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世の中には不可解な謎、いまだに明かされていない謎はいくつもあると思います。

僕の人生の中にもそういった謎はあります。

中学3年の時です。

僕は中学時代、野球部だった。

同学年の野球部は25人くらいいたが、その中でもしょっちゅう一緒に遊ぶ4人のメンバーがいた。

部活でも一緒、アメ村に買い物に行ったり、ゲーセンに行ったり、家に遊びに行ったり、大喜利的なことをやったり、しょっちゅうよく遊んだ。

そんな中、メンバーの1人の家に泊まりに行くことになった。

友達の家は大阪の玉造というところにあった。

日中はゲームしたり漫画読んだりそんな感じで過ごし、夜にみんなで銭湯に行くことになった。

銭湯までは歩いて15分ほど。

メンバーの1人が言い出した
「銭湯まで走って勝負しようや!」

季節は冬で外は寒いし、みんなで走って汗をかいて銭湯に入れば気持ちがいい、尚且つ体育会系ノリと中学生ノリも混じった事により、銭湯までプチマラソンで誰が優勝するか、最下位は何か罰ゲーム、みたいなノリで決定した。


家から出るとやはり寒い。


よーいドンでみんな一斉に走り出した。


大阪の玉造の夜道を5人が走る。


しかも家が並ぶ路地を走ってるので、明かりという明かりがほとんど無く、かなり暗かった。


路地が狭いこともあり、そんなに大差はつかず5人ともいい感じでほぼ並んで走っていた。


暗い夜道をとにかく走った。


5分…


10分くらいたっただろうか、


銭湯が見えてきて、街灯が照らされてる明るい道に飛び出した。


そしてゴール。


みんなノンストップで走り続けたのでハァハァ言ってる。


いい汗をかいた。さあみんなで銭湯に入ろうかとしたその時、1人が驚いたように叫んだ。


「まっちん!左腕どうしたん!?」


メンバーの1人、まっちんの左腕をみんなが見る。


まっちんがその時着ていたアディダスの水色のジャージ(水色と濃いブルーの配色でかっこよかった。アメ村で買ってた)の左腕に、謎の黒い液体が肩から手首あたりまでベッチョリ付いていた。


まっちん「えっ!なにこれ!?」


どうやらまっちん自身も気づいていなかったらしい。


謎の黒い液体はソースのようにドロっとしていて、ハケで上から下に塗られたように付いていた。

みんなが叫ぶ「怖い!怖い!」


家から出た時点ではもちろんそんな液体は付いていなかったし、ただ銭湯まで走っていただけだ。
ちょっとしたパニック状態になった。


しかし騒いでも埒があかないので、勇気ある1人がまっちんの腕に付いた液体を恐る恐る嗅いでみた。


「……まっちん!これソースの臭いや!これソースや!」


「えーー!」


まさか、まっちんの腕に塗られたソースみたいな液体は、ソースだったのだ!


続いてみんなが同じように嗅いだ。
確かに、ソースの臭いだ。


そこからは、みんなでまっちんの腕全体になぜソースが付いているのかという考察に入った。


ここに着くまで、暗い狭い路地を走っていただけ。


住宅街だしソースの付くような場面はない。。


「…あっ!そういえば、明るい道に出る前に、道端に屋台みたいなのなかった!?」


「そういえばあったかも。屋台の明かりを一瞬見たような気がする。何の屋台だったかはわからんけど。」


「その屋台の横を走った時にソースが付いたんちゃう?てか、そこしか考えられへんわ!」


結局、確証はないが、走ってる途中に横切った屋台で、腕にソースが付いたのではないかという話になった。


しかし、ちょっと付いてるレベルではなくハケのようなもので肩から手首あたりまでべったり塗られてるのはなかなかのものだ。


人為的とは考え難いので、屋台の付近にソースが何らかの形で置かれていて、何らかの形でまっちんが走ってる最中に触れてしまって付いた、そういう結論に至った。


結局、マラソンの罰ゲームはどうでもよくなり、最下位でもなかったまっちんが想像以上の罰ゲームを受けたような結果になってしまった。


その後、気を取り直してみんなで銭湯に入り、汗も流してスッキリしたが、上がった後にまたソースまみれのアディダスのジャージを着ることになるまっちんだけは顔色がずっと優れなかった。


銭湯の帰りは歩いて帰った。


おそらくソースが付いた原因となる屋台を探したが、
見つけることはできなかった。

















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