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ダレノガレ明美とあと5センチの恋

「ダレノガレ明美」

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皆んな知っているだろう超絶美女のハーフタレントさんだ。勿論、ダレノガレ明美本人には会ったことはない。

でもダレノガレ明美にそっくりの美女と会った冴えない男のお話があるのでここに書いていこうと思う。

3〜4年前くらい前になるが僕はカナダへ留学に行っていた。

留学といってもワーキングホリデーっていう制度でカナダに行ってて簡単に言うとカナダでバイトも出来るビザを発行してもらい大学を一年休学してカナダに滞在していた。

半年程過ぎ、まぁまぁ言葉を話せるようになってから何でか分からないけど本当に運良くとても良いバイト先を見つけ楽しく過ごせていた。

そのバイト先も中々クレイジーなカナディアンが勢揃いしてたんだけどそこに関してはまた書こうと思う。

ある金曜日の夜、締め作業をしていたらキッチンのジュール君から急に誘いを受けた。

『ヘイ!今夜ホームパーティに行くんだけどお前も来るかい?』

まじで急だった。なんでこんな金曜日のクソ忙しい夜の締め作業の時になんてヤンチャな誘いしてくるんだこいつ?って思った。

ジュール君は歳も近く、仕事中に酒を飲みまくる等ヤンチャボーイって言葉が良く似合う青年だった。日本人で現地に友達があんまり居ない俺の事を考え誘ってくれたのだろう。

急な誘いを受けた僕は非常に迷った。明日は昼の12時から通しで仕事がある。既に日を跨ぎそうになっているし疲れの事を考えると少し行きたくないなって思った。

『お酒も沢山あるから来いよ!少しでも良いからさ!』

悩んでる僕を見て追い討ちを掛けてくるヤンチャボーイ。

よくよく考えて見るとカナダのホームパーティーって何やるんだろ、、?音楽ガンガンに垂れ流しながらビアポンとかそーゆーやつやっちゃう映画でしか見たことないやつなのかな、、??

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↑映画でしか観たことないやつ。

普通に気になってしまった。「こんなんもしかしたら一生体験出来ないかも知れない!!!」

僕は行くと返事をした。

しかし、問題があった。締め作業が絶望的にまだまだ終わっていないのだ。カナダ人は自分の仕事以外全く手伝わない主義なのであと30分はかかる。そこでジュール君は住所を送ってくれてここに終わったら来る様に言い、店を出て行った。

無事、30分後、締め作業が終わり速攻でチャリに跨りパーティー会場へ向かって行った。

到着した場所はまじで普通の一軒家だった。だが扉の向こうからパーティーミュージックがかすかに聴こえる。扉の前に立つとすげぇドキドキした。

バイト終わりで終わってる匂いと終わってる服装(GUの MA-1にボロボロのスキニー)をみに纏ったジャパニーズが今から欧米のクレイジーなパーティーに参加するのだ。

メッセージを送ってもジュール君は返信をくれないので勢いでチャイムを押す。

『ガチャリ、』

扉が開くとまじで知らん人が居た。まじで知らん人はなんだこのジャパニーズって顔でほうけてたし僕もまじで知らん白人イケメンの登場にあわあわしてた。

とりあえずなんか話そうと思ってたらワンテンポ遅れてジュール君がやって来てくれた。そして無事、パーティー会場に侵入は成功した。

「!!?」


僕は目の前にある光景に本当にびっくりした。

まじの映画のホームパーティーだった。

ベランダでなんやら話してる男女。キッチンには大量の酒。そしてリビングではレコードを流していて8人くらい人が居た。みんな酒を片手に各々の楽しんでいて文化の違いってすげーなとか考えてたと思う。

あとどーでもいいけどリビングにでっかいパルプフィクションの映画のポスターが飾ってあってお洒落すぎて日本で真似しようってこの日決意した。

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↑クソお洒落だなって思った

僕はとりあえず酒を貰い、そして良くある皆んなに紹介とかされんのかな〜なんて思ってたらまじで何もなかった。非常にまずい。僕は来て5分で居場所を無くしていた。つーか元々無かった。とりあえずリビングに居て空いてたソファに座りながら「ふぅ、、疲れたぜ、、」みたいな顔して酒飲むくらいしか出来なかった。

ぶっちゃけそこまでペラペラ話せるわけでも無いしこんなうるせー中皆が何話してるかなんて聴き取れもしないのでここはもう穏やかに座って時が流れるのを待つのが得策だと思った。

寡黙なインキャスタイルで3分が経過した頃、事件は起こった。

『Hi!』

女の子が隣に座って話しかけてくれたのだ。そして物凄く美人だった。外国の人なんて誰でも綺麗なんでしょ〜??とか皆んな思いがちかも知れないけど本当の美女ってものはやはりいるもので桁違いの美女が隣に現れたのである。そう、そいつがダレノガレ明美似の美女だった。

ダレノガレは僕が日本人って分かった様で日本のアニメの話とか色々聴いてきてくれた。セーラームーンの話で僕はジュピターが一番好きですみたいなクソ会話をつたない英語でなんとか伝え相手も楽しそうに聴いてくれた。

ここら辺からあれ?なんかあれ?ってなる。

なんか距離が近い。

音楽ガンガンで僕の言葉が聞き取りづらいとかあるかもだけど周りに人が居るとか関係無しに明らかに近くて顔と顔見合わせて5センチ間隔くらいしか空いてない。一歩進めばキスができてしまう間隔なのである。

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MajiでKoiする5秒前(でこはついてないけどまじでこんくらい近かった)

ダレノガレ超可愛いし僕は「日本人ってモテるってマジなのか、、!?」みたいなキモい考えをしつつ、セーラーマーズは一番人気がないとか頑張って話を盛り上げていた。

セーラーマーキュリーの話をしてる途中に、急に電気がつき案外早くパーティーはお開きになってしまった。

結局僕は来てからまじで30分くらいしか居なかった。

最後に皆んなにお礼を言って家を出た時ダレノガレにも挨拶をした。その時第2の事件が起こった。明らかに他とは違う感覚を得たのだ。

挨拶してハグするのは一般的なんだけどハグの時の手がなんかムニュッて僕のお尻あたりを触って来たのだ。説明するのが難しいけど通常とは違うものを感じたのである。

これには驚いた。しかもなんかぴえんの顔文字🥺みたいなちょっとうるうるした瞳でこちらを見てるしなんかもう好きになりそうだった。

しかし、ウブな少年だった21歳の僕は周りの目とかを気にして結局何も出来ずにジュール君と帰ることとなった。

帰り道の途中までダレノガレも居たけどバイバイして終わった。

次の日のバイトでジュール君に

『あそこで行かないのはジャパニーズって感じがしたぜ!HAHA!』

みたいなん言われてあーやっぱりカナディアンから見てもイケるだろ!って思ったんだなぁとか考えて心底後悔したのを覚えてる。

僕はそれ以降帰国まで、そして帰国してからも彼女を越す美女と出会った事は無いし5センチ間隔で話すなんてシチュエーションにも出会える事はもう無いだろう。

後々から後悔しても遅いからやれる時に色々やっとけってのはダレノガレ事変がルーツで学んでるのかも知れない。

以上が僕とダレノガレ明美のあと5センチの恋の物語である。

〜fin〜


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