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メルフィー戦線デッキ解説

※この記事では「獣族・鳥獣族・獣戦士族モンスター」のことをまとめて「ビースト」と呼称しています。

結界像をポイした理由

 現在、多くの鉄獣戦線のデッキレシピではLLや十二獣と混ぜたものが主流だと思います。

 それは《烈風の結界像》を出せる《王神鳥シムルグ》へのアクセスが容易なLLの強みだったり、鉄獣戦線要素を引けなくても《十二獣ドランシア》による妨害や《天霆號アーゼウス》による巻き返しが容易である十二獣の強みが際立っていたからです。

 実際、私もLLや十二獣を混ぜたものを使っていたのですが、次第に雲行きが怪しくなってきました。

第一に鉄獣戦線の弱点が知れ渡ってきたこと。

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 今までの鉄獣戦線は最終的に《王神鳥シムルグ》の効果で《烈風の結界像》を特殊召喚し、相手の特殊召喚を制限して次のターンにキルをしにいくというのが主な戦法です。逆に先攻の妨害はこれに依存しすぎていて、《王神鳥シムルグ》に《灰流うらら》を当てれば大した妨害は無いということが、浸透しつつあり、妨害を《王神鳥シムルグ》までに待たれる事が増えてきました。
 指名者を握っていればケアはできるのですが、逆に指名者を握っていない場合はエンドフェイズの出来事なので、他に妨害を置くアクションが取れず…ということもあります。特に《原始生命態ニビル》ケアで展開を抑えておいた場合は悲惨です。

第二に《烈風の結界像》が効かないデッキが大きく増加してきたこと。

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 ちょっと前までの環境なら大方主流のデッキは《烈風の結界像》+《鉄獣の邂逅》を越えられず完封ということも多かったのですが、《PSYフレームギア・γ》を採用するデッキが増え、《スキルドレイン》の【エルドリッチ】、さらには風属性だけで展開でき、戦闘後には《真竜皇V.F.D.》まで出せる【電脳】が大きく台頭してきたことで、《烈風の結界像》ルートが絶対安心という場面は少なくなってきました。

 主にこの2つの理由で《烈風の結界像》に依存するタイプの鉄獣戦線は難しいと思い、《霞の谷の巨神鳥》を採用した鉄獣戦線にして、合うカテゴリーを探しました。

LLはどうしてもLL自体が弱く、《王神鳥シムルグ》に依存してしまい、十二獣は召喚権の被りがどうしてもキツくて、制限カードの《十二獣の会局》を引けていないと上振れ展開が難しいという問題を抱えていました。

そこで辿り着いたのが【メルフィー戦線】です。

第1章 メルフィーと鉄獣戦線が杯を交わすまで


メルフィー

 メルフィーは相手のターン中に《森の聖獣 カラントーサ》を特殊召喚して相手のカードをノーコストで破壊する妨害に徹します。

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《わくわくメルフィーズ》は獣族レベル2であればエクシーズ召喚できるので、《レスキューキャット》と《魔獣の懐柔》、《鉄獣戦線 ケラス》の特殊召喚効果によって場に獣族を揃えてエクシーズ召喚します。

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 《メルフィー・パピィ》と《わくわくメルフィーズ》は相手ターンに《森の聖獣 カラントーサ》をデッキや墓地から特殊召喚することができます。
 そして相手ターンにかんたんに獣族を特殊召喚できるということは、《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の除外効果もかんたんに起動できるので、数あるビーストテーマでも《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を強力に扱う事ができます

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 よってメルフィーと鉄獣戦線の混合ではノーコストで最大2枚のカードを破壊、1枚を対象を取らずに除外できるため、【電脳】の《電脳堺門-朱雀》や【コードトーカー】の《レディ・デバッガー》等、強力なカードを次々と粉々にできます。

カラントーサ

もはやカタギではない

 しかし、メルフィーがいくら強くてもファントムレイジ発売以前の鉄獣戦線では噛み合わせが必ずしも良いものではありませんでした。
 鉄獣戦線の《烈風の結界像》は、地属性のモンスターを展開して妨害していくメルフィーと相性が良くないのは当たり前ですし、メルフィーの重要な初動である《魔獣の懐柔》の「発動後、ターン終了時まで獣族しか特殊召喚できない」という縛りが鉄獣戦線にはかなり厳しいものだったからです。
 初動最強の《王神鳥シムルグ》は獣族ではないので出せないですし、鉄獣戦線が動けない、ということは手札にある《鉄獣の抗戦》も必然的に腐ってしまいます。
 つまり初動をなんとか個別の展開で切り抜け、後は何だかんだ噛み合っていけば強いかな…というレベルで纏まりのあるデッキではありませんでした。

懐柔

魔獣に懐柔される図

 しかしそんな状況が《鉄獣戦線 キット》の登場によって覆されました。《魔獣の懐柔》で出せて、しかも《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》のリンク素材にすればその後にリンク3まで出せる様になったのです。

 そこで白羽の矢が立ったのが《空牙団の大義 フォルゴ》です。

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 このデッキでは他に空牙団が居ないため、簡単に言ってしまえば、効果が受動的になった代わりにライフコスト無しで引けて2400打点になった《デコード・トーカー・ヒートソウル》です。このカードの性質上、先攻でドローすることはできませんが、相手ターンに隣りにいるメルフィーたちが相手のカードを破壊してくれるのでそこで1ドローができます。

 このカードの採用により、《魔獣の懐柔》を発動した後でも鉄獣戦線の動きをすることができ、損失なく墓地にリソースを溜められる様になったので《鉄獣の抗戦》が腐るパターンを限りなく減らすことができるようになったのです。

 そして、メルフィーの導入により《灰流うらら》を受けるポイントが増えつつも手数が増えた為、《王神鳥シムルグ》への依存を減らし、【電脳】に対して強く出れる様になりました。

次にいくつか展開パターンを紹介します。

展開紹介

展開例: 《魔獣の懐柔》 + ビースト1体 

① 《魔獣の懐柔》を発動して、《メルフィー・パピィ》+《森の聖獣 カラントーサ》+《鉄獣戦線 キット》を特殊召喚します。
② 《メルフィー・パピィ》と《鉄獣戦線 キット》で《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》を左にリンク召喚します。
③ 《鉄獣戦線 キット》の効果で《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地に送り、《鉄獣戦線 ナーベル》効果で《鉄獣戦線 キット》を手札に加えます。
④ 《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の効果で《鉄獣戦線 キット》を特殊召喚します。
⑤ 《鉄獣戦線 キット》の効果で《空牙団の大義 フォルゴ》を特殊召喚します。
⑥ 手札のビーストを召喚して《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》とビーストで獣族リンクモンスターを右にリンク召喚します。
⑦ 墓地に送られた《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の効果で手札交換を行った後、《鉄獣戦線 キット》と《森の聖獣 カラントーサ》で左端に《わくわくメルフィーズ》をエクシーズ召喚します。

最終盤面

場 :《空牙団の大義 フォルゴ》
+《わくわくメルフィーズ》(《森の聖獣 カラントーサ》、《鉄獣戦線 キット》素材)
+ 獣リンク

墓地・除外 :
《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》(蘇生制限無し)
《鉄獣戦線 キット》
《鉄獣戦線 ナーベル》
《メルフィー・パピィ》

※これは《鉄獣の抗戦》を引いている前提の上振れ展開なので、《鉄獣の抗戦》を引いていない場合はリンクマーカーをズラす必要が無いので⑥の手順は必要ありません。

 最低限の消費で、《わくわくメルフィーズ》の妨害と《空牙団の大義 フォルゴ》によるリソース回復の準備ができます。
 《鉄獣の抗戦》を引けていれば、《メルフィー・パピィ》を墓地に戻せるので、《わくわくメルフィーズ》の蘇生対象が《森の聖獣 カラントーサ》+《メルフィー・パピィ》になり無駄がありません。


展開例: 《レスキューキャット》 + 《鉄獣戦線 ナーベル》 + ビースト1体

① 《レスキューキャット》を召喚し、効果で《ペロペロケルペロス》と《鉄獣戦線 キット》を特殊召喚します。
② 墓地に送られた《鉄獣戦線 キット》の効果で《鉄獣の抗戦》を墓地に送ります。
③ 《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の効果で《鉄獣戦線 ナーベル》を特殊召喚します。
④ 《鉄獣戦線 ナーベル》の効果でリンク3モンスターを特殊召喚します。
⑤ 《鉄獣戦線 ナーベル》と《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》で《王神鳥シムルグ》をリンク召喚し、墓地に送られた《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》と《鉄獣戦線 ナーベル》の効果で手札から《鉄獣戦線 ケラス》を特殊召喚できるように手札を整えます。
⑥ ビーストを捨てて《鉄獣戦線 ケラス》を特殊召喚します。
⑦ (任意)《鉄獣戦線 ケラス》の効果で《戦華盟将-双龍》をフィールドの端に出します。
⑧ 《鉄獣戦線 ケラス》とリンク3モンスターで《トロイメア・グリフォン》を《王神鳥シムルグ》の真下にリンク召喚します。《トロイメア・グリフォン》の効果で墓地の《鉄獣の抗戦》をセットします。
⑨ エンドフェイズに《王神鳥シムルグ》の効果で《霞の谷の巨神鳥》を特殊召喚します。

最終盤面

場 :
《王神鳥シムルグ》 
+ 《トロイメア・グリフォン》
+ 《霞の谷の巨神鳥》
+ 《戦華盟将-双龍》
+ 《鉄獣の抗戦》

墓地・除外 :
《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》(蘇生制限無し)
《鉄獣戦線 キット》
《鉄獣戦線 ナーベル》
《ペロペロケルペロス》

 こちらは《レスキューキャット》始動の展開です。これは《鉄獣戦線 ナーベル》が引けている場合の超上振れ展開ですが、《鉄獣戦線 ナーベル》以外の鉄獣戦線でも《トロイメア・グリフォン》で《鉄獣の抗戦》セットすることができます。消費が大きい展開ですが、その分リターンも大きいので《原始生命態ニビル》ケアができる状況なら狙ってみるのもありだと思います。


サンプルレシピ

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個別カード解説

モンスター編

《森の聖獣 カラントーサ》

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 《メルフィー・パピィ》や《わくわくメルフィーズ》、《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の効果によって特殊召喚されるとフィールド上のカードをノーコストで1枚破壊できる最強のうさぎカードの一つです。
 《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》による特殊召喚でも効果を発動できるので、妨害だけでなく、攻めのカードとしても使えます。よって素引きしたとしても使い道はあります。
 鉄獣戦線とは独立して動く除去札なので《王宮の鉄壁》や《アーティファクト-ロンギヌス》に引っかからず、鉄獣戦線が苦手な《王宮の鉄壁》を割りに行ける事も大きな強みです。
 一応、《わくわくメルフィーズ》によって任意のタイミングでフィールドのカードを何でも破壊できるので、魔術師の《TG ワンダー・マジシャン》よろしく、相手のターンに自分の《アーティファクト-デスサイズ》を破壊することもできます。《アーティファクト-ロンギヌス》が強い環境でかつ《トラップトリック》を採用できるこのデッキでは《アーティファクトの神智》と併せて採用してみるのも面白いと思います。
 《メルフィー・パピィ》はこのカードが切れてしまうとほぼタダのバニラになってしまうので、このカードを3枚入れたくなる衝動はあるのですが、そんなに《メルフィー・パピィ》の効果を起動するほど長期戦にならないパワーを持っているデッキなので、2枚の採用に抑えてあります。

《メルフィー・パピィ》

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 《森の聖獣 カラントーサ》のリクルーターです。うさぎの下僕です。
デッキに《森の聖獣 カラントーサ》がいなくなったら基本的にはバニラに近いカードになりますが、そうなったら《鉄獣戦線 ケラス》のコストになります。
 複数回効果を使うことはまずなく、引いてしまっても全く問題無いカードなので1枚の採用になりました。もしメルフィーを増やすのであればこのカードを2枚にするか、《メルフィー・ポニィ》を考えますが、正直過剰気味です。

《レスキューキャット》

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 《魔獣の懐柔》と似た役割のカードですが、
・獣族縛りが無いのでそのまま攻めの展開ができる。
・レベル3の《ペロペロケルペロス》を特殊召喚できる。
という点で優れています。
 このカードは《増殖するG》を打たれなかった場合は実質《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》になるので、召喚権を使ってしまうことも他の展開カードより苦ではありません。
 また、《増殖するG》を打たれてしまっても《森の聖獣 カラントーサ》+《メルフィー・パピィ》を出して《わくわくメルフィーズ》に繋げることで、相手がカード1枚増えてもこちらは2妨害まで用意できるのでカードアドバンテージ差が付きづらいのも強みです。
 他のカードには無い利点として、このカードを使って獣族を出し、その獣族でリンク召喚を行うと墓地に獣族が3体揃うのでこのカードだけで鉄獣戦線を呼んだ上でリンク4に到達できてしまう点です。つまり前述の《トロイメア・グリフォン》で《鉄獣の抗戦》を拾う展開ができてしまう訳です。
 また、《スキルドレイン》適用下でも展開できる数少ないモンスターでかつ、《ペロペロケルペロス》を出せるので、このカードだけで《スキルドレイン》を突破できるという点もいざという時に役立ちます。

《ペロペロケルペロス》

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 《レスキューキャット》で特殊召喚したり、《鉄獣戦線 ケラス》のコストになって墓地に送られます。どうしても《スキルドレイン》を突破したい時は《おろかな埋葬》や《鉄獣戦線 フラクトール》でデッキから引っ張り出したりすることもあります。
 使用後、《鉄獣の抗戦》でこのカードを除外から墓地に戻せるのもこのデッキの面白い所です。

《鉄獣戦線 キット》

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 このデッキの核とも言えるカードです。
《レスキューキャット》や《魔獣の懐柔》からも出せて、鉄獣戦線要素にアクセスできます。
 このカードで《鉄獣戦線 ナーベル》を落として、《鉄獣戦線 ナーベル》で新たな《鉄獣戦線 キット》をサーチ…と繰り返す事で、リソースと後続を同時に確保できるので積極的に狙いたいです。
 《鉄獣戦線 キット》+《鉄獣の抗戦》と引いていて他にビーストがいなくて展開できない場合は《鉄獣戦線 キット》を《転生炎獣アルミラージ》に変えて《鉄獣戦線 ナーベル》→《鉄獣戦線 フラクトール》→《ペロペロケルペロス》とすることで墓地にビースト4体を溜められます。

《鉄獣戦線 フラクトール》

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 鉄獣戦線で唯一1枚で動ける初動です。
基本的には状況に合わせて《鉄獣戦線 ナーベル》や《鉄獣戦線 キット》を墓地に送りますが、どうしても《スキルドレイン》を割りたい時は《ペロペロケルペロス》を墓地に送る事が稀にあります。
 またフィールドから墓地に送ることもできるので、このカードの使い方は非常に重要なファクターになります。1900打点はあるので相手によっては処理できず、次のターンの動きに繋がることもありますので、墓地のリソースと相談してあえてリンク素材にせずに場に残す、という判断もあります。

《鉄獣戦線 ケラス》

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 鉄獣戦線で唯一自力で特殊召喚が可能なモンスターです。
妨害を乗り越えて動く時に主に利用します。レベル2獣族でもあるので、《わくわくメルフィーズ》のエクシーズ素材にもなれます。通常召喚を《森の聖獣 カラントーサ》にして《わくわくメルフィーズ》を構えることもあります。
 他の鉄獣戦線と違って単体で展開できないので枚数は2に抑えています。

《鉄獣戦線 ナーベル》

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 重要なサーチ効果付きの鳥獣族の鉄獣戦線です。
《鉄獣戦線 キット》と合わせて3積み以外の選択は考えられません。《王神鳥シムルグ》で《霞の谷の巨神鳥》を出した次のターンに出してキルを狙いに行くという役割もあります。

《霞の谷の巨神鳥》

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 《王神鳥シムルグ》で特殊召喚する大型の鳥獣族です。《王神鳥シムルグ》の効果で対象を取られない状態で出てくるのでそこそこ信頼のできるモンスターになります。
 《王神鳥シムルグ》は一応手札からも出せますが、まず《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》でデッキに戻す事を考えます。最悪の場合は《鉄獣戦線 ケラス》の手札コストになります。
 また、状況によっては《魔獣の懐柔》で出てきた獣2体をリリースしてアドバンス召喚することもあります。その場合は《鉄獣戦線 キット》をリリースしてアドバンス召喚し、《鉄獣戦線 キット》《鉄獣戦線 ナーベル》からの《鉄獣戦線 ケラス》をサーチして《鉄獣戦線 ケラス》を特殊召喚、《鉄獣戦線 ケラス》効果で獣リンクを出した後に《わくわくメルフィーズ》をエクシーズ召喚することで獣リンク+《わくわくメルフィーズ》+《霞の谷の巨神鳥》という布陣もできなくはないです。

《屋敷わらし》

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 《墓穴の指名者》、《PSYフレームギア・γ》、《天底の使徒》、《召喚魔術》、《電脳堺悟-老々》、《黄金卿エルドリッチ》、《紅き血染めのエルドリクシル》、《雷龍融合》etc…といった環境で高確率で使われているカードを無効にできる手札誘発です。
 最近採用している人がちらほら増えてきた印象なので《抹殺の指名者》でも除外したいので2枚の採用となっています。というのもこのデッキでも《わくわくメルフィーズ》や《鉄獣の抗戦》がまさに相手の《屋敷わらし》の妨害対象になってしまうからです。

《灰流うらら》

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 特に説明することはない強力な手札誘発です。

《増殖するG》

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 こちらも特に説明することはない強力な手札誘発です。

魔法・罠編

《魔獣の懐柔》

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 十二獣でいう《十二獣の会局》並みのパワーカードです。
このカードの効果が通るだけで5枚ぐらいのカードアドバンテージを取れるので3枚必須になります。このデッキの組む意味となるカードです。
 このカードに《増殖するG》を打たれた場合は、《メルフィー・パピィ》、《森の聖獣 カラントーサ》、《鉄獣戦線 キット》を特殊召喚して《わくわくメルフィーズ》を出してターンエンドします。2枚ドローはされますが、相手はカード1枚しか増えていないのに対し、こちらの《わくわくメルフィーズ》の効果を発動した場合、2枚破壊と1枚サーチと2体特殊召喚で相当のアドバンテージを得ることができます。
 古めのカードなのでこの手のカードにしては名称ターン1の発動制限がなく、《灰流うらら》で無効になった場合は直後にもう一枚打てます。

《炎舞-「天キ」》

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 1枚初動の《鉄獣戦線 フラクトール》をサーチできるので3枚入れています。このデッキの唯一の永続魔法で勝手に退かないので、《戦華盟将-双龍》のコストにしたり、《小法師ヒダルマー》で《サイクロン》に変換したりします。

《鉄獣の邂逅》

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 《鉄獣戦線 キット》の効果で余裕がある時に墓地に送ります。《わくわくメルフィーズ》の関係で相手ターンにも《鉄獣戦線 キット》の効果が使いやすいので相手ターンに墓地に送ることも多いです。
 正直引きたくないカードではありますが、素引きした場合はした場合で、とりあえず《王神鳥シムルグ》を殴りに来た《ダイナレスラー・パンクラトプス》などを返り討ちにできたりするのでそんなに悪くなかったりしはします。

《おろかな埋葬》

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 基本的には《鉄獣戦線 フラクトール》の方が強いので、《鉄獣戦線 フラクトール》の下位互換です。両方とも引いたら《鉄獣戦線 フラクトール》から使って《灰流うらら》を打たれてしまったら代わりに発動するという使い方になります。とはいえ、初動には違いないので入れています。

《ハーピィの羽根帚》

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 特に説明することはないパワーカードです。【エルドリッチ】や【電脳】の様な罠を敷くデッキが横行しているのでメインです。

《抹殺の指名者》

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《墓穴の指名者》

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 このデッキは《灰流うらら》に弱いのでフル投入しています。先述の通り、《王神鳥シムルグ》まで《灰流うらら》の発動が待たれることが多いので、《王神鳥シムルグ》に依存した展開する場合は伏せずにエンドフェイズまで手札に持つ選択も重要です。

《鉄獣の抗戦》

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 妨害&リソース回復&打点増強が1枚でできる鉄獣戦線最強のパワーカードです。一度発動すれば、墓地や除外ゾーンにある以下のカード効果を好きなチェーンの組み方で発動できます。

・対象を取らずにフィールドのカードを1枚除外《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》
・1枚ドローして1枚デッキの一番下へ戻す《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》
・デッキから鉄獣戦線モンスターをサーチ《鉄獣戦線 ナーベル》
・デッキから鉄獣戦線カードを墓地送り《鉄獣戦線 キット》

 概ね無効にされにくい《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》をチェーンブロックの最後にすることが多いです。特殊召喚するのはビーストであればなんでも良いので、一度効果を使って除外した《ペロペロケルペロス》を墓地に戻すということもできます。
 上記の通り、除外からも特殊召喚できますが、除外されているカードの枚数を減らすと《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》が墓地に送られた時のサーチ対象も狭まってしまうので注意してください。1体でも入ればとりあえず《鉄獣戦線 ナーベル》をサーチできるので、除外を0体にするのは避けましょう。
 このカードを採用しているおかげで展開に《原始生命態ニビル》打たれてしまってもリカバリーが出来ることが多く、かなり助かる場面が多いです。
 しかし、展開に直接絡まず、上振れ色がそこそこあるカードなので2枚での採用となっています。とは言え、使わない手は無いので《トラップトリック》を合わせて採用することで、他の罠カードと状況に合わせて選択できるようにしています。

《バージェストマ・ディノミスクス》

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 《無限泡影》だった枠ですが、《真竜皇V.F.D.》や《黄金卿エルドリッチ》に対面で弱すぎたのでこの罠カードに変更しました。この罠カードの枠は《トラップトリック》でサーチできる汎用性の高い罠カードであれば環境合わせて変更して良いと思います。
 相手ターンの任意のタイミングで手札を捨てれるので、《鉄獣戦線 ナーベル》か《鉄獣戦線 キット》どちらか1体しか動ける札を引けず、事故っている時にセットするよりもこのカードで妨害に変換しつつ次のターンの展開に役立てる方が良い場合が多いので噛み合いが無いわけではありません。

《トラップトリック》

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 《鉄獣の抗戦》は打ちたいのですが3積みはしたくないのでこのカードを採用しています。
 結果的に1回しか《鉄獣の抗戦》を打てなくなりますが、そもそも1回でも《鉄獣の抗戦》が決まったらだいたいキルできるので十分です。また、《鉄獣の抗戦》がなくても《鉄獣戦線 キット》《鉄獣戦線 ナーベル》をうまく回せば後続も切れることも無いのでそこまで依存している訳でもないのがこのカードの採用の理由でもあります。

エクストラ編

《わくわくメルフィーズ》

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 つよい!かわいい!うさぎがいる!の三拍子揃った神のカードです。
相手ターンに《メルフィー・パピィ》や《森の聖獣 カラントーサ》を特殊召喚をすることで相手のカードをどんどん減らしていきます。
 一度嵌るとめちゃくちゃで、特に相手が罠型のデッキだと毎ターンエンドフェイズにノーコストで《砂塵の大嵐》を発動している状況になってしまうので相手は堪ったものではありません。
 出すモンスターの数は素材までの任意の数なので、《メルフィー・パピィ》、《森の聖獣 カラントーサ》、《鉄獣戦線 キット》を素材とした場合、《メルフィー・パピィ》と《森の聖獣 カラントーサ》だけを特殊召喚して《鉄獣戦線 キット》はそのまま墓地に送って《鉄獣戦線 キット》の効果を発動、ということもできます。
 また、②の効果はコストで素材を取り除かず、効果でデッキに戻るので、発動時にはまだ素材を持った状態であり、素材になっている《森の聖獣 カラントーサ》が《墓穴の指名者》で妨害されることが無い点も強みです。
 直接攻撃の効果もあり、ET・EDに強いのはもちろんのこと、今回は採用していませんが、《天霆號アーゼウス》がいれば《天霆號アーゼウス》に繋げることもできます。

《転生炎獣アルミラージ》

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 通常召喚した《鉄獣戦線 ナーベル》や《鉄獣戦線 キット》を墓地に送る為に入れています。お手々が可愛いです。

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お手々が可愛い図

《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》

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 展開効果と手札交換の効果を持った重要なカードです。このカードを正規召喚することは非常に重要で、このカードを正規召喚できているかで勝敗が変わることはあると思います。以下が正規召喚時のメリットです。

・《鉄獣の抗戦》で特殊召喚できるようになるのでメインモンスターゾーンにモンスターが既に2体いても《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》をリンク召喚できるようになる。
・《鉄獣の抗戦》で特殊召喚できる様になるので、《鉄獣戦線 ナーベル》と合わせて特殊召喚し、《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》チェーン《鉄獣戦線 ナーベル》とチェーンを組むことで任意の鉄獣戦線をサーチした後に手札交換を行えるので、手札の質が良くなる可能性が向上する。

 展開していると、「あ!メインモンスターゾーンを2つ使ってて《鉄獣の抗戦》打てない…」ということもあるので、特に前者は重要です。
 1枚でも回ることは回りますが、先述の《魔獣の懐柔》+ビースト1体+《鉄獣の抗戦》展開の時にリンクマーカーをズラしたい時や、相手の《教導の大神祇官》で墓地に送ったり、手札の《森の聖獣 カラントーサ》を特殊召喚して効果を起動しつつ《アクセスコード・トーカー》に繋げたい時など、2枚使いたいことが多いので2枚採用しています。

《戦華盟将-双龍》

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 鉄獣戦線で上振れ展開する時に《王神鳥シムルグ》と一緒に出したり、《増殖するG》を打たれてドローさせたくない時にこのカードを出して終わりにしたりします。コストは何でも良いので、《炎舞-「天キ」》や《鉄獣戦線 キット》を墓地に送って発動することが多いです。
 相手の任意のターンで《鉄獣戦線 キット》を墓地に送ることで《鉄獣戦線 ナーベル》経由で後続をサーチしたり、《鉄獣の邂逅》で耐性を得ることもできてかなり器用です。

《小法師ヒダルマー》

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 不要になった《炎舞-「天キ」》や《魔獣の懐柔》を《サイクロン》に変換します。
 ③の回収する効果もそこそこ強く、後続だったり、《バージェストマ・ディノミスクス》のコストを用意できたり、墓地に送られてしまったEXのモンスターをデッキに戻したりと必要になることは多いかもしれません。
 他にも《鉄獣戦線 銀弾のルガル》を使いたくはないけれど、リンクマーカーを下に2つ向けたいと言う時にも使う事があります。
 特に必須枠という訳ではなく、自由枠の一つです。

《剣闘獣ドラガシス》

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 《王神鳥シムルグ》を出すために入れている鳥獣族リンク2モンスターです。この枠に《ハーピィ・コンダクター》を入れている構築もありますが、このカードの攻撃中、相手はモンスター・魔法・罠が使えなくなるので、このカードがあると【閃刀姫】や【シャドール】に強く出れるシーンが確実に存在するので、このカードを選択しました。

《死翼のフレスヴェイス》

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 《鉄獣戦線 銀弾のルガル》に取って代わるリンク3ビーストモンスターです。《鉄獣戦線 銀弾のルガル》は基本的に《アクセスコード・トーカー》の素材になるのが主な使いみちですが、このカードは戦えるカードです。
 《烈風の結界像》を入れているタイプの鉄獣戦線だと、《烈風の結界像》で動けなかった相手を4800の打点でワンキルするカードになりますが、このデッキでは普通のリンク3として扱うことが多いです。とは言え誘発即時で相手の墓地のモンスターをどんどんデッキに戻せるので、墓地にリソースを溜めていくデッキには滅法強いです。

《鉄獣戦線 銀弾のルガル》

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 だいたいは《アクセスコード・トーカー》等のリンク4モンスターのリンク素材となりますが、このデッキは《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を出しやすいので、相手ターンの特殊召喚効果も使いやすい方ではあります。

《空牙団の大義 フォルゴ》

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 主に《魔獣の懐柔》展開で使用する獣族リンクモンスターです。相手のカードがとにかく破壊されれば何でもドローできます。なので《森の聖獣 カラントーサ》以外にも《ハーピィの羽根帚》や《サイクロン》でも1ドローできますし、相手が《十二獣の会局》等を使って自分のカードを破壊した場合でも発動できます。
 このカードを入れるにあたって空牙団を入れて3ドローすることも考えたのですが、空牙団は空牙団縛りがキツいため出張としての適性が低く、見送ることにしました。単純に1ドローだけでも十分強いです。

《王神鳥シムルグ》

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 毎ターンノーコストでアドバンテージを稼げる最強のリンクモンスターです。自分のターンのエンドフェイズに《霞の谷の巨神鳥》を出して、妨害をし、相手のエンドフェイズに《鉄獣戦線 ナーベル》か手札に戻した《霞の谷の巨神鳥》を出します。
 勘違いされがちですが、リンク状態でなくても出た瞬間からこのカードは相手の効果の対象になりません

《アクセスコード・トーカー》

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 このデッキの《アクセスコード・トーカー》は他のデッキとは比べ物にならないくらい出しやすく、非常に強力です。このデッキはリンクモンスターをめちゃくちゃ簡単に並べられるので、《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》や《トロイメア・グリフォン》を素材にして6300打点として出せることも頭の片隅に入れておきましょう。
 また、自身を除外することで《スキルドレイン》を割れるリンクモンスターであることも覚えておきましょう。役立つ時が偶にあります。

《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》

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 このデッキの主力モンスターです。《鉄獣の抗戦》で相手のターンに出した時や、《わくわくメルフィーズ》、《メルフィー・パピィ》、《鉄獣戦線 銀弾のルガル》によるビーストの特殊召喚に反応してフィールドのカードを対象を取らずに除外できます。対象を取らない代償として、効果処理時に相手のカードが1枚もなければ、自分フィールドのカードを除外しなくてはいけなくなるのでそこは注意しましょう。
 《鉄獣の抗戦》も含めて出す機会は多いので2枚の採用となっています。

《トロイメア・グリフォン》

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 《レスキューキャット》展開で墓地の《鉄獣の抗戦》を回収するモンスターです。このデッキでは出し方を意識すれば比較的簡単に相手にリンクマーカーを向けずに出せるので、相手の特殊召喚モンスターの効果の発動を封じることができます。
 何の耐性もないので、大型をポンと出してくるデッキは中々拘束できませんが、《水晶機巧-ハリファイバー》の様なカードを多用する展開タイプのデッキにはそこそこ刺さります。

サイド編は後日加筆します。

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