★《続・読書余論》米海軍大佐G・J・マイヤース著『マイヤース戦略論』昭和9年刊

 こんかいの《続・読書余論》は、旧帝国海軍が、仮想敵の米海軍の考え方を知ろうとして訳出していたレア本です。
 これ、バブル時代に都立大通りの古書店で6000円も出して買ってしまいましたが(つまり調べのつくかぎりの図書館には所蔵がなかった)、昭和初期特有のガタガタした訳文を通しても原書者の教養蓄積の浅さが想像されてしまい、一読して期待を外された。そんな想い出が蘇ります。

 しかし、「重要なことは書かれていなかった」ことを確かめるためにも、手当たり次第に片端から関連資料をひもとかねばならぬ時期が、研究家には、あるものです。

 これ1冊をご紹介したところで、みなさんもつまらないだろうと思いますので、潜水艦や海軍戦略やNATOに関する摘録を、オマケとして《旧・読書余論》から集めて附録しました。

 コンテンツは、『潜水艦』『戦記名著集 vol.11』『海底戦記』『万有科学大系 続篇第十三巻』『航空読本』『工作機械発達史』『農工用小型ヂーゼル機関』『現代国民文学全集 1巻 獅子文六集』『(戦略情報戦史I)日本の戦略情報組織』『五国対照 兵語字書』『モルトケ』『戦争の哲学』『核開発をめぐる国際競争』『French Nuclear Tests in the Atomosphere』『非核化時代の安全保障』『NATO――その変遷と将来』『海事史料叢書 第十巻』……などなど、です。

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