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文字に託す

午前から昼過ぎまでは冬とは思えぬほど、濃い空の青が美しい、気持ちのいい日だったのに。

退勤時間が迫るころ、文字通り天気が急変した。

すさまじいほどの音にぎょっとして窓を見やると、木々の太い枝をしならせるほどの風と、耳を弄するほどの雨音が外を支配していた。

いやいやこれから徒歩で帰宅するとこなんですけどどうしてくれるの?

案の定、家に辿りつくころには、靴の中は雨をたっぷり吸い込み、歩くたびに靴底がぬかるんで感じられるほどで、よくみればズボンの裾もぐしょ濡れだ。

雨は嫌いではないけれど、こういうはげしいのは願い下げ。

個人的には、霧を思わせる、景色を淡く、やさしく包むような雨がお気に入りだ。

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日常の中にまぎれている、ふと目に留まった色彩や景色を文字に託して描写するのが、最近とても楽しい。

一刻と変化する空のグラデーションや雲の動き、月や星の輝き。

鞄を手にした仕事帰りのひとたちや、通りに面した菓子店の明るい店内。

ちいさなホームに滑り込んでくる電車と、そこから吐き出される中高校生たち。

そうした、いつもどおりの日常を、カメラで撮るみたいに眺めて、つらつらと胸のうちでしたためて。

こうして意識するようになったのも、たぶん、いや絶対noteのおかげだ。

今日も私は、だれかの文字が綴る景色を共有させてもらって、そっと“スキ”の気持ちをおくる。



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