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『詩』232○ 前兆

「前兆」


目も眩む夏の日差しが
空の上で待っている
その前に
この世の悲しみを食べて
水に流す時間を下さい
深い外傷が癒えて
強さを上乗せする皮膚
目も向けられない大敗が
やがて勝利の炎になる身体
散々と散々と
口癖が降雨のリズムに溶け
やがて演奏を終える
見上げれば
空が暑苦しいほど
笑っていた


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黄赤青(きせきせい)

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