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管理会社に全部お任せはNG!と痛感した出来事

 管理会社ではなく・・・マンション管理組合のセカンドオピニオンとして(マンション管理組合の理事会や委員会の)サポートを始めて約20年が経ちました。そんな私が、この仕事を始めた動機となった出来事がありました。
 それは、マンション管理組合は管理会社に全部お任せのままではダメだ!管理会社は必ずしも管理組合側のスタンスで仕事をしてくいる訳ではない!ということを痛感させてくれたエピソードです。

マンション買った当時の私は・・・

 私が今住んでいるマンションを買ったのは1998年8月でした。不動産を購入した最初の経験でした。マンションの立地条件や周囲の環境、または価格もマンション購入の決め手になりましたが、管理会社がマンションを販売したデベロッパーの子会社(系列会社)だったのも安心材料の1つだったと思います。
 マンションに住み始めた頃、私はサラリーマンしてました。平日は早朝家を出て夜遅く帰宅、休日は趣味(ライフワーク)のテニス三昧・・・マンションは寝るだけで知り合いゼロ状態でしたが、マンションライフに何の不満もありませんでした。
 毎年行われる定期総会の決算資料を見て「管理委託費って結構高いなあ」とは思いましたが、同時に「自分の所(親会社)が建てたマンションを管理しているのだし、まあ悪いようにはしないだろうから、仕方ないな」と思っていました。

理事長就任へ

 マンション買って5年後の2003年5月の定期総会で輪番で回ってきた理事に就任しました。しかも!総会後の理事会互選の結果・・・何と!理事長に就任することになりました。
 管理会社の担当者は「私にお任せください。理事長印が必要な時は連絡します」と言い、前任の理事長からは「後はよろしくね」と印鑑と鍵束の入った袋と書類の詰まった紙袋を2つ渡され、引継ぎは終了しました。

平穏無事だった理事長時代

 理事長になったら、いっぱい書類が届きます。(笑)
 押印書類は押印して管理員のポストに返信投函、報告書みたいな書類は見もしないで紙袋の中へ・・・(笑)
 駐輪場が足りないとか、川沿いのモミジが生い茂り過ぎて洗濯物も乾かないとか・・・マンション住民からは色々と苦情が届いたけど、それに対する管理会社の担当者のレスポンスも悪かったけど、管理員がカバーしてくれたので、理事長就任当初は、まあハンコを押すだけの平穏無事な理事長生活を送っていました。(笑)

そんな中、事件発生! 

 管理会社担当者から仕事中の私の携帯に「急ぎ記名押印して欲しい書類があるので、今晩伺いたい」と電話がありました。
 帰宅後、担当者と集会室で面会すると「テレビ共聴設備増設工事の承諾書」に記名押印を求められました。
 うちのマンション(50戸程度)建築時に近隣のテレビが視聴困難になったので、マンションからケーブルを引いて近隣110戸程度にテレビ電波を有線で供給していました。
 加えて、マンションの周りは大きな敷地の屋敷が多かったのですが、相続等で屋敷が潰され敷地は幾つかに区画に分けて建売住宅が販売されるケースがチラホラ増えてました。
 管理会社担当者が持参した「テレビ共聴設備増設工事の承諾書」は、テレビ電波配信を新たに分譲販売される住宅10戸に供給することを管理組合が承諾するという内容でした。
 担当者からは「設置工事は建設会社が行うので、管理組合の負担はありません。昨年度も同じような書類を前理事長に押印してもらっています」と説明がありました。
 担当者の説明を聞きながら・・・マンション買ってからずっと「管理会社はマンション管理組合を悪いようにはせんやろ」と漠然と思っていたけど、違ったかもなあ・・・と認識を新たにしたことを今でも覚えています。

承諾書への記名押印を断る 

 担当者の説明の後「これはゼッタイに契約しなければならない契約なのか?」と1つだけ質問しました。返答は「義務ではなく任意の契約になります」でした。速攻で断りました。
 何で断ったのか?そりゃそうでしょう。うちの管理組合の「負の遺産」が増えることが明白ですから。
 確かに新設時の費用負担はないけど、電波供給の責任者として将来のメンテナンス費用は全て管理組合が負担することになるのだから、契約する義務もないのに・・・どう考えても損な契約でしょう。

管理会社って何者?

 ただ、ここで誤解しないで欲しいのは、管理会社は「悪者」でもマンション管理組合の「敵」でもないということです。管理会社の担当者の説明を聞きながら裏切られた気分になり、私もその時ばかりは「管理会社=『悪者』『敵』だ~!」と頭に血が上りましたが、実はそうではありません。
 管理会社とは、マンション管理組合と契約している「マンション管理委託契約」に則って管理組合にサービスを提供し対価を得ている会社なのです。管理会社は、マンション管理組合の「当事者」ではなく「契約者」なのです。「当事者」は管理組合員であることを忘れてはならないと思います。

最後に

 承諾書事件?の時に「管理会社の言うままに任せ切るのは、ぜったいNG!」と痛感しました。
 でも契約を受託してくれている「パートナー」なので、管理会社とケンカしたり絶交したりはしませんでしたよ。(笑)

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