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意外と覚えている絵本の話

最近、図書館の絵本コーナーで懐かしい本を見つけました。
ずいぶん古い絵本ですが、まだ棚で借りられているのを見て、ちょっと嬉しくなりました。

私は子供の頃に気に入っていた絵本を、いくつか鮮明に覚えています。
両親は、色々な工夫をして本を与えてくれました。親戚からお下がりをもらったり図書館を利用したり、定期購読絵本を購入して、たくさんの本に触れさせようとしてくれていたようです。
両親たちは本をあまり読まないようですが、国語を重視する教育方針だったようです。それは折に触れて常に言われていました。
父曰く「問題文が読めなければどの教科も問題を解けないし、国語は生きている限り常に必要になる。ぶっちゃけ、理数系は大人になれば調べてどうとでもなる。国語力のなさはどうにもならない」という、ごりごりの理系で文章力に苦しんだ彼の教訓らしいです。

おかげで、私もきょうだいも本好きに育ちました。
大人になった今、それがどれだけ貴重なことだったかを実感します。両親には感謝しかない。

その上、懐かしい本が目に入ってきた時のノスタルジックな気持ちはとても温かみのある経験でした。

本日は、私のノスタルジー絵本をいくつかご紹介します。


【どうぶつえんガイド】あべ弘士

きょうだいでどハマりした絵本です。
動物園の飼育員さんによる、動物の生態がコミカルに描かれています。
何度読んでも大爆笑していた記憶があります。
母は毎晩何度も読まされて大変だった模様。
大人になって、本屋で見つけて大興奮してそのまま購入し、家族で大盛り上がりするくらいには思い出深い作品。

【まほうのえのぐ】林明子

見つけるまで忘れていたのですが、表紙を見た瞬間の不思議な懐かしさは忘れられません。
覚えてないのに、確かに「子供の私はこれを知ってる」という感覚。
葉っぱをパレットやキャンバスにして森の動物たちが絵を描くシーンがあるのですが、あれを再現したくて計画を立てていたことを思い出しました。
実際は絵の具も葉っぱも筆も手に入らないくらい幼少の頃だったので、あのパレットと絵は再現できずに終わりました。そんな当時の憧れのようなものも思い出し、あたたかい気分になりました。

【からすがまちにすんでいる】唐沢孝一/文、竹井秀男/絵

なぜか理科系の絵本が好きでした。今回記事をまとめている途中で思い出した絵本。
カラスは身近な鳥ではありますが、どこでどうやって暮らしているか想像もつかなかったのでとても興味深く、1人でじっと読んでいたような気がします。
ねぐらへ帰る様子がちょっと切ないというか、何故か心に残っています。
もう一度読みたくて探しています。


ということで、今回は幼少期に読んだ絵本の一部をご紹介しました。
案外、覚えているものですね。

でも、個人的には小さい頃に読む絵本って別に覚えてなくてもいいと思います。
「絵が面白かった」とか「お母さん、お父さんの読み方が面白かった」とか、そんな感じの記憶でいいのではないかな。
内容よりも、「本を読むと楽しい」という経験が、その後に「文字や本を読むことが苦にならない土台」になるような気がします。
少なくとも、私はこの頃に読んだ沢山の絵本を全部覚えてはいませんが「本を開くと楽しいことが起きる」ということは記憶していました。
文字や絵を通して楽しむことを覚えられたら、それで充分なのかな、なんて思いました。

そして、大人になってふとした瞬間に、思い出として少しでも残っていたら素敵ですね。

それでは、今日はこのへんで。
いちこ

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