiのような伝説のチャートはゲーム開発メーカーからは生まれにくいと思います。また、残念ながらPCゲームメーカーというと海外が多いですが。しかし、初動のタイミングではソフトをたくさん同時リリースするような流れは確実に来ると思いますので、スクエニやカプコンなどのゲームメーカーは一時的に吹くと思います。また、ゲーム開発メーカーと取引している会社も儲かります。コンテンツメーカーが一斉に同じようにゲーム開発の動きを加速させると思いますので、ゲーム開発人材の確保は最重要課題となると思われます。エクストリームなどゲーミングの派遣は需要が増加するように思います。※人派全般は今のところPER低く期待されていません。

念のためクラウドゲーミング普及の課題になるようなポイントも解説しておきます。日本ではブロードメディアが以前にGクラスターというクラウドゲーミングを国内でリリースしましたが、時代を先取りしすぎて盛大にコケています。理由はネットワーク回線が脆弱だったことや、コンテンツが思うように集まらなかったこと、わざわざクラウドゲーミングにする必要がなかったことなどです。特にあの時はゲーム機本体を開発しているハードメーカーの力が強く、ゲーム開発環境も整っていなかったのでわざわざGクラスター用に開発するメリットは少なかったのではないかと思いますね。今では前回失敗の最大の要因だったネットワーク環境とゲーム開発環境が改善しているので最近改めて注目されているということですね。

わざわざクラウドゲーミングをユーザー側が選択する理由はなんでしょうか。それは間違いなく今後くるであろうクロスプレイの当たり前化です。クロスプレイというのは有名なフォートナイトというゲームがもっている特徴ですが、ハードウェアを選ばずにオンライン対戦できることです。昔はプレイステーションであれば、プレイステーションのユーザー同士、PCであればPC同士がマッチングするようにできていました。しかし、フォートナイトは他のゲーム機との同時対戦が可能になっています。この流れがくるとFPSやTPSなどのゲームに関してはPCユーザーが操作性の面で圧倒的に有利になります。フォートナイトはじめ、PUBGの影響でTPSユーザーは増えています。クロスゲームをPCで実施したいをしかし、PCを買うにはそれなりの金額が必要になります。だいたい20万前後でしょうか。

しかしクラウドゲームを使えば安くPCゲームができます。例えばGeForceNOWであれば、米で月5ドルくらい、日本では月1800円くらいで超高性能PCがクラウド上で利用できます。そうするとオフィスしか使っていなかったようなPCがゲーミングPCに化けます。ちなみにGeforcenowの性能を実際のゲーミングPCで再現しようとすれば25万ほどかかると言われています。これを月額使用料5ドル~1800円で利用できるとあればPCからのスイッチングが期待できます。しかも、クラウド環境の性能はどんどん高性能化させることができます。極端な話、クラウドゲームはソフトメーカーのゲーム機への制約を取っ払うことにつながると思います。ゲームソフトの進化が先行して今のPCでは最高画質の環境でプレイできないというユーザーが増えてくればクラウドゲーミングに乗り換えると思います。一部ネットユーザーの声ではかくかくすると言っている人がいますが、それはネットワークの問題です。ゲーマーであればネットワークの高速化をするのは当たり前の話です。

正直、クラウドゲーミングのサービスを利用するユーザーというのはゲーマーに限定されると思います。スイッチで友達と集まったときにワイワイというユーザーとは本質的には違うユーザーだと認識しています。

ゲーマーの人口が増えなければクラウドゲーミングは普及しません。ゲーマー人口を急激に拡大させる可能性を秘めているのがeスポーツの推進です。私はこのeスポーツの流れも同時にきていなければクラウドゲーミングはそこまで推していなかったと思います。

ちなみにeスポーツを通じて確実にゲーマーの人口は増加すると思いますが、おそらく日本では限定的な盛り上がりになるのではないかと思います。というのも大会運営における賞金の法的規制です。たしか景品表示法だったと思いますが、賞金の受け渡しや限度額においてかなり制限されてしまします。eスポーツ推進のために法律を改正する可能性は低いので、日本の賞金は海外と比べて低いものになると思います。ちなみに詳しくは裏取りをしてもらいたいですが、日本のゲーマーはプロとして食っていくことはかなり厳しいです。海外のプロゲーマーと比較すると雲泥の差となります。おそらく今後は日本人チームが海外の大会に参加するという事象が増えると思います。日本はよほど業界団体がうまく政治の根回しをしない限り厳しいです。しかし、賞金がたとえ少なくてもスポーツの世界と一緒でサラリーマンとの兼業ゲーマーが増えると思います。あとゲーム業界がかなり煽ると思うので競技人口は増えそうな気がしますね。人口が増えてこればコンテンツメーカーも積極的にクラウドゲーミングプラットフォームにゲームを投入するはずなので世界的に盛り上がると思います。

システムがクラウドに移行したように、クラウド移行した方がメリットが出る利害関係者が多いということです。そのため、業界構造的にクラウドゲーミングに人が集まる流れができつつあります。新規参入業者も増えます。自社でクラウドゲーミングプラットフォームを開発する企業もあれば、出来合いのプラットフォームを貸してくれるような企業のニーズも増えることでしょう。大手キャリアはSOFTBANK、auがGeforceNowを担ぎ、ドコモはブロードメディアのGクラスターです。3キャリアが5GのB2Cのメインターゲットとしてゲーマーを狙っています。5GはやはりB2Bで、自動運転やIOTなどのニーズが強くなんとかB2C市場の顧客もキャッチアップしておきたいのでしょう。ちなみに私はスティームと呼ばれるゲームが色々買えるサイトと連携しているGeforceNOWは面白いサービスだと思っていますが、過去の技術提携なんかを調べていると面白い企業とつながっていますよね。この話はまたいずれ。クラウドゲーミングに注目していきたいですね。


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