【創作童話】冒険の始まり・後編
明け方近く。
まだうす暗い丘の上には、ひとつの人影がありました。
ブランコにのってゆらゆらとゆれています。
「なんだろう。」
ウーカは、ちょっとどきどきしながら、その人影へと、しずかに近よってみました。
そこには、ひとりの少年がブランコにゆれながら海を見ていました。
ウーカと同じくらいの年だけど、島では見かけたことがない知らない少年でした。
ウーカは、話しかけてみようかと思いましたが、どう声をかけようか迷ってしまいました。
そうしていると、少年の方が、ウーカの気配に気がついた