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今でも夢の中に出てくる初恋の先生

最近クスリを飲んでいるせいかはっきりとした夢を見る。昼寝しているときによく見るのは悪夢。財布が見つからない夢。家に帰るのに靴が見当たらない夢。昨日は教室の中で自分の机が見当たらなくて途方に暮れる夢。でもほんのり幸せな気持ちにさせてくれる夢もある。

そんな夢の中に登場する人物ナンバーワンは高校の時好きだった先生。山口百恵のファンでなにかと授業中にテンション高く「百恵ちゃ~ん」と叫んでた。後に先生に聞いたら授業を面白くするためのパフォーマンスだったそうだ。舞台の上の落語家のように教壇に上がった先生は生徒に飽きさせず面白い授業を提供してくれていたと知り、

「プロだな。」

と感心させられた。

英語の先生で、独身バツいち30代半ば。おしゃれなスーツを着て中にはカラフルなワイシャツを合わせていた。

先生が横を通り過ぎるとき、汗とコロンの混じったなんとも言えないセクシーな香りがした。淡いプラトニックな初恋は経験していたが、性的な魅力に繋がる恋は先生が初めてだったかも知れない。

授業にはついていけず、学校は大嫌いな私だったが唯一先生に逢える英語の時間だけが楽しみだった。テストでは他の科目は全部捨てて英語だけひたすら丸暗記した。

答案を返されるとき上位の名前を読み上げる中に私の名が入っていると同級生は不思議そうな声をあげた。先生だけが私の高校生活を支えてくれる唯一の存在だった

今でも夢の中の教室で先生が出てきて、私だけを特別扱いしてくれる優しい瞳で笑いかけてくれる。幸せな気持ちで目が覚める。でも実際は違ってた。3年生になって大好きな先生のクラスになれて喜んでいたら、先生はかわいくてしっかりした女の子を学級委員に指名した。

「●●、やってくれるよね?」って。その時の敗北感というかああ先生にはお気に入りの生徒がいて、私の入る隙なんてないんだなって悲しい気持ち。担任になって知りたくもない事実を押し付けられる理不尽。

先生はテニス部の顧問だった。その女の子もずっとテニス部だった。私は体育の必須科目のテニスは苦手だった。その子と私は同じ中学出身だった。

卒業後の進路も同じで正看護学校希望だった。まったく勉強もせずに臨んだ私は当然のごとく落ちた。でもその子は受かった。なにもかもその子に負けてる気がした

この話には後日談がある。卒業してからずっと先生のことが忘れられなくて子供が生まれたばかりのストレスだらけの日々に先生の当時勤めていた学校を突き止めて連絡を取り、逢いに行ったのだ。そこにいたのは髪の毛がかなり薄くなった先生だった。アルバムを持参して

「この時の先生がすごく好きだったんです」

なんて一人で舞い上がってた。手紙を何度も送った。返してくれることもあったけど。そのうち返事がこなくなってそのままになった。

先生が還暦になったとき、同窓会があって先生が出席されたらしい。ホームページにあげられていた写真では先生は満面の笑みで明るい元同級生たちに囲まれていた。華やかなその場面には私の入る場所はなかった。

でも夢の中に今でも出てくるあの頃の先生。先生に褒められたかったな。先生に授業中指されたかったな。先生のお気に入りの生徒になりたかったななんて思いが今でも心の中に残ってる。

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#思い出 #日記 #人生 #恋愛

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