犬の妖精ポチ子ちゃん5

最終話「ポチ子ちゃんと新しい出会い」

 ポチ子ちゃんは、小さなベッドの上で、すやすやと静かに眠っています。足先には、コロコロとした五匹の小さな子犬たちが、ポチ子ちゃんに必死に絡んでいました。
子どもたちの目は、真ん丸です。
「おかあさん、、。」
「、、おかあさんになったの?ポチ子ちゃん。」
子どもたちの「人間の」おかあさんは、困ったように謝りました。
「ごめんね、二人とも。急な出産だったものだから、黙って出て行って。」
「ううん。ポチ子ちゃんが無事で良かった。」
「本当にね。」
二人は、今日で二回目の涙を流しました。

 明くる日、二人は初めて子犬を抱き締めました。
「うひゃー!」
「小さい!コロコロしてる!」
「ポチ子ちゃんが小さかった頃を思い出すね。」
おかあさんは、笑いました。
「良かったね、ポチ子ちゃん。」
五匹の子犬は、ポチ子ちゃんの黒色と、あの白い犬の白色のブチでした。
「ありがとう。ごめんね。白い犬。」
どこかで、あの白い犬が、わん!と吠えました。
(完)

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