見出し画像

「ほめる」よりも「アクノレッジメント」する

UIデザインとフロントエンドの世界で、ここ2・3年マネジメントに興味を持ち、担当する仕事もマネジメントが中心になってきている んじゃみ です。マネジメントへの学びや気づきを note にアウトプットしていこうと思います。

「コーチングのプロが教える ほめる技術」という本を読んだ。
マネジメント的なものにも携わりながら、「ほめる」のが苦手で、上手くできていないと感じていて、何か解決策はないものかと手を伸ばした。

結論、今の自分にとって、とても大きな学びが得られる良書だった。
タイトルに反して、この本は「ほめる」技術ではなく、「アクノレッジメント」する技術が学べる。(タイトルと中身が違う理由は、まえがきでちゃんと語られている)

アクノレッジメント

アクノレッジメント acknowledgement とは「承認する」という意味。「ほめる」ことも含めて相手の存在を認める行為すべてをアクノレッジメントと言う。

重要なのは「アクノレッジメントする」ことで、必ずしも「ほめる」ことが必要ではないとわかり、少し心が軽くなった。

今までの自分、自分とメンバー、自分と上司のことを考えても、不満があり・ツライ時は、ほめられていない時ではなく「存在が認められていない」ように感じる時だと思った。

アクノレッジメントを与えられる例
・挨拶する、声をかける
・今の状況を伝える「今こうしているね」(見たまま、聞いたままを伝える)
・答え・意見を求める「あなたはどう思う?」
・すぐに返事をする(メール・メッセージなど)
・ほめる
・任せる
・叱る ... 相手のことを考えて、成長のためにフィードバックする
・贈り物をする
・別れ際の一言「気をつけて帰るんだよ」(相手を重要に思っている)
・意志を持った相槌(傾聴の証)
     ... ダメな例:語尾が下がる相槌「へぇ」「ふ〜ん」「そう」
・顔を見て、正面から投げかける(関心がある、サポートしたい)
・相手のために時間を使い、ていねいに理由を説明する
・おしゃれのポイント・工夫を観察し、指摘する
・相談する(特に年長者・経験豊富な人)

アクノレッジメントすることで、相手に「重要感」を感じさせたり、承認と感謝を伝え、味方であることを示す。
アクノレッジメントは「安心」したいという人間の究極的な欲求を満たすことにつながり、結果信頼へとつながる。

外国の人は、特に挨拶のアクノレッジメントが上手だなぁと思う。
なかなか真似できないけど、イギリス人の同僚はすれ違う時に、いつもチャーミングな笑顔でアイコンタクトをくれて、存在を認められている = アクノレッジメントされている喜びがある。

日本人でも、アクノレッジメントが上手い人は、相手をよく観察していると思う。ちょっとしたことをほめたり、プチギフトをあげたり。そういうことができるのも、相手のことを考え、そのために時間を使っているからこそできること。


アクノレッジメントを与えられない例
アクノレッジメントを与えられない例は、とてもわかりやすい。
自分の知識や判断の妥当性を認めさせたり、自分が知識があることを誇示して、逆にアクノレッジメントを要求する行為。

アクノレッジメントを与えられない例
・一方的に押し付けるアドバイス
・判断を押し付ける、従わせる
・感情的に「怒る」

自分の意見の妥当性・利点を押し付けて、感謝の言葉を引き出したり、高圧的に「言う通りにやれ!」と命令したり。相手のことを考えずに自分がアクノレッジメントを得ることばかりを考えている状態だと思う。

上司やマネージャーがこの状態だと、メンバー・部下はアクノレッジメントされずに、またその部下や関係者に自分がアクノレッジメントを受けたいがために同じことをしてしまい、負の連鎖が起こる。


叱ると怒る
叱ることと怒ることは違い、叱ることはアクノレッジメントになる。一方、感情的に怒ることはアクノレッジメントにはならず、大抵の場合、相手からアクノレッジメントを受けようとする。

叱る ... For you
  → 相手の成長の為に、リスクを越えて、ネガティブなフィードバックをする
怒る ... For me
  → 相手が自分の思い通りにならないので、
    自分の感情を相手に向けて爆発させて、解消しようとする

アクノレッジメントが与えられる場合は、まず相手のことを考えて言葉にできているときだと思う。相手のことよりも、自分のこと・自分の承認欲求を優先するとアクノレッジメントを与えることはできない。


アクノレッジメントを与える生き方

アクノレッジメントをめぐる二つの生き方
1.  隙あらば、人に対してアクノレッジメントをしようと思っている人
2.「いつ自分はアクノレッジメントされるんだろう」とずっと待っている人

すごく反省した。
これまで僕は圧倒的に 2 の方で、時にアクノレッジメントしてくれない上司や会社の体制をぼやき、アクノレッジメントされるのをずっと待っていた。
そして待っていても、アクノレッジメントされる日は来ない... 自分の方から始めない限りは。

アクノレッジメントを与える生き方
・人の話をよく聞く(傾聴)
・相手の興味・関心をインプットして、その情報を提供する
・相手の存在価値を高める言葉を伝える
・相手から提供されるのを待つのではなく、先に与える

相手の話に耳を傾け、しっかりと相手の立場に立って存在価値を高める言葉を伝え、待たずに自分から与えることが大切。

「お世辞を言え」とか、「とにかくほめろ」とかはできる気がしない。
けれど、この本に書かれているようなアクノレッジメントを与えることは、自分を偽ったり、無理をしなくてもできそうな気がする。


上司に対しても、アクノレッジメントを

飲み屋さんでビジネスマンのこんな話し声が聞こえてきたりします。「あの部長いい加減にしてほしいよな。まったく自分の都合ばっかりでさ」。それで、その言葉が生まれた背景を突きつめていくと、結局上司は自分に対するアクノレッジメントが足りない、もう少し自分を認めるべきだ、という上司の承認不足に対する不満だったりします。

僕も上司のグチを同僚と言い合って、満足というかストレス解消している瞬間がある。でも、そういうの振り返るとムダだなぁ... と思うし、もったいないと思う。

上司に対しても、待つのではなく、自分からアクノレッジメントを与える。

・上司は部下よりもアクノレッジメントを受ける機会が少なく、アクノレッジメントを求めている
・「あなたのことを頼りにしています」「信頼しています」
・上司は頼られたい
・アクノレッジメントを上司に与えると、向こうからも返ってくる

自らが、より良い環境で働けるようにするために、向こうから来るのを待たず、自分から積極的にアクノレッジメントする。ホント大事だなぁ。


まとめ

「コーチングのプロが教える ほめる技術」という本の感想というか、特に重要だと思った点についてまとめた。
さらに、人のタイプによるアクノレッジメントのポイントや仕事ばかりではなく、子どもや奥さんに対するアクノレッジメントについても書かれていて、適用範囲が広く、学びが多かった。
マネジメントやコミュニケーションに悩む人にはオススメ。

アクノレッジメントされるのをただただ待つ人から、「隙あらば、アクノレッジメントをできる人」になれるよう、一日一つずつでもアクノレッジメントを実践する!

#マネジメント
#アクノレッジメント
#コーチング







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?