打ち合わせで笑われたので。

部屋のすみに溜まりにたまった埃を見つけ「これはヤバい」と掃除を始めました。雑巾がけついでにベッドの下にあるショーケースをのぞくと、出てくる出てくる大量のタイツ。軽く10本はある。今冬すでにはいてるやつと合わせると数がえらいことになる。いくつかは毛玉つき。あちゃー・・。ちょっと恥ずかしいけれど、小ネタとして明日仲のいい人に話そう。

…とまぁ、これくらいのネタなら内輪には何気なく話せます。笑われてもいいし、むしろ笑ってほしいです。

しかしこれを仕事に置き換えたらどうでしょう。そう、あまり話したくない恥ずかしい話です。できますでしょうか。少人数といえど先輩や上司がいる前で、行き詰まってる進捗の話や「そんなこともわからないの?」と言われそうな発言をするんです。想像するだけでも心臓が縮みますね。
え?タイツが10本あまってる話はするのか?そんな話は致しません。

・・流れをもどし、単刀直入に言います。失敗を恥ずかしいと思っているのは自分だけです。ばかだと思われる、と気にするのも自分だけなんです。影でたたかれるとしても最初の失敗ではありません。同じミスをくりかえしているのに学ぼうとしない人は言われてしまうかな。

私が新人のとき、苦しい時期がありました。とにかくできる自分を演出したかったんです。役に立ちたいし、ばかだなんて思われたくない。
でも、できないことだらけだったんです。わからないことはわからない。それでも自分でどうにかしようとします。余計にあせって時間だけが過ぎ、怒られる。怒られるとますます縮こまって質問するにもためらいが出てくる。

あるとき転機がおとずれました。7人くらいの打ち合わせで笑われたんです。社内でなら公衆の面前ととれる人数でしょう。まあ打ち合わせの内容が「新人の工数管理をどうするか」という議題に対し「工数を計算する時間も工数に数えたい」という今思えばだいぶキレてる発言でしたが。

笑われたことで、自分の肩の荷が下りたのをよく覚えています。私があんまり頭がよくないことがばれてると思いました。なぁんだそっか。ならいっか。恥ずかしくても言って教えてもらったほうが仕事は進む。その方がいいし切り替えよ、と自分を出すようにしていきました。後輩に耳打ちするならこんな感じです。

先輩や上司にあなたの力量はばれている。賢くみせるより、仕事を吸収することにはりきるといいよー

人前で笑われる、なんてほんと嫌なことだ思います。でも笑いの種類にもいろいろあって、新人時代に素でやらかしたことなんて愛嬌にとって変わることが多いですよ。後輩ができるとわかります。

かくして工数を数える工数もほしい発言をした私は、早々に賢くいることをあきらめました。考えてみると数年数十年働いている人たちに感心される仕事なんて、いきなりできるわけないのでした。

現在は仕事の評価はわかりませんが働きやすくなりました。コミュニケーションがだいぶスムーズです。隠すことはとくになく、自分の得意なこと・苦手なことの両方を見せているのがいいのかもしれません。少し手厳しい上司ともずいぶん話せるようになりました。タイツが10本余ってる話も会話のつながりさえあれば話せる仲・・か?

先輩になってみていちばん困るのは、新人の子の手がとまっているのにアクションがないときです。今はひとりで考える時間なのか教えた方がいいのかわからないんですよね。表に出してくれると助かりますよ。

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