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2竹林(孟宗竹)全伐採の経緯

竹伐採後の竹の生え方

実際に行った伐採の結果からは以下のように孟宗竹の成長分類が出来ると思います。
A、すでに生えている太い青竹
すでに生えている太い青竹は伐採すればその切り口、節から竹が生えてくることはありません
B、すでに生えている細い青竹
一方、手首太さφ80mm程度以下の細い竹を伐採した後では切り口から竹が生えてくることはありませんが、残った節にあった芽から次々に竹葉が生えてきます
C、残存地下茎から新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)
またすでに生えている太い青竹の伐採後に残存する地下茎から新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)も次々に生えてきます
しかし新竹(細竹、竹葉)が伸びてくるのは春先(タケノコの季節)から夏までです。涼しくなると新竹は生えてきません。
この状態を念頭において考えると、ここで言う全伐採というのは以下のようになります。
最初の全伐採は竹が葉を伸ばさない時期、秋頃から開始するのが良いようです。
A、すでに生えている太い青竹の全伐採は1回で終了します。
B、すでに生えている細い青竹の全伐採と
C、残存地下茎から新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)の全伐採というのは、すでに生えている太い青竹の全伐採後に春先から次々と生えてくる新竹(細竹、竹葉)が出なくなる夏までの期間に伐採する事を全伐採と呼んでいます。この伐採を新竹が出なくなるまで毎年繰り返すことになります。
なお書物の中にはすでに生えている太い青竹を地上から1m以上高い位置で竹を切る「竹の1m切り」を行うとこの新竹が出てこない趣旨の記述がありますが、今回はしっかり新竹が出てきました。
今回の伐採経緯は先の「竹の1m切り」の結果とは違うものでした。次回同様な竹の伐採を行う方、自治体担当者の方、また研究者等の方は、この違いがなぜ起こったのか、竹の品種の違いなのか、竹を切る高さなのか、竹の太さによる違いなのか、節にある芽の有無なのか、芽の有無が太さと関係あるのか、等々を検証していだき、これから竹伐採を行う方の労力を少しでも軽減させる方法、時期を提示いだたければと思います。また私は探しきれなかったのですが、すでにそのような資料等ご存じの方は是非ご教授お願いしたいと思います。
なおここで記している青竹や新竹(細竹、竹葉)は正式な名称ではありませんが、その代表的な写真は後で載せておきます。

竹林全伐採結果:5年目

一人で出来る限界かなと思える山面3,000㎡(54.8m角)の孟宗竹、竹林を全伐採した結果です。竹林全伐採の詳細な経緯や条件は別途記す事とします。なお地下茎は残存しております。
竹の全伐採は大きく2つに分けて考えます。まずすでに生えている竹の伐採とその後に生えてくる新竹の伐採です。

すでに生えている青竹の全伐採は秋以降から開始します。夏場の暑い時期は熱中症の危険や体力消耗が激しく、ハチやアブなど虫の害も心配ですので避けました。
1年目:すでに生えている青竹1回の全伐採3ヶ月(2016.11.20~2017.3.19、91.5時間、1ヶ月作業中止あり)。作業終了。
その後に細い青竹の残存節から出る竹葉と新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)の随時伐採がそれに続くこと6ヶ月(2017.4.2~2017.9.24、77.5時間)。
2年目:細い青竹の残存節から出る竹葉と新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)の伐採が3ヶ月(2018.4.8~2018.6.24、39.5時間)。
3年目:新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)の伐採が2ヶ月(2019.4.14~2019.5.26、14時間)。竹林外周部に新竹が生えてくるのみ。
4年目:新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)の伐採が1日(2020.4.5、2時間)。
5年目:新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)の伐採が1日(2021.4.25、2時間)。
この他に11~12月に1回3時間程度の全体見回りがあります。後で掲載してある図、表と細かい数値が合わないのはこのためですが、誤差の範囲です。また上記作業時間には竹以外の雑木伐採など竹の伐採と関係ない作業は割愛してあります。

このように春先のタケノコの季節から初夏にかけては重点的に新たに生えてきた新竹伐採が必要ですが、それ以降の寒い時期には作業はありません。タケノコの生える時期を重点的に新たに生えてくる新竹を全伐採し竹林再生の可能性が低くなったと想えるのに3年。その後は見回り程度ですが、5年経過後でも竹林周辺部で新竹がわずかに生えてきました。
だいたいの目安として5年間、全伐採を繰り返せば竹林の再生は防げると思います。念のため1年に一度見回りをするのが良いでしょう。
竹林伐採後、山林は雑木、雑草が生えるため竹の再生を阻害し、さらに人手により竹の全伐採を継続する事で竹林を消滅させる事が出来ます。

ちなみにタケノコ(食用になる太いもの)は、すでにある青竹を全伐採した(2017.3.19)次の5月には生えてきましたが、翌年以降は生えてきませんでした。また長期に渡りこの新竹が生えてくるのは地下茎を残しているからです。今回は傾斜地のため地下茎を掘り起こすことが困難であることや地下茎を掘り起こしたために発生するかもしれない土砂崩れ防止(他の草木や竹の地下茎のおかげで土が固定されています)のため地下茎は残しました。この5年の間の大雨でも山は崩れてきていません。

以下の作業は行っていませんが、もし出来れば、せめて周辺部への拡張を防ぐために境界部の地下茎を切断し溝を掘ることが出来ればより効果的ですが畑など掘削しやすい場所でないと無理ですね。人力だけを考えれば山地ではほぼ不可能でしょう。重機が使えるかどうかでも対策は変わります。重機が使えれば地下茎を掘り起こすことも可能でしょうが、重機がどこでも入って行ける訳ではありませんから、地下茎を掘り起こすメリットとデメリットをその土地の条件で判断する必要があると思います。

竹林全伐採方法(概略)

初回のすでに生えている青竹(A-B)は太さにかかわらず全て1m切り(地上1m以上で伐採)。
その後伐採後の手首太さφ80mm程度以下の細い青竹(B)から生えてくる竹葉と新たに生えてくる新竹(細竹、竹葉)(C) は出来るだけ地面に近い高さで伐採
地下茎はそのまま残っています。

実際には前記方法で伐採しましたが結果から考えるとすでに生えている竹の伐採1回目から竹を2種類に分け、すでに生えている太い青竹(A)は1m切り(新竹発生頻度減少程度不明。伐採竹の斜面落下防止用。)。手首太さφ80mm程度以下のすでに生えている細い青竹(B)は出来るだけ地面に近い高さ、無理なら節下(節を残さない。残った節から新竹、竹葉が繁茂するため)で伐採してやると、その後に細い青竹(B)から生えてくる竹葉の伐採に労力を割かれる事がなかったと思います。

伐採竹の傾斜地落下防止のため、伐採竹を横倒し放置します。伐採竹の切り株は数年で腐り、切株も簡単に抜けてしまいます。早いものは翌年抜けてしまいますので上に乗るのは危険となります。また伐採竹も数か月で朽ちてくるので上に乗るのには注意が必要です。
すでに生えていた青竹伐採後、新たに新竹(細竹、竹葉)がすぐに大量に生えてくるので光合成をさせないように出来るだけ低い地面近くで伐採(地上に節が残ると節から葉が出てくる)します。この新竹全伐採を繰り返すことで地下茎への養分補給を断ち、竹林再生を防ぐことになります。今回のように地下茎を残した竹林全伐採の方法では、この新竹伐採作業が長い期間(作業時間ではなく)必要になります。しかしこれが出来れば竹林の再生は防げます。

伐採後結果(孟宗竹:整理データ)

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注意)2021年は11月20日を起点しているため春で作業終了。次回は2021年11月20日以降、6年目の作業となるため5年目終了としてあります。

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次回から作業の詳細データを記しておきます。本当に必要な方のみお読みください。





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