2人目どうする問題(タマホームのふたりめ会議を見て)

一人っ子の我が家だけれども、娘は4歳半を過ぎ、実母からの2人目産みなさいという圧がすごい。まじで。何となく2人産んだらノルマクリア達成という雰囲気が世間にはあるような気がするのだけど、世の中には「3人目は」と言われることもあるらしい。実際にそういう話をしている年配の女性に会ったこともあって、別にその方は悪意もなく、ただ発言しているだけだった。「この歳になると、孫は多いほうがいいの」とのこと。

ヤフー知恵袋や発言小町等でもこの手の話は頻出で、似たような思いを抱える相談者たちの悩みの書き込みに対し、様々な立場で回答する人々の内容を見るに、この問題、子供の数は結局「それぞれの家庭による」というシンプルなところに帰結する。

兄弟や姉妹はいいものだ、金銭的に一人っ子で良かった、大人になっても姉妹で仲が良く助け合っている、兄弟がニートで将来が心配、遊び相手がいないから可哀想、親の愛情を独り占めできた等々、その人々の人生の数だけ答えがあって、いつだってn=1。もしも同じ人の人生で、「兄弟がいた場合」「一人っ子の場合」がシミュレートできるのなら、本当の意味でどちらのほうがいいのかがわかるのかもしれない。もちろん、どのような弟や妹が生まれるのかという前提まで決まっていないとできないわけで、それは事実上無理だろう。

そう、それはわかっているにもかかわらず、私は数カ月に一度は自分の立ち位置や考え方への自信が揺らいで、そのたびに上記サイトに加え、住職が回答するお悩み相談やら、匿名掲示板などをめぐり、また様々な立場の人の思いを見て、ひたすら咀嚼するという時間が必要になる。今まで大半の人生は何となく多数派を選んできた自分にとって、少数派の選択肢を選ぶのは勇気がいることだから。

もう今から6年近く前にタマホームが作成した「ふたりめ会議」というCMをご存知の方はいるだろうか。今回もいつも同様に一人っ子や2人目という検索結果の羅列から、様々なサイトをめぐる中、今回初めてこのCMを見ることになった。

多分、このCMを見て「ああ、やはり産みたい!」と素直に思える人は2人目を産んで幸せになるんだろう。純粋にいいCMだとも思った。この少子化社会において、2人目を悩む人に「お金では買えない価値」という情緒的なアプローチによって、後押しをしているという意味で社会的に意義がある感じ。

でも、それでもなお、2人目を「よーし!産もう」という気持ちにはなれなかった。何となく母性というものが人より欠如しているのかもしれないし、私自身がとても利己的な人間なので、自分の抱える不安は覆されなかったからだ。そして、それに対して少しホッとしてしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?