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民藝旅 vol.2 沖縄 \ひとりぼっちの与那国島/


5月17日 金曜日 曇り


「現地が悪天候のため、那覇空港に引き返すか、石垣空港に着陸する可能性があります。それでも、よろしいでしょうか?」


那覇空港のJALカウンターで、もじゃもじゃ頭は悩んでいた。

おばあちゃんず情報によると「始発のゆいレールで空港のカウンターに行けば、安いチケットが買える。」とのことだった。

しかし、チケットは往復5万円越え
さらに、着陸する保証がないときた。損得勘定の天秤がグラグラ。

(なよこさん、親族に連絡するって言ってたよ…ここで帰っても行くところがないよ…)

脳内天使が貧乏性の悪魔を追いやって、生唾を飲みながらクレジットカードを差し出した。



飛行機は、2列シートでとても小さい。大きめのセスナ機といった感じだ。
キャビンアテンダントさんは1人。上品で美しい姿に、ポーッと見とれてしまう。

少し機体が揺れたけれど、さすがはJAL。
快適な空の旅だった。




ひとりぼっちの与那国島

与那国空港に到着したのは、確か9時すぎだった。

数日前、50年に一度の大雨で被害を受けた与那国島。
現地の様子が心配だったけれど、空港は普段と変わらない様子。

雲はどんよりと重く、雨はざあざあ降っていた。

荷物を受け取るロビーに、見覚えのあるポスターが貼られていた。


与那国島は、「Dr.コトー診療所」の撮影地だったようだ。まっすぐな海岸の道を、白衣のコトー先生が自転車で走るエンディングは、いまでも心に残っている。

ちょっと懐かしく、ポスターを眺めていた時。
ゾッとすることを思い出した。


お宿の予約してない。


急に決まった与那国行き。
直前まで悪天候だったので、行こうかどうか迷って、宿を予約せずに来てしまったのだ。

那覇のような都市部であれば、宿はたくさんあるし、当日予約でも問題ない。しかし、ここは与那国・西の果て。

宿が何件あるかもわからないまま、小さな離島に来てしまったのだ。
とりあえず、ふみえさんがオススメしてくれた宿に電話をかけてみた。


「あの、今日って泊まることはできますか?」

「今日ですか!」


電話越しに、女性が驚きが伝わってくる。
そりゃそうだ、普通、何日も前にお部屋を確保するのが普通だもの。

女性はうーんと悩んだ末に、


「いま、空いている部屋が1つしか無いの。でも、その部屋はニスを塗ったばかり、小さい部屋だから…もし他を当たってみて、ダメだったら、もう一度電話してください。」


凛とした声で、答えた。

行き当たりばったりのドタバタ旅は、毎度のことだけど、やっぱり凹む。

気晴らしに天気予報を確認したら、今週はずっと雨らしい
離島に来たのに、雨。


気を取り直して、インターネットで与那国島の観光案内を開く。
そして、2軒の民宿に断られた。至極当然!めげるな!がんばれ!えいえいおー

藁にもすがる思いで、3軒目
高齢のご夫婦が営む民宿がOKをくださったので、ホッと一息。

さて、飲み物を買って、民宿に向かおうかな…
荷物を持って、空港のベンチから立ち上がると、知らない番号から着信。


「もしもし。」


電話に出ると、最初に連絡した民宿の女性からだった。


「お宿、決まりました?心配になって…」


なんて優しいんだろう!でも、大丈夫。お宿はちゃんと見つかったので意気揚々と宿の名前を告げると、女性が息を詰まらせた。

「え…そこは…、そこは、やめておいたほうがいい。」


どういうことだろう。
話を聞いてみると、諸々事情がある民宿らしい。
中年男性でさえ、あまりの汚さから宿をキャンセルして、さまよっていたとのこと。


「どうしよう…」


ようやく見つけたお宿がDead or Alive状態。


「あのね、〇〇と、〇〇と、〇〇に聞いてみて。ここなら大丈夫だから。
 もしそこがダメだったら、私のお姉さんがいま閉めてる宿を開けてもらえるように頼んであげるから。」


あまりの優しさに泣きそうだった。

お礼を言って、電話を切ったあと、教えていただいた宿に連絡をしたらOKをいただけた。予約したお宿もキャンセルできた。これで、一安心。女性にお礼の連絡をした。



今日のお宿に向かって雨の中を歩いていると、映画「めがね」を思い出した。情けないし、でも助かったことが嬉しくて、ほっと胸に手を当てながら歩いた。





今日のお宿は「さんぺい荘」。
素泊まりで2500円。お部屋も綺麗。お母さんは温かい人柄で、安心。
とりあえず、泊まるところは確保できた。

荷物を置いて、鼻息荒く、よっしゃ!
次は、なよこさんが連絡してくれてる親戚さん探しやー!と、意気込んだのはいいけれど。


どうやって探せばいいの?


数日前、スピリチュアルおばあちゃんずはこう言った。


「島に行けば、わかるさ〜」


いや、分からないよ!与那国島って意外と広かったし、集落は3つもあるよ。誰に聞いたらいいの?おばあちゃんず、適当すぎるよーー!

悶々としていると、宿のお母さんが話しかけてくれた。
経緯を話すと、お父さんが緑色の冊子を持って部屋に来てくれた。

こ、これは…


島に行けばわかるって、こういうこと…?

兎にも角にも、大収穫。
なよこさん家の一番上のお兄さんに連絡してみた。

すると…


なよこさん、連絡するのを忘れてしまったのかもしれない。
他の兄弟さんの名前を探したけれども、電話帳に載っていない。

せっかくここまで来たのに、絶望の淵。

ようやく見つけた魔道書が、ただの紙切れになってしまった。
体の力が抜けて、畳にゴロンとねていると、お父さんが戻ってきた。


「それで、見つかったかね?」


期待が大きかった分、ショックも大きく。お父さんにお断りされたことを話した。


「そうかい。ちょっと待ってて〜」


そういうとお父さん、携帯電話を取り出して、どこかに電話をかけ始めた。

お父さんは誰に話しているんだろう?
なよこさんのご親戚に会えるのかな?


続きは、また明日…

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〜編集後記〜

いつも #民藝旅をお読みいただきありがとうございます

#民藝旅 沖縄編、やっと与那国島に到着しましたね。
それにしても、信じられないほど計画性がない自分の行動に、書きながら恥ずかしくなっています。

自己分析で「物事は計画してから〜〜」の項目があったら、「計画できない」に丸をつけなければなりません。反省です。

この日、色々とショックが大きくて、しばらくカメラを手に取れませんでした。
ツイッターで旅を追ってくださった方はご存知だと思いますが、どんなことが起きたのか…明日の更新を、どうぞお待ちください。


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これがあるから頑張れる〜!
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