見出し画像

ビジネススクールで身につける 会計×戦略思考

多忙なビジネスパーソンの大切なリソースを割くべきは「会計のWHY?」の追求。数値を見て、「なぜそうした数値なのか?」を問い続けることが大切。
「そこから何が言えるのか?(SO WHAT?)」の問いかけは、目に見える事象から経営の意味合いを導き出すこと。
「HOW?」の問いかけによって、最後は具体的なアクションプランの構築と問題解決へと発展させる。あくまで最終的な目的は過去の分析ではなく、将来の意思決定、そしてアクションであることを忘れてはならない。

画像1

会計力
損益計算書(PL)が1年間の企業活動の「入」と「出」を並べたビデオテープなら、貸借対照表(BS)は年度末の24時の瞬間写真。

画像2

■仮説構築の際の14のポイント
・売上、利益は成長しているか?
・粗利は高いか?
・販管費は多いか?
・研究開発費は多いか?
・利益率は良好か?
・現金は多いか?
・売掛の回収は早いか?
・在庫の量は多いか?
・設備の規模は大きいか?
・株式や債券の保有は多いか?
・買掛の支払いは早いか?
・借金は多いか?
・資本金は多いか?
・利益余剰金は多いか?

戦略思考力
ビジネスを考えるスタート地点は、常に経営の外部・内部環境を的確に把握することでなければならない。本書では定性的な企業活動を読み取る力を戦略思考と呼んでいる。
戦略とは「勝ち続けるためのしくみ」。時代が変われば顧客の嗜好も変わり、顧客が変われば企業が勝つための条件も変わってくる。必然的に企業が勝つための仕組みを変えていかなければならない。勝ち続けるための仕組みを考える上では、業界の競争環境の把握が第一に重要。

■5フォース分析

画像3
画像引用元:https://www.sbbit.jp/article/cont1/29561

■バリューチェーン
バリューチェーンとは、企業が提供する製品やサービスの付加価値が事業活動のどの部分で生み出されているかを分析する手法。
自社のバリューチェーンを引いて、どこに競争優位性を築くのか、どこは思い切って重要度を下げるのかを考えながら、PLとBSへの影響を考察すること。

画像4
画像引用元:https://globis.jp/article/2126

■マーケティングミックスを考察する4つのP
・Product…商品、サービス、ブランド、品質、ラインナップ、保証など
・Price…価格設定、値引き交渉、分割払い、カード決済など
・Place…小売店、代理店、店舗立地、ECサイトの作りなど
・Promotion…広告宣伝、キャンペーン、DM、クーポンなど

↓ 顧客を主語に変える

・Customer Value …お客様にとっての価値(どんな価値があるのか?)
・Customer Cost …お客様が負担するコスト(負担はいくらか?)
・Convenience …購入・利用する際の利便性(どんな良いことがあるのか?)
・Communication …コミュニケーション(どうやって深く理解するのか?)

画像5
画像引用元:https://bizhint.jp/keyword/164359

■R-STP-MM-II
マーケティングを行う上での王道プロセスは、①調査→②セグメンテーション→③ターゲティング→④ポジショニング→⑤マーケティングミックス→⑥実施→⑦管理と流れていく。
※4Pは③に相当するもの

画像6
画像7
画像引用元:https://globis.jp/article/1593

大友的編集後記

フィリップ・コトラー教授は、マーケティングを「ニーズに応えて利益を上げること」「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること」と定義している。

“人気ビジネススクール教授が教える「会計×経営戦略」のハイブリッド学習法。会計は、経営戦略と同時に学ぶことで理解できる。”の触れ込み通り、日本の大手企業を事例に決算書の読み解き方が丁寧に解説されている。対話形式の設問?も考え方の参考になるので、会計初心者でも理解しやすいと思う。
私も結果とし決算書を見る機会はあれど、背景なり戦略なりがこうだからこの数値がこうなっている(だろう)と考えて読む機会がなかった(慣れてなかったが正しいかも)ので今後に活かしていきたい。

マーケティング技法、フレームワークに関しては、必要最低限のものを本書内で紹介されていたと思うが、会計に紐づく(戦略がどう数値に現れているか)王道プロセスになぞらえると足りる印象。

マーケティングの定義は人それぞれに捉え方はあるものの、上述の「利益」を上げることという捉え方は好み。昨今では体験や満足といった点もピックアップされがちだが、価値を提供した結果、利益につながらなければいけない。(意味はなくなんだけども)少なくとも上流で関わるコンサルやマーケターは念頭に置くべき考え方。

「いくら儲かるの?」と上司に言われる提案や稟議を上げるシーンは必ず通る道なので、現場社員にもPLぐらいは開示し、利益構造を理解してもらい、いくら儲けなければ話通らないなと理解できるようにしてあげる必要性は感じる。

話は変わるが、弊社サービスのインハウスを行うこと(内製化)の根底にはPL改善がメリットとしてある。本書内では外部委託にすることで製造業では高粗利な例、小売りでは人員の販管費を持つことでマージンを抜かれず、高粗利を実現している例が挙げられていた。
今のご時世、社外でないとできないことは、デジタルに関してはあまりないなと感じるし、専門人材も流動的なのでPDCAサイクルのスピードを上げることや事業理解が深いからできる価値提供といったこと、利益を見れることを考えると、大体のマーケティング施策は内製した方が良いと感じがち。


この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?