【名探偵141ちゃん②】

しばらくするとドアをノックする音が聞こえ、これまた銀髪の身嗜みのきちんとした執事がお茶を運んできた。
歳の頃は、屋敷の主人である正垣と同じ60代後半といった辺りだろうか。

『どうぞ....』
そう言って、執事はテーブルにお茶菓子と紅茶を二つ手際良く並べた。
早速、それを手にして141は
『ところで警部、京都は初めてですか?』

道端はタバコに火をつけ、煙を燻らせながら
『あぁ、長いこと関西にいるけどゆっくり観光した事はないかなぁ』

『そう言えば....関西長いのに、全然標準語抜けないですね?』

『そうかな?気にした事ないけどね…141ちゃんも関西弁ぽくないけどね』
と、道端は何気なしに扉の方に目をやると…
扉が少しだけ開き、そこから…こちらを覗き込み、会話を盗み聞きする怪しい人影に気付く…

『なぁ…141ちゃん、気が付いたか?』

141は、豪華なお屋敷の調度品の数々に夢中で、外の様子には気がつかなかったようで、首を横に振った。

長年の警察の勘なのか…事件の匂いを嗅ぎつけ
『あの殺気は尋常じゃない....ちょっと見てくる』

そう言って立ち上がり、道端は応接室を後にした。
残された141は、紅茶を飲みながら、まだ部屋に残っていた執事に話かけた。

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