ふじ祐季子

東洋思想を学びながら、童話制作に取り組んでいます。

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最近の記事

【創作童話】サンタさんのお手つだい

クリスマスイブのサンタさんは、 ひとばんで、たくさんのプレゼントをくばります。 道をまちがえてしまうと、じかんがかかってしまい、ぜんぶのプレゼントをくばることができなくなるからたいへんです。 なので、じぜんに、きちんとじゅんびをしておくことが大切。 道じゅんはこれでだいじょうぶかな、 子どもたちにくばるプレゼントはそろっているかな、 そのほかにもいろんなことをきちんとかくにんします。 ことしは、じぜんのじゅんびが、クリスマスイブの前の日のぎりぎりまでつづきました。 もう、み

    • 【創作童話】気づきのスープ 〜ぼくのミッション〜

      「う~ん・・・。」 ぼくは、杏奈ちゃんのことを考えていた。 杏奈ちゃんは、ぼくのクラスメイトで、教室ではとなりの席。 元気で明るくて、人気者の杏奈ちゃんのまわりには、いつも、だれかがいる。 杏奈ちゃんは、みんなの話を「うんうん。」と楽しそうに聞きながら、いつも笑っている。 ぼくらのまちの真ん中には、かさね山という大きな山がひとつある。 教室からも、かさね山はよく見える。 晴れても、雨がふっても、どんな天気でも、 だれかが、笑ったり、悲しんだり、怒ったりしても、 かさね山は

      • 【創作童話】冒険の始まり・後編

        明け方近く。 まだうす暗い丘の上には、ひとつの人影がありました。 ブランコにのってゆらゆらとゆれています。 「なんだろう。」 ウーカは、ちょっとどきどきしながら、その人影へと、しずかに近よってみました。 そこには、ひとりの少年がブランコにゆれながら海を見ていました。 ウーカと同じくらいの年だけど、島では見かけたことがない知らない少年でした。 ウーカは、話しかけてみようかと思いましたが、どう声をかけようか迷ってしまいました。 そうしていると、少年の方が、ウーカの気配に気がついた

        • 【創作童話】冒険の始まり・前編

          カタカタ、カタカタ・・ ”とびら”が、ふるえる音。 カタカタ、カタカタ・・ ここは、わずかな人が暮らしている小さな島。 広い海の中に、ぽつんとあります。 ウーカは、この小さな島で暮らす少女。 島のみんなに愛されて育ちました。 島の丘の上には、いっぽんの大きな木があります。 この木にかかっている、長いブランコは、ウーカのお気に入り。 ここからは、海が遠くまでよく見えます。 ウーカは、このブランコにのって、幼いころにパパからもらった世界地図をひろげます。 目の前に広がる大きな

        【創作童話】サンタさんのお手つだい