竜巻注意報
9月4日
この日はウチ農園でも大被害にあってる日
今日も大気の状態が不安定で落雷大雨だった
2013年の今日
午後に、三重県内に竜巻注意報が発表された
ちょうどお昼を食べに家に戻った頃だった
テレビの字幕ででた
ちょうど今日のような天気だった
県内全域に注意報発令
県内も広いしなぁ、竜巻がおきるかどうかもわからないし
まして広い三重県内でどの地域が注意しないといけないのか
まさか伊勢ではないでしょ、なんて思っていた
雨も降ってきたし、しばらく自宅で待機しよう
なんて思ってたら電話が鳴った
「おい！おまえ、どこにおる！！？？
ハウス大変な事になっとるぞ！！」
現場に行くと、目にした事の無いハウスの光景が
竜巻と思われる風が市内に発生し
川を挟んだ北側から、うちのハウスの真ん中
まで、瓦が飛び、木枝はちぎれ落ち、ハウスの鉄骨の一部とビニールがやられた
竜巻が通ったと思われる、南北約２ｋｍのは大変な被害があるものの
そのまわりや、うちのハウスの南側、
その南にあるプレハブ、収穫前の稲穂はまったく被害なし
北側から竜巻はハウスを直撃、そしてハウス半分を巻き込み消滅したとみられる
事実、ハウス南側は無傷
またハウスは東棟と西棟と二つあるが
西棟の北側半分というところだけ被害にあっていた
ショックというよりただ茫然
被害に何も考えられなかった
広い広い県内で
ドンピタでハウスに竜巻直撃
しかもハウスの真ん中で消滅
次第に竜巻注意報は解除され
後かた付けをしながら
警察、消防、現地調査、野次馬、メディア、色んな方がきた
なんか僕が悪い事した気持ちになった
そもそも自分がいちごしていなかったらハウスもなく被害もない
という事がよぎった
５０年に１度の状態だと
前代未聞だとか
こんな事見た事も聞いたことがない
と聞くが、現実はここにある
いちごを初めて３年目の自分
もう何が何だかわからない
この時はショックというよりパニック
でも、こんな経験をするよりした後の方が大変
またおきるのでは、、
三重県内で天候があれます
と予想されると、大丈夫かな、ハウスは大丈夫か
いちごは、、、
この頃から自然に対するの精神状態は最悪
ウツ、パニック、ハウスがつぶれる夢でうなされ夜中目が覚める
雨風が強いと眠れない
睡眠導入剤がはなせない
精神的にピリピリ、、、
天気があれると自分もあれる
その後、台風などで知り合いも含め被害にやられたり
被害や台風が発生したりテレビで放送されるごとに
不安で不安で心配になる
心配して何ともなければいいのだが、
やはり自然の猛威に人は勝てない
そもそも、自然のリスクが高い農業をやっていることに疑問を感じ
やめてしまえば楽になるし、ここまで命かけなくても、、、
2010年代に入り
異常気象が当たり前になってきて
今までの農家さんたちも、ずいぶん天候がおかしいと言うようになり
実績はその通りで、自分の住む伊勢も、僕が農業をしてから
2010年代は過去最高すなわち観測史上最高を記録が何度もあり
何度も塗り替えた、全国的にそうなんだろうが
暑さだけでなく、最低気温だって30年40年記録した数値が
最近になって更新され
いちごがハウスの中で凍りついた事もあった
風、瞬間最大風速、日降水量、日照時間
いろんな記録が過去最高となった
降水量や日照に関しては
晴れ過ぎに雨多すぎだったり、日が出ないとかまで
そして去年の2018年の今日
何十年ぶりかの非常に強い勢力で上陸した
台風21号も9月4日
関西空港への連絡橋が被害にあった日
もう生きた心地はしなかった
伊勢も観測史上を一気に超える風が吹いた
その前日、前々日から台風の養生対策に追われていたが
この台風が勢力を落とさず上陸が確定なそうで
なかばもうあきらめていた
もうここまで命かけて、いちごやハウス守れない
台風前、もちろんやる事はやったが
もう、あきらめてたような気もする、
必死過ぎてよく覚えていない
物を紐とかで固定するのが基本な台風も
この時は勢力が強すぎて、紐で固定すると土台事やられるから、
紐で固定してはいけない、物だけ非難させろ、、、
まわりからのアドバイスも
こんな異常事態
とにかく、あの手この手、最善をやったのだろうが
もうヤバすぎて、記憶があまり定かでない
ただただ、絶望しかなかった
台風接近で関西空港は被害にあい
各地で被害
関西圏の農家さんも軒並み大被害にあい、、、
かろうじて、毎年毎年台風に悩まされてる伊勢は
過去の経験が通用しないとはいえ、普段やられているので
大きな被害もあったが、なんとか乗り越える事ができた
自分も被害をだしながら、過去に大雪でハウス全壊した経験もあったが
なんとか、のりこえた
まぁ、その3週間後に同じ規模の台風がまた襲うのだが、、、
それが、かなりの精神的ショックになる
なんでこんなにつらい目にあわないといけないのか
採算の事も考えても絶対に利益にあわない、
今後は45℃とかを記録するほど温暖化は進み
まして今回の規模の台風が普通になり、さらに強力な台風がおこる
お先真っ暗、もう農業辞める
関西各地で全壊、全滅のニュースがあり
助かっている自分が申し訳ないのだが、
そんな事を思うほど精神は擦切っていた
ただ逃げ出したいだけ
メンタル弱すぎ
こんな農園主だいじょうぶか
2013年の9月5日、中日新聞さんや伊勢新聞さんには
僕の写真入りで被害が新聞に載り
2013年9月6日、一夜あけてで伊勢新聞さんには一面に掲載
そんな記事を見て、励ましてくれる方々には勇気づけられた
しかし、電話だけでも30件近い着信が1日でなった最後の方は
大丈夫です、そんなに心配くださらなくても
と思ってる自己中自分がまたヤバい、、
そのクセ誰も心配されないと、自分って誰からも関心ないんや
そんな事を思ってしまってる僕が自分でも最悪だ（なんとかならんかねぇ）
だから、はよ気がつけと、試練が何度もくるのかも、、、
今年の9月に入ってこのところ台風も一気に発生傾向
10月も被害大きいし
考えれば考えるほど
経験したががゆえに
不安でウツウツは自分で勝手にやってりゃいいんだけど
不安が怒りとなって相手に噛みつくのは自分でも駄目だなぁと思う
むいているかむいていないかで言うと
おそらく、むいていない
でもこれしかやることない、
もっとみんな大変な思いしてる